トップページ > ふるさとメシINDEX > File.20 笠間いなり寿司

メイン料理写真

大村寿司
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家庭で笠間いなり寿司を楽しむなら、まずはくるみから。

 テレビなどで紹介されたことから、笠間いなり寿司といえば、ごはんの代りにそばを入れた「そばいなり」がメジャーになっていますが、古くから「そばいなり」と人気を二分してきたのが、「くるみいなり」。笠間稲荷神社が古くはくるみ林の中に祀られており、「胡桃下稲荷」と呼ばれたことにちなんで使われた食材です。最初に、くるみを入れたいなり寿司を提供したのは、今はお持ち帰り寿司専門店になっている「くるみ稲荷ずし/二ッ木」。先代が30年以上も前に、笠間に相応しい食材でいなり寿司を提供したいと考案したものだといいます。

 ザラメ、白砂糖、塩、みりん、しょうゆといった調味料に、秘伝の自家製つゆを加え、油揚げをコトコトと煮詰め、いったん火を止めてさまします。さらにもう1~2度、煮返しをすることで、ジューシーでツヤとコクがある油揚げに仕上がるのです。手間を惜しまないことが、いなり寿司を美味しくするポイントのようです。

 そして、この油揚げに白ゴマを振ったシャリ(酢飯)をツメ、炒ったくるみを3~4粒加え、俵型に形を整えていきます。国産のくるみにもかしぐるみのように甘みがあり、サクサクした食感のものもあるが、クセのないカルフォルニア産がお薦め。

「ふだん作っているいなり寿司に炒ったくるみを入れるだけなので、家庭でも簡単にできるはず」と思いがちですが、「二ッ木」の味にはならないところが、秘伝の自家製つゆと、経験で培われた「味の調え方」の差なのかもしれませんね。

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