全国各地の生産者の思いをたっぷり受けて育ったお米たち。農家で脱穀(稲穂からモミをはずすこと)が行なわれたモミ(イネの果実に相当する部分)は、それぞれの産地で貯蔵施設に集められます。そこで乾燥・一時保存管されたモミは、各産地から出荷される直前にモミすり(モミから殻をはずすこと)され、玄米(モミから殻をむいた米)の形で精米工場へ運ばれます。
精米工場は、玄米を精選(品質の良いものを選りすぐること)、精米加工(玄米を精米にすること)、袋詰めして出荷する施設のこと。生産者が丹精を込めて育てたお米を、実際に消費者が手にする商品の形にし、出荷する大切な役目を担っているのです。
そこで今回は、私、あやと主婦仲間のリサの2人で、最新設備を備えた大型精米工場をくまなく探索。近所にあるコイン精米機や店頭精米とは違う大型の精米工場でどのようにお米が商品化されるかを、じっくりチェックしてきました。
精米はどのような工程で行なわれているのか?
まずは、どのような工程で玄米入荷から製品出荷までが行なわれるか、簡単な流れを整理しておきましょう。大まかにいって、別記の5つの工程を経て、お米が商品化されています。
今回の探訪にあたって案内してくださったのは、「むらせライス・首都圏工場」の工場長の諏訪間恒一さん。40代と私たちとのお兄さん世代。なにも分からない、私たちにもていねいに説明してくれました。
「農家が育てた大切なお米だから、何かを足すような加工はしません。より安心・安全に、そして美味しく消費者の方に食べていただけるように、製品化しているだけです」と最初に、彼が語った謙虚な言葉には、お米に対する熱い思いが込められており、ここで作られる製品ならと信頼度がアップしたことはいうまでもありません。
さて、ここからは精米工場に入りますが、入場にあたっては、手をアルコール消毒し、白衣に付いたホコリなどを吸引器で吸い取り、エア・シャワーを浴びます。製造現場からゴミやホコリなどを排除する徹底した気遣いが求められることに。
それでは、それぞれの工程ごとに詳しく見ていくことにしましょう。