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特集3月号 彩々太巻きずしを、みんなで作ろう!

「祭りずし」、「飾り巻きずし」などともいわれている、
人気赤丸急上昇の進化系太巻きずし、彩々太巻きずしを、
読者代表の主婦の方々と実際に作ってみました。

どこを切っても断面にお花からアニメキャラまでが描かれる
金太郎飴的巻きずし

 手巻きずしに始まって、カルフォルニアロール、恵方巻きと、巻きずしのブームは衰え知らず。その中で、最近もっとも注目を集めているのが、「祭りずし」、「飾り巻きずし」、「デコ巻きずし」とも呼ばれている進化系太巻きずしです。

 太巻きずしといえば、玉子、タクワン、でんぶ、マグロなどの魚介類、アボガドなど、すしめしと一緒に巻き上げる具材が注目され、いろいろな組み合わせのレシピが登場してきました。しかし、今回紹介する「彩々太巻きずし」は、「具材を巻けばいい」というふるーい固定概念すら覆してしまったといっても過言ではありません。

 具材の色とりどりの華やかさはもちろん、どこを切っても断面に、ウメ、サクラといったお花、トンボや蝶などの虫、アニメキャラなど、まるでイラストのように出てくる、まさに金太郎飴のような巻きずし。この「見て楽しい」という要素が加わったことで、新しく太巻きずしの主役になろうとしています。また、同じ絵が出てくるようにするためには、細かい工夫が必要なことも、キャラ弁で培った主婦たちの創作意欲に、新しい刺激を与えているようです。

 「蝶の飾り巻きずしを娘(年長組)のお弁当に入れたんですが、キャラ弁以上に喜んでくれて、ふだん食べない野沢菜なども、残さずに食べてくれました。オリジナルの新作考案中です」(神奈川県・30代主婦)

 「アニメキャラの飾り巻きを孫娘のお弁当に入れたら、〝おばあちゃん、また作ってね〟といわれたので、嬉しくて……」(千葉県・60代主婦)

 といった声も多く寄せられています。

 そのため、専門の講習会が催されたり、ネットでのオリジナル作品を紹介し合ったり、レシピ本が出版されたりと、そのすそ野はどんどん広がっています。ネットで画像検索してみれば、その広がりが実感できるはず。まさに進化系巻きずしなのです。

彩々太巻きずしに初挑戦!

 進化系の太巻きずしには、初挑戦という4人の主婦の方々。しかし納豆巻き、かんぴょう巻き、かっぱ巻きなどの細巻き、いろいろな具材を入れた太巻きなどは、家族にも好評なので、月に2~3回くらいの頻度では、作るとのこと。さて、実際に進化系「彩々太巻きずし」の基本の一本に挑戦してみた感想とは?

参加してくださった方々

石橋京子先生<講師>
石橋京子先生(千葉伝統郷土料理研究会所属)
食品会社にて製品開発や品質管理等を担当後、保育園や老人福祉施設において栄養士として勤務。平成元年より千葉伝統郷土料理研究会に所属し、千葉県の郷土料理や太巻きずしの普及・指導を行う。

基本のすし飯の作り方

用意するもの:お米/3合、水/540㏄、酢/80㏄、砂糖/大さじ4、塩/小さじ1

  1. 合わせ酢は、砂糖、酢、塩、を鍋に入れ、軽く混ぜながら、弱火で温めます。砂糖と塩がとけたら、火を止めます。
  2. 洗米したお米をザルにあげ、水気を切っておきます。それと同量の水を加え、炊飯器で炊きます。
  3. 炊き上がったごはんは10分ほど蒸らし、飯台にいっきにあけ、合わせ酢をかけて、切るように混ぜます(写真1)。
  4. 濡れふきんをかけて、3~4分置きます(写真2)。
  5. ウチワなどで風をあてながら、しゃもじで下からすくい上げるように上下を繰り返し、手早く冷ましていきます(写真3)。
    (気軽にすしめしを作りたいときは、粉末や液体のすし酢を使っても混ぜてもOK)
基本のすし飯の作り方
(写真1)
基本のすし飯の作り方
(写真2)
基本のすし飯の作り方
(写真3)

進化系巻きずしのルーツは、
なんと江戸時代から伝わる千葉の郷土料理

 人気赤丸急上昇の進化系太巻きずしですが、実は最近になってから作られ始められたものではありません。

 房総地方(千葉県)では、「具を芯にして巻く」という技法の原点にした太巻きずしが、江戸時代から冠婚葬祭や地域の集まりの際のごちそうとして受け継がれてきました。時代が下り、かんぴょうや桜でんぶ、卵、砂糖が登場するようになると、太巻きずしの表現方法は繊細かつ多彩になり、いろいろな文様(模様)が描かれるようになったといいます。

 各地域には、当時「名人」と呼ばれた男性の巻き手がおり、次から次へと見事な模様を断面に描く太巻きを巻いては、ハレの日を祝う人々を喜ばせていました。ところが、戦中戦後の食料統制で、その伝統は途切れてしまい、名人たちも激減したのです。

 そこで、房総地方独自の太巻きずしの伝統を守るべく立ち上がったのが、各地域で「名人」技を知っている農家の女性たち。

 昭和30年ごろ、現在、千葉伝統郷土料理研究会を主宰する龍﨑英子さんは、自身の婚礼の際、お祝いのためにと地元の女性たちが作ってくれた「チューリップ」の太巻きずしに出会い、その見事な文様と素朴な味に感動。以降、安房、上総地域を回り、その伝統技術を知る人、名人の元を訪ね、文様ごとの巻き方を教わることで、多くの模様の太巻きずしをレシピにまとめ、掘り起こしてきました。龍﨑さんたちに伝承された太巻きずしは、新しい文様なども加わり、「房総の太巻き祭りずし」としてまとめられ、『農山漁村の郷土料理百選』(農林水産省)では千葉県の代表する郷土料理の一つに選ばれるまでになったのです。

 すべての進化系太巻きずしの表現手法のほとんどは、この「房総の太巻き祭りずし」が手本になっていることは、いうまでもありません。

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