子どもの感覚、味覚は侮りがたし。
ちょっとでも手を抜くと、美味しい記憶が育ちません。
- 司会
- 今回の新米の食べ比べを通して、「日常のごはん生活をこう変えてみたい」「食習慣を変えたい」など、ご自身で気付いた点はありましたか?
白井 我が家は十六穀米が中心でしたが、もっと白米を食べる回数を増やした方がいいかなと思いました。娘の産前産後に栄養を摂らなくてはとか娘の栄養摂取とかを考え、十六穀米にしたんですが、それが、当たり前のようになっていました。でも娘は、白米だと「ワァー」と喜び、何杯もお代わりしますし……。実は母からも「おかずで十分栄養素は摂れているよ」といわれていたんですよね。
- 司会
- 子どもは欲求に正直だから、白米を欲していたのかもしれませんね。
丸山 うちの場合は、子どもの食が細いのを言い訳にしていましたが、結局ごはんが美味しくなかったので、食べなかったということでしょうね。思い起こしてみれば、ふりかけを掛けたり、炊き込みごはんだったり、カレーだったら、子どももしっかりごはんを口にしますし。幼稚園の頃は、けして食が細くはなかったんですが、それもキャラ弁だったからかも。キャラ弁って、ふりかけなどを多用するので、白米の味なんて関係なくなってしまうから……。
- 司会
- キャラ弁作っていたんだ、大変だったでしょう。その手間をかけた分、美味しいごはんにこだわっていたら、お子さんもごはん好きになったかもしれませんね。
神田 でも、子どもの感覚、味覚って、侮れないところがありますよね。子どもたちのお弁当をワッパに詰めて持たせることもあるのですが、「高級ごはんだ」と喜んでいました。それに味覚でいえば、うちは次男が特に敏感で、カボチャの煮物を出したところ、「ばあちゃんちの味がする」といったんです。いつも家では国産のカボチャを使うのですが、その時は、たまたまメキシコ産のもので作ったんです。あとで聞くと、母の家ではもっぱらカボチャはメキシコ産を使っているとか。しっかり、その違いが分かるんですよ。
白井 うちの娘も、味覚なのか、体が要求しているのか分かりませんが、新米だと玉子かけごはんや塩むすびとシンプルなものを食べたがりますね。
神田 しっかり、白米の美味しさを子どもなりに認識しているんじゃないかな。
大橋 うちの場合は、娘はすでに成人していますが、新米だけでなくごはんの美味しさが分かる味覚を持って育ってくれたかな、と考えることがあります。
山下 皆さんの話を聞いて、うちの娘はまだ0歳ですが、これから美味しいごはんの記憶をたくさん残してやりたいと思いました。
丸山 うちは遅ればせながら、今日がスタートです。まずは、美味しいと私が感じたつや姫を買って、早速子どもに食べさせたいと思います。
- 司会
- 大人になっても、美味しい記憶は大事だと思います。そのためにも炊き立てごはんを囲み、家族みんなが一緒に食事する時間を持ってほしいと思います。本日はどうもありがとうございました。
今回は新米の食べ比べに4種類の銘柄米を用意しましたが、今年、市場にデビューし話題となっている新之助、銀河のしずくという2種類の新米も食べていただきました。
新之助に関しては「さすが新潟県の限定米。お値段も高いけど、味もとびきり」と、皆さんからは高評価を得ました。また、銀河のしずくも「岩手県産米のイメージがくつがえりましたね」「見た目も白く、バランスがよい美味しさが◎」などと、好評でした。
この2種類も含め、来年以降の新米時期には何を選んだらよいか、頭を悩ませることになりそうな予感がします。