通常、店頭で売られている精白米の場合、炊飯器や鍋などで炊く前にしっかりお米を研がなくてはなりません。しかし、無洗米として売られているお米は「研がずに炊ける」と書かれています。無洗米はなぜ、お米を研がなくてもそのまま炊いて良いのでしょうか。
今回は、無洗米の作り方や美味しい炊き方、「ごはん彩々」おすすめの無洗米についてご紹介します。
そもそも、無洗米とはどんなお米のことなのでしょうか。
お米を研ぎ洗いしなくても、水を加えるだけで炊飯できるように工場で加工したお米を「無洗米」と言い、1991年に誕生しました。通常、お米として売られているのは「精白米」で、これはお米を収穫してもみがらを取り除いた「玄米」の状態から「胚芽」と「ぬか」を取り除いたものです。
しかし、この段階ではまだお米の表面に粘着性の強い「肌ぬか」が残っています。そのため、これまでは肌ぬかを取り除くために研ぎ洗いをする必要がありました。「精白米」を洗わずに炊くと、ぬか臭いごはんになってしまいます。
一方、無洗米は工場で肌ぬかも取り除くので、研ぎ洗いの必要がありません。家で研ぐより、肌ぬかがキレイに取り除けるメリットもあります。
今までの精米工程の後に無洗米加工を行うため、米の銘柄に関係なく加工できます。分づき米・胚芽米・胚芽の一部を残した米なども無洗米にできるので、ビタミンやミネラルが気になる人にもおすすめです。
無洗米には、以下のような作り方の違いがあります。
○ヌカ式
空気と水以外のものを添加せず、肌ぬかの粘着性を利用して肌ぬかを除去する方法
○水洗い式
肌ぬかを水で洗い落とし、乾燥させる方法。研ぎの過程をまとめて工場で行うのと同じ
○タピオカ式
精白米に水を加え、肌ぬかと水が混じった研ぎ汁をタピオカ澱粉で吸着させる方法
○その他
ブラシや不織布を用いて肌ぬかを取る方法や、乾式研米機を使う方法など
ヌカ式で作られた無洗米は「BG無洗米」とも呼ばれ、Bran(ぬか)、Grind(削る・研ぐ)の頭文字を取って呼ばれています。
それでは、一般的な研ぎ洗いをするお米に比べ、無洗米にはどのようなメリットがあるのでしょうか。また、美味しく炊くためにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
無洗米には、以下のようなメリットがあります。
・計量して水を入れればすぐに炊けるので、手間がかからず時間も節約できる
・研ぎ汁が出ないので、地球にやさしい
・キャンプや災害などの際にも研ぎ汁が出ずすぐ炊けるので便利、アウトドア向き
・洗う・研ぐための水を節約できる
無洗米は基本的に洗わなくてもすぐに炊けるお米ですが、どうしても気になる場合はさっと1回、水で流しても構いません。このとき、すすぐだけで研がないことに注意しましょう。
無洗米は肌ぬかの分、精白米より粒が小さめです。精白米よりサラッとしていることもあり、1カップで量れる粒の数が多くなります。研ぎ洗いが必要なお米は研いでいる最中に水を吸ってしまうのですが、無洗米の場合はこの吸水がないので、精白米と比べてより多くの水が必要です。
上記の理由から、無洗米は専用計量カップを使って計量しましょう。通常の精白米用のカップで量るときは、米1カップにつき大さじ1〜2杯くらい水を増やすのがポイントです。米3カップで約100mL増やしましょう。
また、時間があるときはできるだけお米に給水させてから炊きましょう。冬場1時間、夏20分、春秋45分程度が目安です。
無洗米は、酸化しやすい肌ぬかを取り除いている分、精白米より長持ちしやすいです。ただし、美味しく食べるには、精米日から1〜2ヶ月くらいで食べきりましょう。保管するときは、以下のポイントに注意が必要です。
○高温多湿を避ける(カビや虫の発生予防にもなる)
○密閉容器に入れる(袋のままなら、二重にしたり袋のまま密閉容器に入れたり、開口部を輪ゴムなどでしっかり閉じる)。
○無洗米に限らずお米はニオイが移りやすいので、ニオイの強いものの近くに置かない
精白米の袋の表には空気を抜くための空気穴が開いているのですが、無洗米の袋の多くは中の空気だけを通し、外からのホコリは入らないよう工夫されています。そのため、袋の口をしっかりしばっておけば、簡単に密閉保存できます。
また、ごはん彩々でお米保存専用の「お米保存袋」も購入できます。米びつに移し替えるより衛生的に保存可能なのでおすすめです。
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無洗米とは、精白米からさらに肌ぬかを取り除いたもので、研ぎ汁が出ず地球に優しいほか、アウトドアにも便利です。ただし、精白米と比べてサラッとしていて粒が小さいので、水加減に注意して美味しく炊きましょう。
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(おいしいごはん研究チーム)
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