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写真:伊達先生 文章:ごはんしっかり食べて美ボディルールブック

美ボディルールブック Q&Aへ

太り気味の方が「ただ、やせたい!」ためにダイエットするのではなく、メリハリのある美ボディや美肌を保つためにも、日々の食生活を見直すことが重要になってきます。この連載では、美ボディを維持し、毎日を過ごすための「伊達流の食事の摂り方」を紹介していきます。

伊達友美プロフィール写真
伊達友美プロフィール
管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。日本アンチエイジングダイエット協会理事。銀座医院など各クリニックで、これまでに5000人以上の食事を指導。自身の20kgのダイエット経験から、ストイックな食事制限ではなく「食べてやせる」ダイエットを提唱し、多くの支持を得ている。著書『大盛りご飯を食べてもやせる技術』(池田書店)、『図解23時から食べても太らない方法』(WAVE出版)など多数。
伊達友美公式ホームページ

伊達流美ボディルール①ごはんはダイエットの敵ではない。
むしろ、意識して食べる必要がある。

ごはんを我慢している女の子の図

「米のごはんは大盛りで食べてもいいんです」

 私がこういうと、ほとんどの人は驚き、「そんなことをしたら太りませんか?」と不安げな表情を浮かべます。そして最近では、糖質(炭水化物)さえ抜けば、なにを食べてもいいという「低炭水化物ダイエット」が持てはやされ、糖質オフという言葉もよく耳にします。

 もしかして、あなたもごはんはダイエットの敵だと思っていませんか? 

 糖質を摂り過ぎると血糖値が上がり、余分な糖が脂肪として蓄積しやすくなるのは確か。糖質を摂り過ぎないようにすること自体は、けして間違いではありません。また、糖質を摂らないようにすると、まず体内で糖にくっついていた水分が排出されるので、短期間に体重を落とすこともできます。

 でもこれは一時的なこと。糖質制限して体重が落ちても、制限をやめた途端に体重がいっきに戻るリバウンドを起こします。また糖質を摂らないようにしても、人によってはまったくやせない場合もあります。糖質は、熱(エネルギー)を作り、体温や正常な代謝を保ち、脂肪を燃やすために欠かせない栄養素でもあるので、これを制限することで、かえって体脂肪が燃えにくくなり、太りやすくなってしまうということもあるのです。

「だまされたと思って、ごはんをお腹いっぱい食べてみて」というアドバイスした途端に、スムーズにやせ始めたというケースも、私は多く見てきました。また私自身、これまでに5000人を超える方々に食事指導を行ってきましたが、ごはんの食べ過ぎで太った人は、わずか3人しかいません。

 昔から米を主食にしてきた日本人にとって、「ごはんは非常に消化しやすく、身体を冷やしにくくする」食べもの――これは、体脂肪を燃えやすい身体を作ることにもつながります。日本人にとって、ごはんはダイエットと美ボディのためには欠かせないものなのです。

伊達流美ボディルール②美ボディを手に入れるには、
引き算ではなく、むしろどんどん食べて、
必要な栄養素をプラスすることこそが大事に。

体重計に乗る女の子の図

「○○を食べたら体重増えた、○×を制限したら体重が減った」と一喜一憂する人がいますが、体重が増えた=太ったではありません。ですから私は、美ボディを目指すダイエットの場合、「体重を測らない」ことをおすすめしています。

 そもそも、私たちの身体は、「なにかを減らせば、その分やせる」という引き算が通用するほど、単純にできてはいません。

 今のご自身の身体は、基本的にこれまで食べてきたもので作られているのです。さらに体質、生き方、生活環境など、さまざまな要素が複合して、今の状態になっているのです。もし今の状態に満足できないのであれば、生き方や生活環境を変えることもダイエットの有効な手段の一つともいえます。

 そしてやせるためには、やせるための栄養素が必要なことを覚えておいてください。

 一般的に高カロリーなものは悪者のように扱われ、「摂取カロリーを減らせばやせる」と思われていますが、そもそもこれが間違いのもと。もともとカロリーは熱(エネルギー)量の単位で、高カロリー食品は「熱をたくさん作れる食品」ともいえるものです。

「やせる=体脂肪を燃やす」というのは、実はたくさんの熱(エネルギー)を必要とする力仕事。たき火を思い浮かべてください。枯れ葉や細い枝ばかり燃やしていたら、大きな炎にはならず、すぐに燃え尽きてしまいます。長時間燃やし続けるには、太い薪などを加える必要があります。

 これと同じで、ひたすら低カロリーのものだけを食べたり、カロリーを減らす食生活を続けていると、体脂肪を燃やしにくい身体になってしまいます。なぜなら、摂取カロリーが減少すると、私たちの身体は飢餓状態だと勘違いして、「エネルギー不足になるぞ!」と節約モード――体脂肪が燃えにくく、蓄積されやすい状態に切り替わるからです。これが、「食べていないのに太る」という状態なのです。こういう状態に陥らないためにも、時には太い薪(高カロリー食品)も必要になってきます。

 カロリーにかぎらず、引き算をするのではなく、むしろどんどん食べて、やせるために必要な栄養素をプラスしていくことこそが、美ボディを作る第一歩になるのです。

伊達流美ボディルール③自分の好きなものを食べ、
心の底から美味しいと感じなければ、
ダイエットは成功しない!

好きな食べ物を思い浮かべている女の子たちの図

 食事指導をしていると、「あなたが、いちばん好きな食べものはなんですか?」という私の質問に、即答できない人が増えています。

 その理由を聞いてみると、日常的に「健康に良いもの」「太りにくいもの」ばかり食べているうちに、自分の本当に食べたいものが分からなくなったという方がほとんど。なかには、「健康に良いものしか食べません」と答える人までいます。

 また忙しいために、菓子パンやスナック菓子、インスタント食品で空腹を満たしているうちに、食に対する興味がなくなり、何が美味しいのかもよくわからないという方もいます。

 私が提唱している「伊達式食べ合わせダイエット」は、引き算はしません。むしろ食べたいものをしっかり食べて、やせるための栄養素をプラスし、食生活の改善=美ボディ作りを図る――というもの。我慢して減らすのではなく、足りない栄養分を補う食べものを増やすことで、それまで摂り過ぎていたものをトコロテン式に押し出し、自然に減らすのです。

 栄養素は、たった一つで働いているわけではありません。たんぱく質・脂質・糖質という三大栄養素にビタミン・ミネラルなどが、絶妙なチームワークで機能して初めて、効率よく体脂肪を燃焼させ、お肌やボディラインを整えることができるのです。

 しかし、好きなものが分からない――人間の三大欲求の一つである「食欲」という本能が衰えていては話になりません。

 食欲は、ただ単にお腹が空いた時だけ起こるものではありません。例えば、身体が疲れていれば酸っぱいものを、脳や心が疲れていれば甘いものを、体内に余分な毒素が溜まっていれば苦いものを欲するというように、必要なものを本能的に欲するのです。ですから、その正常な本能に従って食べていれば、太ったり、肌が荒れたり、イライラすることはないはずなのです。

 まずは、この本能を取り戻すためにも、ご自身の身体に「今、なにが食べたい?」と問いかけてみてください。そしてその時、本当に食べたいと思うものを食べ、「美味しい」と感じてください。もちろん「太るから……」なんて、気にする必要はありません。食べたいものを我慢するような食べ方をしていたら、ますます本能が衰えてしまいます。

 このベースがあって初めて、やせるために不足している栄養分を効率的にプラスαする足し算が可能になります。つまり、好きなものを食べることから始めないと、美ボディを作るダイエットの成功はないのです。

伊達流美ボディルール④大人には大人の食育を――
大人は好き嫌いしてもOK!

好きな食べ物を思い浮かべている女の子たちの図大人の好き嫌いは、身体からのシグナル

 前回、「意識して好きなものを食べよう」と書いた私の言葉に抵抗感を持った人もいるかもしれません。子どもの頃から、「好き嫌いなく、なんでも食べよう」といわれ、それを忠実に守ってきた人とっては、違和感があると思います。

 確かに、身体の機能も発達の途中で、味覚も育っていない成長期の子どもにとっては、「好き嫌いしないで、なんでも食べましょう」という食育は、大切なことです。

 しかし、すでに身体の成長が終わり、味覚も完成された大人には、好き嫌いがあったとしても、それは仕方がないこと。「身体が欲しないもの=嫌いなものを、あえて食べる必要はない」と私は思っています。

むしろ、自分の好みや適量が分からない人の方が問題です。最近の大人たちは、健康情報に左右されたり、子どもの頃から親からいわれたり……と、自分の身体が欲してないのにも関わらず、「身体に良い」と、信じ続けて食べているのです。

 大人と成長期の子どもでは、必要な量も違いますし、必要とされる栄養素も変わってきます。男女差もありますし、体質や生活環境、運動量などでも、必要な量や栄養素が異なります。また、持久力を必要とする長距離走のアスリートなどは、試合前にごはんを中心とした糖質をしっかりと摂らないとリタイアにつながりかねないなど、その方の状況によっても違いが出てくるのです。

 さらに、どんなに身体に良いものであっても、人によって「合う、合わない」があります。そして私たちの身体は、合うもの=本能が欲するものを、「美味しい」「好き」と感じるようにできています。だからこそ、自分の「好き嫌い」をしっかり持っている大人こそ、違いが分かる真の大人というになるのです。

 しかし残念なことに、子どもの頃の食育を卒業できず、また、なんの根拠もない健康情報を鵜呑みにしてしまう自分の「好き嫌い」さえ分からない人が増えているのが現状。それを解消するためにも、「大人には大人の食育が必要だ」と、私は感じています。

 小さなお子さんがいる家庭で、大人が子どもと同じものを家族みんなで食べていませんか? これは家族団らんの微笑ましい光景かもしれませんが、「大人と子どもは食べるものが違う」というのが、本来のあるべき姿。また、それを教えることも、子どもにとっての大事な食育の一つになるはずです。

伊達流美ボディルール⑤人は草食動物でも、虫でもない。
野菜メインではなく、
ごはん、肉や魚も意識して食べる。

好きな食べ物を思い浮かべている女の子たちの図

 ビタミン、ミネラル、食物繊維……などを豊富に含む野菜をしっかり食べることは、健康的な食生活に欠かせません。しかし、野菜だけでお腹いっぱいになるような食生活は、明らかに行き過ぎです。

「ごはんも抜いて、肉も油も控えめにして、野菜中心の食生活をしているのに、ぜんぜんやせません。どうしたらいいのでしょう?」

 こんな相談を受けるケースも最近、増えています。「野菜中心」といえば、いかにも健康的な響きがあります。しかしこれが行き過ぎると、身体がやせにくくなったり、メリハリのないボディになってしまう場合もあるのです。

 人は草食動物でも虫でもありません。人の身体には、三大栄養素をまずしっかり摂ることが重要なのです。そして、全ての栄養素を効率良く摂るためには、主食のごはんに一汁三菜(主菜1に副菜2)という基本的な和食が、理想的なスタイル。そして、野菜はあくまでも、副菜の一つに過ぎません。

 ですから、副菜の野菜を摂りすぎてしまうと、主食のごはん、主菜(メインディッシュ)の肉や魚の量が減り、そのために糖質や動物性たんぱく質が足りなくなってしまいます。これでは、熱をつくれず、代謝も上がらないので、まさに本末転倒です。

 糖質不足の影響は前回述べましたが、たんぱく質が不足すると、「元気がでない」「代謝が落ちる」「イライラする」など、身体的な不調が起こってきます(ベジタリアンのように野菜中心の食生活で、健康を維持できる人は例外)。

「野菜中心」という食生活は、食の欧米化が急速に進み、肥満や生活習慣病が急増し始めた頃に登場したもの。ダイエットのため、健康のためと、ただですら肉を控える人が増えた現代には、そぐわない食生活でしょう。

 逆に、主食のごはんを増やし、また肉や魚や卵などの動物性たんぱく質は、手のひら1枚分の量を、1日2回くらいは食べたいものです。

伊達流美ボディルール⑥美味しさをスポイルしがちな、
糖質オフはナンセンス。
糖質を必要量食べるように心がける!

好きな食べ物を思い浮かべている女の子たちの図食事が身体の栄養なら、
アルコールは心の栄養。

 「カロリーゼロ」をうたった、いわゆるダイエット系清涼飲料水や、「糖質オフ」「カロリーオフ」をうたったビールなどが多く登場し、どちらも健康志向の人たちが好んで飲んでいるようです。

 しかし、カロリーゼロなら太らないというのは、まったくの幻想にすぎません。普通なら甘いもの(人工甘味料を使用していない無添加のフルーツジュースなど)を飲めば身体に糖質が入ってきて、即効性のあるエネルギー源になります。ところが、人工甘味料を使ったダイエット系清涼飲料水の場合、甘いのに糖質が入っていません。そのため脳が「糖質が入っているはずなのに、エネルギーが作れない。非常事態だ」と勘違いして、食欲が旺盛になったり、すぐにでもエネルギーになるものをと甘いものが異常に欲しくなったりすることも。そのため、味覚や食欲が乱れて、太る原因になる場合もあります。

 また、糖質オフやカロリーオフのビールは、糖質やカロリーを抑えることで、ビール本来の美味しさをスポイルしがち。食事が身体の栄養なら、アルコール類は心に栄養を与えるもの。どちらも美味しいと思えるものを口にしないと、栄養の補給にはなりません。

 天然の糖質は「エネルギーは足りているぞ!」と、心と身体に安心感を与えます。美味しいごはんや甘いものを食べると幸せな気分になるのも、そのため。カロリーオフや糖質オフにこだわらず、身体の欲求に素直になり、必要量しっかり糖質を摂ることこそが大切になってきます。

伊達流美ボディルール⑦定食こそ食べ合わせの理想形。
外食するならごはんを中心とした定食を。

ランチを制するものはダイエットを制す

 「1日3食、規則正しく食べましょう」というのは、子どもの頃からしつけられた食べ方です。しかし私たちの身体は、食後3~4時間程度で食べた分のエネルギーを使い果たし、血糖値が下がり「お腹がすいた」と感じるようになります。このタイミングで食べたものは、効率よくエネルギーに変換され、暴飲暴食をしないかぎり、体脂肪として蓄積されることはありません。ですから、活動量の多い人であれば、1日5~6食、食べて問題はないのです。

 大人の食育としては、食べる回数だけでなく、食べるタイミングもいつでも問題はありません。ただし、条件が2つだけあります。

 一つは、「本当にお腹が空いている時」に食べること。お腹も空いていないのに、時間だからと食べるのは、太りやすくなってしまうからです。

 そして、もう一つが食べるものの種類。それほど好きでもない菓子パンやジャンクフードで、空腹を満たさないことが重要になってきます。質のよくない小麦粉や油、添加物が多いものは、身体のためになる栄養素がほとんど含まれていないだけでなく、消化のために身体の栄養素を消費する「栄養泥棒」だからです。

 さて、まずは食べるタイミングですが、働いていれば、ランチタイムが決まっていて、それを実行するのが難しいのが現実。また、朝は忙しいので、しっかり食事をするのは難しいかもしれません。

 仕事やライフスタイルによりますが、朝起きたら、まずは常温の水を飲んで、排泄を促すこと。お腹がすいてなければ、朝食は果物か野菜ジュースを飲むだけでも十分です。

 そして、頑張って働いたら、昼と夜はしっかりとエネルギー補給を心がけましょう。特にランチは、お弁当にしろ、外食にしろ、食べ物を自由に選べるので、食べ合わせを工夫しましょう。「ランチを制するものは、ダイエットを制す」なのです。

 そのランチの理想は、なんといっても定食。定食には、主食のごはん、主菜、副菜のほか汁も付き、栄養バランスのよい食事の理想形である「一汁三菜」のスタイルだからです。

 自宅でごはんを作って食べるとき、コンビニ弁当や丼物などワンディッシュものを食べる場合でも、基本的に定食をイメージすると間違いがありません。コンビニ弁当ならインスタント味噌汁、丼物には漬物や汁物をプラスすれば定食スタイルになります。

 この定食スタイルで、特に大切なのが主食の「ごはん」と主菜の「メインのおかず」。これさえしっかり摂れば、三大栄養素はしっかりフォローできるはず。パスタ+サラダという組み合わせはヘルシーと思われがちですが、「主食」と「副菜」だけなので、主菜(メインディッシュ)に含まれるたんぱく質が不足してしまいがちです。いくらビタミンやミネラルを摂っても、たんぱく質不足では、身体の代謝が上がりません。

 また、おにぎりやサンドイッチなどをメインにするなら、肉や魚や卵のおかずを一品プラスしてください。

伊達流美ボディルール⑧美ボディ作りには
「食べる順番を変えるだけ」
という効果的な技を使いこなせ。

食べる順番がダイエットにつながる

 「太る=体脂肪を貯めこむ」はどのようなメカニズムで起こるか、簡単に説明します。食べたものは、まず脂肪酸やグルコース(糖)などに分解され、血液と一緒に全身を巡り、エネルギーに変換されていきます。そして、使われずに余ったものが、体脂肪になるのです。しかし、すぐに蓄積されるわけではありません。しばらくは分解と合成を繰り返します。また余った糖は、いったん肝臓に戻されグリコーゲンという糖になって、ストックされます。肝臓にストックされる糖の量には限界があるので、それ以上にあふれると、体脂肪という巨大倉庫に運ばれ蓄積されていくのです。

 この体脂肪の蓄積(太る)に大きく関わるのが、「血糖値の急上昇や急降下」。血糖値が急上昇しないようにすれば体脂肪の蓄積を抑えることができるのです。

 食事をすれば、血糖値は上がります。しかし、血糖値の上がりやすさ=GI値(グリセミックインデックス)は、食べものによって違うのです。

 そこで、なるべく血糖値が上がりにくいものから先に食べて、血糖値の急上昇を抑えようというのが低GIダイエット。私は、これをさらにバージョンアップし、身体を温め、代謝をアップするものから食べることをすすめています。

 一般的には野菜や海藻など、血糖値が上がりにくい食物繊維を多く含むものから食べ始めるのがいいとされていますが、その前に、温かい味噌汁をひと口飲んで、身体を温めておくと、胃腸の働きがよくなり、代謝アップに。また、同じ野菜でも、漬物などの発酵食品は、身体を冷やさず、同時に腸内環境を整えて栄養吸収をサポートするので、同じように代謝アップの効果が期待できます。

 そして、ごはんなどの炭水化物(糖類)はできるだけあとに食べること。といっても、一皿全部が食べ終えてから、次に行く必要はありません。「三角食べ」と呼ばれる食べ方、2~3口ずつ食べて、次の食べものに移ればいいのです。

 ちなみに、GI値の高い食べものの代表といえば小麦粉と砂糖。一般的に、原形が分からなくなるまで白く精製されたものほどGI値が高く、逆に色の濃い食べものや原形を残しているものほど低いといっていいでしょう。

 精米されたごはんも白い食べものですが、原形に近いため小麦粉や砂糖に比べればGI値は低く、腹持ちも良いので、美ボディ作りにはぴったりの日本人に合った健康的な食品なのです。

伊達流美ボディルール⑨「油は太る!」は間違い。
いい油はダイエットに欠かせない!

いい油は積極的に取らなきゃ

 肉と同じように、美ボディに気をつかっている人が、控えがちなものといえば「油」です。「肉や油はダイエットの大敵」というとんでもない誤解が生まれた背景には、高カロリーな食品というイメージが強いからでしょう。

 しかし、肉や油を必要以上に控えすぎるは考えもの。なぜなら、油=脂質は、三大栄養素の一つで、代謝を上げ、身体を温め、肌の潤いを保つためにも欠かせない栄養素だからです。また油抜きすると、脳の働きが悪くなったり、お通じが悪くなったり、ホルモンのバランスを崩すことも。さらに「メイクをクレンジングオイルで落とすように、体脂肪は油で落とすのが効率的」ともいわれています。

 人間も歯車と同じで、油が足りないと、心身が正常に機能しなくなり、代謝が下がってやせにくくなることもあります。

 といっても油には、積極的に摂りたいものと、そうでないものがあるのは確か。

 なるべく避けたい油は、酸化した油とトランス脂肪酸を含んだもの。トランス脂肪酸は、「狂った油」とも呼ばれています。血管疾患やガンのリスクを高めるだけでなく、アレルギーの要因になることも。

 積極的に摂りたいのは、シソ油、エゴマ油、アマニ油などオメガ3(α-リノレン酸)系脂肪酸を多く含む油。オメガ3脂肪酸は、細胞内の体脂肪燃焼スイッチをオンにして代謝を活性化するといわれています。炎症を抑える働きもあるので、ニキビなどの肌荒れやアレルギー、生活習慣病を改善するのに役立ちます。ただし、とてもデリケートで酸化しやすいので、加熱調理には使えません。出来上がった料理にかけて、生で摂ること。ボトルのものは封を開けたら、冷蔵庫で保管して2か月以内には使い切るようにしましょう。

 炒め物などの加熱調理におすすめなのは、オメガ9のオレイン酸の比率が高く、加熱による酸化が起きにくい米油。米油には、体脂肪の酸化を抑えるスーパービタミンEと呼ばれる「トコトリエノール」も含まれており、アンチエイジング効果が期待できると、最近注目されている油です。

 これらのいい油を上手に使い分れば、体脂肪を効率的に落とすことにも美肌にもつながります。美ボディには、欠かせないアイテムですね。