長野県で栽培されている主要品種はコシヒカリ。しかも県の全作付面積の76%にも及んでいる。
しかし、近年他県では数多くのオリジナル品種を育成、新たな需要を掘り起こすための市場投入が図られている。食味ランキングで特Aを獲得した青森県の青天の霹靂しかり、平成29年度から一般販売を目指すとされている新潟県の新之助しかりである。米を巡る産地間競争は激しさを増しており、コシヒカリの本家本元といわれる新潟県すら、新しいブランド米を育成してきているのだ。
そんな状況の中、長野県としても安穏としているわけにはいかない。県で育成された新品種・風さやかを、コシヒカリに次ぐ品種として育てていくために、平成28年1月には「風さやか推進協議会」をスタートさせた。
長野県の気候と土壌が育む美味しく良品質な米
長野県の平成26年産農業産出額は2818億円であり、野菜(芋類含む)が848億円、果実が544億円、きのこが496億円、花きが144億円と、園芸作物が全体の72.1%を占めている。特にリンゴやブドウの生産は全国的に知られ、園芸王国のイメージが強い。その長野において米の生産は402億円と、全体の14%を占めるに留まっている。
しかし、数字的には園芸作物には及ばないものの、長野県は全国屈指の良質米産地として知られているのである。玄米検査時の品質を示す1等米比率は高く、平成16年~27年産において、全国1位の座を譲ったのは、平成24、26、27年産3か年だけである。平成28年産においては、速報値(平成28年12月31日現在)ではあるが、全国平均が83.6%だったのに対し、長野県産は97.2%という高い数値を示し、2位となっている。また10アール当たりの収量も、約600kgと全国トップレベルを誇っているのである。そして、食味ランキング(日本穀物検定協会)においても、北信地区および南信地区のコシヒカリは特Aを獲得。品質、収量だけでなく、食味でも高い評価を得ている。
内陸性で盆地の多い長野県は日照量が多く、また昼夜の温度差が大きいため、稲の余分な代謝が抑えられ、米の旨みであるデンプンを効率よく蓄積する――それが、全国屈指の良質米を育んでいるといって良い。
「それだけでなく、全体的に標高が高い気候風土のおかげで、病害虫の発生が少ない。そのため農薬は少なく済むし、実がしっかりした米を作り上げるのです」
長野県農業試験場・育種部/高松光生主任研究員が、美味しく良品質の米が生まれる長野県の気候と土壌的な特性を語ってくれている。
内陸性で盆地の多い長野県は日照量が多く、また昼夜の温度差が大きいため、稲の余分な代謝が抑えられ、米の旨みであるデンプンを効率よく蓄積する――それが、全国屈指の良質米を育んでいるといって良い。
「それだけでなく、全体的に標高が高い気候風土のおかげで、病害虫の発生が少ない。そのため農薬は少なく済むし、実がしっかりした米を作り上げるのです」
長野県農業試験場・育種部/高松光生主任研究員が、美味しく良品質の米が生まれる長野県の気候と土壌的な特性を語ってくれている。
栽培地に合った技術開発が、コシヒカリの作付け拡大に拍車を
長野県農業試験場の水稲育種の歴史は古く、明治30年に始まっている。
当初は、長野県の水稲栽培が標高270~1200mまでの地で行われ、品種も多様だったため、県内の在来品種からの純系淘汰法により選抜した品種を奨励品種として、県内の適地に配布する作業を行っていた。そして、大正12年には交配育種が始まっている。昭和10年には原村に冷害試験地が置かれ、主に耐冷を目標にした早生品種の育成がなされてきたのだ。
当初は、長野県の水稲栽培が標高270~1200mまでの地で行われ、品種も多様だったため、県内の在来品種からの純系淘汰法により選抜した品種を奨励品種として、県内の適地に配布する作業を行っていた。そして、大正12年には交配育種が始まっている。昭和10年には原村に冷害試験地が置かれ、主に耐冷を目標にした早生品種の育成がなされてきたのだ。
まだ、良食味よりも多収品種が主力だった昭和40~50年代には、しなのこがね(昭和47年/最大普及面積約1万ha)、ながのほまれ(昭和55年/同7000ha)といったオリジナル品種が育成され、ホウネンワセ(作付面積全国1位になったことも)やトドロキワセと並んで、各年代で長野の主力品種として作付けされている。
昭和34年頃から全国で順次、奨励品種に採用されるようになっていったコシヒカリだったが、長野県で奨励品種として採用されたのは、昭和53年と意外に遅い。しかも採用されてからも、長稈で倒伏性が問題となり、普及までにはある程度の時間を要したようだ。
昭和60年頃の段階では、ホウネンワセ、トドロキワセ、ながのほまれ、コシヒカリが各20%前後の割合で作付けされていた。しかし、昭和64~平成元年頃になると、コシヒカリが突出するようになっていったという。
昭和34年頃から全国で順次、奨励品種に採用されるようになっていったコシヒカリだったが、長野県で奨励品種として採用されたのは、昭和53年と意外に遅い。しかも採用されてからも、長稈で倒伏性が問題となり、普及までにはある程度の時間を要したようだ。
昭和60年頃の段階では、ホウネンワセ、トドロキワセ、ながのほまれ、コシヒカリが各20%前後の割合で作付けされていた。しかし、昭和64~平成元年頃になると、コシヒカリが突出するようになっていったという。
自主流通米制度が定着し、長野県でも米生産が多収から食味へと移行していった世の中の流れに乗り、美味しさ重視の結果がコシヒカリの作付けを現在の76%までに押し上げたのである。高松主任研究員は「施肥のタイミングなどの技術開発が進んだことが、普及のスピードを加速させた」と語る。
「長野県気質なのでしょうか!? 長野県は、例えば、リンゴの「つがる」いう青森県で育成された品種を長野に適した栽培技術の開発・導入により生産拡大を図り広めたという経緯があります。コシヒカリにしても、生産者、行政が一体となりその土地にあった栽培技術を磨き、品質向上を目指したことが、一定以上の評価に繋がっていったのです」と、長野県農業技術課・内田達也担当係長が説明している。
彼が語るように米の流通業者や消費者の評価を得たことが、長野県においてのコシヒカリの作付面積の拡大につながったことはいうまでもない。需要があってこその、生産拡大なのだから……。
「長野県気質なのでしょうか!? 長野県は、例えば、リンゴの「つがる」いう青森県で育成された品種を長野に適した栽培技術の開発・導入により生産拡大を図り広めたという経緯があります。コシヒカリにしても、生産者、行政が一体となりその土地にあった栽培技術を磨き、品質向上を目指したことが、一定以上の評価に繋がっていったのです」と、長野県農業技術課・内田達也担当係長が説明している。
彼が語るように米の流通業者や消費者の評価を得たことが、長野県においてのコシヒカリの作付面積の拡大につながったことはいうまでもない。需要があってこその、生産拡大なのだから……。
交配を始めて5年目で手応えを得た、風さやかの交配
長野県産のコシヒカリが美味しいといっても、県全体がその栽培地として適しているとはいい難い。長野県は前述したように、水稲栽培地が標高270~1200m程度までと広く分布している。そのため標高の高い地域では、耐冷性のある早生品種が作付けされるようになった。県農業試験場でもこれらの地域に向け、極早生・耐冷・良食味品種のきらりん、早生・耐冷・極良食味のゆめしなのというオリジナル品種を育成してきた。
どちらの品種もコシヒカリを母に、空育143号(極早生)を父とした品種。長野県では中生になるコシヒカリに対し、極早生、早生と出穂時期に違いを持たせることで、耐冷性を高め、標高の高い地区でも対応できるようにしたのだ。コシヒカリは標高700m以下の中山間部まで、ゆめしなのは800~1050m、きらりんは1000m以上での作付けを長野県では推奨している。
どちらの品種もコシヒカリを母に、空育143号(極早生)を父とした品種。長野県では中生になるコシヒカリに対し、極早生、早生と出穂時期に違いを持たせることで、耐冷性を高め、標高の高い地区でも対応できるようにしたのだ。コシヒカリは標高700m以下の中山間部まで、ゆめしなのは800~1050m、きらりんは1000m以上での作付けを長野県では推奨している。
中山間部においては、主力品種として作付けされてきたコシヒカリ一辺倒になってしまうリスクが問題になってきた。作期(熟期)分散を図らないと、刈取り遅れなどによる品質の低下だけでなく、冷害、最近では高温障害が起こった場合のリスクに対し、生産者だけでなく、県農試や行政が無頓着ではいられなくなったのだ。
それを受け、平成10年頃には、コシヒカリより出穂時期の遅い中生のキヌヒカリを導入し、作期分散を図っている。しかし地球温暖化の影響もあって、キヌヒカリの特性に変化が起き、出穂・収穫時期がコシヒカリと重なるようになってきてしまったのである。
「コシヒカリに関しては、新潟県はガリバー的存在。〝長野県産コシヒカリ〟はイメージが結びつかない――長野県の特徴を出せる品種も必要だね〟という意見もありました。また、作期分散、高温対策のためにも、県オリジナルのものが望まれたのです」と内田担当係長は語る。また、……。
「育種担当者ですから、本当は、コシヒカリに変わる主力品種を! という思いは、当然ありました。しかし、長野の気候風土にマッチしたコシヒカリのハードルは、極めて高かったですね。ですから、作期分散の可能性を狙った品種の育成を進めました。それが風さやかです。平成12年に交配がスタート。短稈で収量も多い、そしていもち病にも罹りにくく、生産者からみると育てやすい北陸178号、コシヒカリを親に持つ良食味のゆめしなの、これらのいい所取りをしようと目論んだ交配でした」と、高松主任研究員は語っている。
そして、交配を始めて5年目。どのくらいの収量が上るかなど生産力検定を行なわれるようになった頃には、「これはいける!」と、彼は手応えを感じたという。
「短稈で耐倒伏性に優れ、育てやすく収量も多いというメリットがありました。食味に関しては、県産のコシヒカリを凌駕したとはいえないかもしれません。しかし、米は嗜好品。おかずによって米を炊き分けるような時代になってきています。粘りこそコシヒカリより少ないが、食べるとしっかりとした甘みや旨みが感じられる。冷めても、温め直して美味しいし、風さやかは食味では、問題ないと判断しました」
それを受け、平成10年頃には、コシヒカリより出穂時期の遅い中生のキヌヒカリを導入し、作期分散を図っている。しかし地球温暖化の影響もあって、キヌヒカリの特性に変化が起き、出穂・収穫時期がコシヒカリと重なるようになってきてしまったのである。
「コシヒカリに関しては、新潟県はガリバー的存在。〝長野県産コシヒカリ〟はイメージが結びつかない――長野県の特徴を出せる品種も必要だね〟という意見もありました。また、作期分散、高温対策のためにも、県オリジナルのものが望まれたのです」と内田担当係長は語る。また、……。
「育種担当者ですから、本当は、コシヒカリに変わる主力品種を! という思いは、当然ありました。しかし、長野の気候風土にマッチしたコシヒカリのハードルは、極めて高かったですね。ですから、作期分散の可能性を狙った品種の育成を進めました。それが風さやかです。平成12年に交配がスタート。短稈で収量も多い、そしていもち病にも罹りにくく、生産者からみると育てやすい北陸178号、コシヒカリを親に持つ良食味のゆめしなの、これらのいい所取りをしようと目論んだ交配でした」と、高松主任研究員は語っている。
そして、交配を始めて5年目。どのくらいの収量が上るかなど生産力検定を行なわれるようになった頃には、「これはいける!」と、彼は手応えを感じたという。
「短稈で耐倒伏性に優れ、育てやすく収量も多いというメリットがありました。食味に関しては、県産のコシヒカリを凌駕したとはいえないかもしれません。しかし、米は嗜好品。おかずによって米を炊き分けるような時代になってきています。粘りこそコシヒカリより少ないが、食べるとしっかりとした甘みや旨みが感じられる。冷めても、温め直して美味しいし、風さやかは食味では、問題ないと判断しました」
風さやかの系譜図
地味な滑り出しだったが、市場での評価は高い
風さやかは平成25年3月に品種登録され、本格的な栽培が始まったが、初年度の作付面積は182haに過ぎなかったが、27年度には913、28年度には1002haまで拡大。しかし、まだ全体作付けの約3%を占めるに過ぎず、コシヒカリには遠く及ばない。
地味な滑り出しであるが、コシヒカリとは違った食味の良さが評判を呼び、市場の評価も高く、米卸業者からは、さらなる増産の要望も上がっている。
また知識人や専門家なども、「味はしっかりとした旨味と甘味が感じられ、また冷めてもおいしく、一流品のレベルにある」(玉村豊男氏/長野県原産地呼称管理委員会会長)、「口に含んで噛むと、豊かな米の旨みがいっぱいに広がる。しかし、今まで食べた米とどこか違う。そう、サッパリというより、とてもさわやかで澄んだ風味なのである」(中村勝宏氏/ホテルメトロポリタンエドモント名誉総料理長)と、好感触のコメントを寄せている。
そして、風さやかは強い粘りがない分、16時間後の食味値でも、硬さや粘りが落ちない――冷めても美味しいということを裏づける数値的データも得ている。
「しかし、県のオリジナル米であり、まずは〝地元に愛されるお米〟としてじっくり県内認知を上げていきたいと思っています。あと1~2年、地元での訴求を中心に行い、流通・需要を見極めて、生産拡大を図っていきたい。まずは29年度産で、1260ha、将来的にはあきたこまち程度には持っていきたいですね」と内田担当係長。
地味な滑り出しであるが、コシヒカリとは違った食味の良さが評判を呼び、市場の評価も高く、米卸業者からは、さらなる増産の要望も上がっている。
また知識人や専門家なども、「味はしっかりとした旨味と甘味が感じられ、また冷めてもおいしく、一流品のレベルにある」(玉村豊男氏/長野県原産地呼称管理委員会会長)、「口に含んで噛むと、豊かな米の旨みがいっぱいに広がる。しかし、今まで食べた米とどこか違う。そう、サッパリというより、とてもさわやかで澄んだ風味なのである」(中村勝宏氏/ホテルメトロポリタンエドモント名誉総料理長)と、好感触のコメントを寄せている。
そして、風さやかは強い粘りがない分、16時間後の食味値でも、硬さや粘りが落ちない――冷めても美味しいということを裏づける数値的データも得ている。
「しかし、県のオリジナル米であり、まずは〝地元に愛されるお米〟としてじっくり県内認知を上げていきたいと思っています。あと1~2年、地元での訴求を中心に行い、流通・需要を見極めて、生産拡大を図っていきたい。まずは29年度産で、1260ha、将来的にはあきたこまち程度には持っていきたいですね」と内田担当係長。
長野県の米の生産政策は、「需要に応じた米づくり」を基本に、近年激しさを増す米を巡る産地間競争に中でも、そのスタンスを崩そうとはしていない。
風さやかは現在、千曲川流域の北信地方、飯田市を中心とする南信地方、そして松本などの中信地方の標高600m以下での栽培を推進している。
「長野県は広いので、地域・標高によって、品質・食味のバラつきがないように――〝この前食べた風さやかは美味しかったけど、今度の食べたものは不味かった〟などといわれることがないように、まずは、風さやかを大事に育てるためにも、栽培マニュアルの徹底を図っていきたい」と内田担当係長は、力を入れて語っている。
また、高松主任研究員は「育種に携わった人間としては、倒れにくい品種なので、肥料を多く入れ多収を目指すのではなく、良食味米として栽培拡大をして欲しいと思っています。肥料を入れ過ぎると、玄米たんぱくが上り、味が落ちてしまいますから」と語り、世に送り出した子どもたちが道を間違えず、正しい方向に育っていくことを楽しみにしながら見守っている。
風さやかは現在、千曲川流域の北信地方、飯田市を中心とする南信地方、そして松本などの中信地方の標高600m以下での栽培を推進している。
「長野県は広いので、地域・標高によって、品質・食味のバラつきがないように――〝この前食べた風さやかは美味しかったけど、今度の食べたものは不味かった〟などといわれることがないように、まずは、風さやかを大事に育てるためにも、栽培マニュアルの徹底を図っていきたい」と内田担当係長は、力を入れて語っている。
また、高松主任研究員は「育種に携わった人間としては、倒れにくい品種なので、肥料を多く入れ多収を目指すのではなく、良食味米として栽培拡大をして欲しいと思っています。肥料を入れ過ぎると、玄米たんぱくが上り、味が落ちてしまいますから」と語り、世に送り出した子どもたちが道を間違えず、正しい方向に育っていくことを楽しみにしながら見守っている。
県外に流通することになったときの、風さやかの進化には目が離せない!
当面は県内消費を見据えながら、生産拡大の方向性を探っていくとしているが、まったく県外での流通を考えていないかといえば、そうではない。一定の栽培方法が確立され、品質が安定したのち、流通を担う関係者からの要望が多ければ他県での流通も視野に入れている。
「食の多様化が進んでいる時代、風さやかのようにあっさり系の米を好む人も多いかもしれません。あっさりしているので、特に朝ごはんにピッタリ。そして、冷めても美味しいので、お弁当やおにぎりにしてもいいですしね。食味に関しては、しっかりその特徴をPRしていきたいと思っています」と内田担当係長。
「今は県内需要の品種という位置づけであるため、今は食味ランキングへの出品は考えていませんが、県外への流通が本格化した時は出品し、あらためて客観的な評価を求めたい」とも彼は語る。もちろん、出品するからには、品質・食味に関してコシヒカリと同等の評価を得られる自信があることは、想像に難くない。
「食の多様化が進んでいる時代、風さやかのようにあっさり系の米を好む人も多いかもしれません。あっさりしているので、特に朝ごはんにピッタリ。そして、冷めても美味しいので、お弁当やおにぎりにしてもいいですしね。食味に関しては、しっかりその特徴をPRしていきたいと思っています」と内田担当係長。
「今は県内需要の品種という位置づけであるため、今は食味ランキングへの出品は考えていませんが、県外への流通が本格化した時は出品し、あらためて客観的な評価を求めたい」とも彼は語る。もちろん、出品するからには、品質・食味に関してコシヒカリと同等の評価を得られる自信があることは、想像に難くない。
長野県では行政、生産者(全農含む)、米卸売業者、集荷業者などが集まり、「風さやか推進協議会」を設立。県内に留まらず、どのへんをターゲットに、どのくらい生産していくのか?の議論が繰り返し行われている。
もちろん単に生産拡大が議論されているだけでなく、ブランド米としてのPR&販売戦略なども、綿密に積み上げられていっているはずだ。風さやかが県内から外へと羽ばたくとき、どのような形で我々の前に姿を現すのか、興味津々といったところである。
もちろん、他県で生まれた品種をより美味しく、高い品質に育て上げてきた長野県気質が、自らの県で育種された風さやかをどのように変えていくかにも目が離せない。
もちろん単に生産拡大が議論されているだけでなく、ブランド米としてのPR&販売戦略なども、綿密に積み上げられていっているはずだ。風さやかが県内から外へと羽ばたくとき、どのような形で我々の前に姿を現すのか、興味津々といったところである。
もちろん、他県で生まれた品種をより美味しく、高い品質に育て上げてきた長野県気質が、自らの県で育種された風さやかをどのように変えていくかにも目が離せない。
*文中敬称略、画像提供:長野県農業技術課、長野県農業試験場