『ごはん彩々』10月号の特集で、京都大学大学院・森谷敏夫教授が提唱する「炭水化物摂取ダイエット(=京大式ダイエット)」を紹介したところ、いろいろな意見・質問が寄せられました。
森谷教授が提唱しているダイエット方法は、女性誌などで取り上げられている「これだけダイエット」(単品摂取型ダイエットや食事制限型ダイエット)などとは違い、「ごはんは減らさず、むしろ多めに食べる」を基本にした日常の食生活の中に取り入れやすい、リバウンドなどの心配もない、シンプルで画期的なもの。
シンプルなだけに、「にわかに信じられない」「本当に効果があるの?」という意見もありました。そこで、再度、森谷教授にご登場いただき、読者の疑問や質問をもとに、「炭水化物摂取ダイエット」の仕組みや効能について答えていただきました。
お米(ごはん)は太りやすい食材ではないのですか?(20代Kさん)
女性は、外食の時に「小ライス」でと頼む人がいますが、ごはんに代表される炭水化物(糖質)は、脂質の半分しかエネルギー(カロリー)がありません。むしろごはんは腹持ちが良く、炭水化物(糖質)のほかに、他の栄養素(たんぱく質、ミネラル・ビタミン類など)や食物繊維なども含み、決して太りやすい食べ物ではないのです。
ただし、ふだんの生活で消費されなかった炭水化物(糖質)の余剰分は、グリコーゲン(糖質のエネルギー)として体内に取り込まれ、肝臓や筋肉に保管されます。このグリコーゲンは、その質量の3?4倍の水と結合して蓄えられるという性質を持っています。そのため、ごはんを食べすぎると、余剰分の量の3?4倍、体重は増えることに。逆にごはんを減らすダイエットをすれば、体重は3?4倍早く落ちる計算になります。
これが、「お米を減らせばやせられる」という、誤ったダイエット神話につながったと考えて良いでしょう。しかしこの場合、減ったのは体脂肪ではなくほとんどが水分。そのため、やがては体重の減りも鈍化。食事内容によっては、簡単に元に戻ります。
ダイエットは「やせる=体脂肪が減る」が目的であり、体重を減らすことでないことを、しっかり頭に入れておいてください。そして、現実には「○ヵ月で10kgの体脂肪減」などという、短期間で行なえるダイエットは存在しないのです。