健康食品やサプリメントなど、健康に気を使う人は年々増えています。その中でも健康的なお米として有名なものに玄米や雑穀米・麦ごはんなどがありますが、白米と比べて本当に摂るべきものなのでしょうか。そして、摂るならどのように摂ればいいのでしょうか。今回は、健康にいいお米の種類とその食べ方について解説します。
まずは、お米の種類と栄養的な違いについて見ていきましょう。
白米は別名「うるち米」とも呼ばれ、稲の実からもみ殻・米ぬか・胚芽を取り除き、胚乳部分のみを残したものです。メインの栄養分である糖質(デンプン)のほか、タンパク質・カルシウム・鉄分・ビタミン・食物繊維など、さまざまな栄養素を含んでいます。
白米に加え、胚芽の部分が8割以上残るように精米したものを「胚芽米(はいがまい)」または「胚芽精米(はいがせいまい)」と言います。胚芽とは芽を出す部分のことですから、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素がギュッと凝縮されていて、玄米よりも食べやすく白米に近い食感が魅力なのが「胚芽米」です。
※「胚芽精米」について詳しくは、「胚芽精米(胚芽米)ってどんなお米のこと?特徴やメリット、おすすめ胚芽精米をご紹介」をご参照ください。
※女子栄養大学が推奨するお子様の集中力を高めると言われている「胚芽精米」については、「商品紹介ページ(胚芽精米)」をご参照ください。
玄米は稲の実からもみ殻だけを外したもので、米ぬかや胚芽はそのまま残った状態です。そのため白米よりも栄養分が多く、食物繊維やカルシウム・マグネシウムなどのミネラル分はもちろん、タンパク質やビタミン類も白米より多く含まれています。
わずかに玄米を育てて発芽させたものが「発芽玄米」で、玄米独特の硬さやボソボソとした食感が軽減され、より食べやすいのが特徴です。栄養的にも玄米よりさらに多いとされ、特に神経伝達物質の一種で抗ストレス作用に注目される「GABA」や、食物繊維・カリウム・カルシウムなどが豊富に含まれています。
雑穀米とは、白米に加えて玄米・アワ・キビ・もち麦・キヌア・アマランサスなどを混ぜ込んだもので、食物繊維・ミネラル・ビタミン類などの栄養素をプラスできます。メーカーや商品によって混ぜる雑穀の種類や数が異なりますので、プラスしたい栄養素や好みの風味で選びましょう。
ごはん彩々がお勧めする雑穀米は以下の通りです。
※「(農薬不使用/秋田県産)雑穀こまち」について詳しくは「商品紹介ページ(農薬不使用雑穀こまち)」をご参照ください。
麦ごはんは名前の通り白米に大麦を混ぜて炊いたもので、大麦に含まれるタンパク質・ミネラル・ビタミン類・食物繊維などをプラスできます。大麦は白米のように粘り気がなく独特な香りがあるため、人によって好き嫌いは分かれますが、最近ではクセの少ない麦で食べやすくなっているものも多いです。
また、大麦の中でも「もち性」のもち麦は、食物繊維が豊富に含まれているため、近年のダイエットブームの中でも注目されています。「うるち性」の押し麦は、プチっとした食感が好まれています。
では、実際に健康に良いお米はどれなのでしょうか。栄養面や含まれる成分の面からお米の選び方をご紹介します。
玄米や雑穀米はミネラル・ビタミン類・抗酸化成分が多く、栄養的には素晴らしい食品です。一方で消化しにくいという大きな問題があるため、食べ方や取り入れ方を工夫しなくてはなりません。例えば、玄米食を始めるならまずはおかゆにしたり、白米に混ぜたりして徐々に慣らしていきましょう。
ただし、いきなり全て玄米食に切り替えると上手く消化・吸収されないことも多いため、体質によって不向きな方もいます。特に、胃の弱い方は注意が必要です。
また、美味しく感じられるかどうかも重要なので、無理に玄米や雑穀米を食べる必要はないでしょう。自分に必要な栄養素を、上手に食事の中に取り入れられると良いですね。
白米100gと比べて19倍の食物繊維が取れる麦ごはんは、食物繊維をたっぷり摂取したい人におすすめです。腸内環境を整えたり、血糖値の急上昇を抑えたりするのに効果的。便秘がちな人や、ダイエット中の人にも効果が期待できるでしょう。
最後に、白米の特徴についてみていきましょう。
白米は米ぬかや胚芽が取り除かれた状態ですが、含まれるのが糖質だけというわけではありません。白米にはタンパク質やカルシウム、鉄分、ビタミン、食物繊維なども含まれています。
一方、パンに使われる小麦自体は糖質のほか、ビタミンB群・ミネラル・食物繊維なども含んでいますが、小麦粉になると精製の過程で栄養素の多くがそぎ落とされてしまい、ほとんど糖質のみになってしまってしまいます。
パンには油や糖分などが混ぜられるため体内で分解しづらく、栄養の吸収を妨げてしまうだけでなく、代謝が下がるため痩せにくくなることもあります。そのため、パンより白米の方が健康に良いと考えられるでしょう。
前述のように小麦製品の方が圧倒的に糖質や脂質が多いので摂り過ぎには注意が必要ですが、糖質を含む製品がすべてダイエットに悪いとは言いきれません。また、小麦は夏の季語にも使われるほど体を冷やす食べ物として有名で、特に日本人はパンやラーメンなどの小麦製品を食べると、体が冷えて代謝が悪くなる傾向にあります。代謝が下がるとエネルギー消費も下がり、体脂肪が減りにくくなってしまうのです。
しかし、白米は体を冷やすこともなく、穏やかな性質を持っています。ぜひ、ダイエットなどを行う人こそ、3食できるだけパンやパスタなどの麺類ではなくご飯(白米でも玄米でもOK)を主食にしましょう。ダイエットの基本は、食べすぎていたものを減らすことです。3食ともご飯という人は少ないと思いますが、まずは3食とも主食はご飯にした上で、おかずで脂質や糖質を制限しましょう。
糖質制限ダイエットブームなどで、白米に関する見方は大きく変化しています。しかし、本来日本人の体質に合う良質なエネルギー源は白米です。玄米や雑穀米も栄養は素晴らしいですが、まず白米を十分に食べるようにしましょう。
(ごはん彩々・おいしいごはん研究チーム)
お米の種類は世界でいくつ?日本で作られているお米の種類って?