ちょっとした工夫で食欲UP。 すぐできる5つのポイント
①酸味、酢のものを有効に取り入れましょう
梅干しを見ただけで、つばが出てしまいますが、この「酸っぱい」と感じるのは、クエン酸によるもの。梅干しだけでなく、レモン、ゆず、すだち、グレープフルーツなどの柑橘類に含まれている成分。
クエン酸には運動後やストレスなどで蓄積されていく疲労物質である“乳酸”を抑制する働きがあり、疲労回復やスタミナ維持に欠かせないものです。この作用だけでなく、この酸っぱいと感じる酸味は食事に爽やかさをプラスする効果もあり、食欲UPが期待できます。
あえものにする場合は、黄身酢、ゴマ酢、酢味噌などのバリエーションで、味に変化をつけるとマンネリ化を防げます。またドレッシングやマヨネーズなども、わさびやカレー粉、からしなどを加え、味にメリハリをつけるようにするのも効果的です。
②香りづけや香辛料・こげ味も効果的
青シソやミョウガなどの香味野菜、木の芽や粉山椒などのほのかな香りは、食欲UPに欠かせない要素。ニンニクを使った香りづけ、カレー粉などの香辛料も効果的です。また、焼き立てのこげ味や香りは、大人の郷愁を誘うだけでなく、食欲もそそります。
香りだけでなく、音も食欲増進につながる要素のひとつです。肉を焼く音、まな板で刻む音なども、効果的に使うようにしましょう。
③食欲を増す色を加え、彩り豊かに
食べ物がおいしく見える色としては、赤系統があります。オムライスのケチャップ、グリーンサラダのトマトなどは、おいしさをプラスするのにひと役買っています。
また、ワンプレートの料理に、緑、赤、黄色などの彩りがあると、単独で使うよりも華やかさが増し、食欲もそそります。そして、栄養的にもいろいろなものが加わるため、バランスがとりやすくなるという効果も。
④盛り付けにも配慮しましょう
食器やランチョンマットなどにも、夏の涼しげな色のもの、ガラス器などを加えることで、清涼感を演出することも、食欲UPには効果的です。
そしてちょっと気を付けたいのは、食欲が進まない人に、盛り付けにも気を配りましょう。たとえば、大きめの器にこじんまりと料理を盛ると、量を感じないで食べやすくなります。
⑤1日ではなく数日を単位にバランスを!
表のような食品を毎日組み合わせてとることがバランスの良い食事となります。朝食でたっぷりとることが望ましいのですが、時間の問題などで、なかなか実行できないことが多いのも事実です。
そこで和の朝食なら、具だくさんの味噌汁に卵を落す、またパン食なら、ヨーグルトを食べるとか、一品をプラスするところから始めてみましょう。
毎日、バランスのよい食事をしなくてはと、無理をするのはNG。お昼に日本そば、夜ににぎり寿司と、栄養バランスが偏ってしまった時は、翌日と合わせて、足りなかった栄養素をとるようにすれば問題はありません。
1日というより、2?3日単位でバランスを考えた食事をとるようにしましょう。
監修/宗像伸子
女子栄養短期大学専攻科卒業。管理栄養士として、山王病院、半蔵門病院に長年勤務。ヘルスプランニング・ムナカタ主宰。帝国クリニック栄養コンサルタント、東京家政学院大学客員教授。正しい食生活のあり方を中心に、幅広い栄養指導、講演活動を行っている。「NHKきょうの料理」「NHKきょうの健康」などテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などでも活躍。近著に『50歳からの健康ごはん』(海竜社)がある。平成6年度(財)国民栄養協会「有本邦太郎賞」受賞。