今回、田植えを行う水田(農薬・化学肥料は使いません!)
遠藤さんの田んぼでは、栽培期間中に農薬や化学肥料を使わないで作るこだわりの特別栽培米コシヒカリがあります。農薬を使えば簡単に病気や害虫を退治する事は出来ますが、自然と共生し安全でおいしいお米作りを目指す遠藤さんは、どのようにお米を作っているのでしょうか?ごはん彩々では、こだわりのお米を作る遠藤さんの田植えを取材してきました。
穏やかな陽気の中、遠藤さんの田んぼでは、いよいよ田植え作業が始まります。5月中旬、育苗ハウスの一面に並ぶ育苗箱から鮮やかな緑色の苗がすらりと伸び、田植えを待っていました。
田植えを待つ「育苗ハウス」の苗
朝8時頃、まずは、育苗ハウスから軽トラに育苗箱を積み込みます。田植え作業は、機械化が進んだとはいえ一人ではとてもできません。この日は、遠藤さんのご子息(優一さん)をはじめ、近所の方がお手伝いに来ていました。みなさん軽々と育苗箱を持ち上げますが、結構重たいです。
9時過ぎに育苗箱や資材を積み込んだ後、軽トラで田んぼに向かいます。この日は、農薬・化学肥料を一切使わずに育てるコシヒカリの田植えを行います。田んぼに到着後、手分けして作業に入ります。苗を補充する場所を予想して運んだり、苗や資材を渡す時に相手が持ちやすいようにしたり、田植えには「チームワーク」が必要だと感じました。
田植えはチームワークです!
多くの米作りには農薬や除草剤を使いますが、この田んぼでは一切使用しません。そのため、紙マルチ(紙マルチロール)を敷きながら田植えを行います(これをすることにより、紙マルチの上から苗を植え付けることができ、苗以外の土には太陽が当たらないため雑草の成長を抑えることができます。また、この紙マルチは、水や微生物により2ヶ月かけてゆっくりと自然分解されてなくなります)。しかし、この紙マルチ、長くてすごく重いです(20kg近くはあるでしょうか?)。
これが紙マルチ(紙マルチロール)です。長くて非常に重いです!
ゆっくりと進む田植機
さて、田植機に苗と紙マルチをセットし、9時半を過ぎた頃、ようやく田植えの開始です!辺りにエンジン音を響きかせながら田植機が動き始めました。あれっ?普通の田植機よりゆっくりと進んでいます。「紙マルチを敷きながら植え付けるから、ゆっくりと進むんだよ。それと、植え直しができないから、慎重に進めないといけないからね。」と優一さんが教えてくれました。
ゆっくりと進む田植機
遠藤さんが、集中しながら田植機を運転していると、突然、「ピーピーピー」という大きな音が田んぼに鳴り響き、田植機が止まります。どうしたものかと見ていると、遠藤さんが田植機を降りぬかるむ田んぼの中で、あの長くて重い紙マルチを田植機にセットしています。この紙マルチは、1本150mしかないので、田植えの途中でなくなるため交換がよく起きます。また、風や乾燥などで紙マルチがめくれるたびに田植機を止めて敷き直します。さらに、田んぼの水量は均一でないため、うまく植え付けるには経験が必要との事。そのため、作業はなかなか進まず、通常1時間ちょっとで終わる田植えは、3倍以上の時間がかかってしまいます。遠藤さんは、この長い田植えの間、最後まで気を抜くことができません。こだわりのお米作りは、一朝一夕にはいかないものですね。
遠藤さんの田んぼは水がとてもきれいで、タニシやカエル・アメンボなどたくさんの生き物がいます。「農薬や化学肥料を使わないお米の生産は、手間やコストも時間もたくさんかかるが、おいしいお米作りには自然環境や土壌生物との調和が大切だよ。」と語る遠藤さんの言葉は心に響きます。そして何よりも、おいしく安全なお米を皆さまにお届けするため、日夜努力を惜しまず自然とともに歩む遠藤さんの姿勢は素敵です。ごはん彩々では、毎日、一生懸命に大地に向かって頑張っている遠藤さんをこれからも応援します!
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