近年の炊飯器には通常の炊飯モードの他、「早炊き」モードが搭載されているものが多いです。早炊きモードとは文字通り、一般的な炊飯モードより早く炊くための機能ですが、実際にどのくらい早く炊けるものなのでしょうか。早炊きモードを使うときの注意点や、早炊きモードでごはんを美味しく炊くコツについてご紹介します。
早炊きは普通に炊くよりどのくらい早いの?
お米の量にもよりますが、炊き上がりまでの時間は早炊きと通常モードでだいたい以下のような差があるとされています。
早炊き:20〜40分程度
通常:50〜60分程度
つまり、早炊きなら通常より10〜20分程度早く炊けるということです。さらに時間を短くしたいときは、炊飯器の合数(炊ける量の最大)の半分より少ない量で炊くと、通常の炊飯モードの半分程度の時間で炊けます。
例えば、5合炊きの炊飯器なら、2合半より少ない量のお米で炊きましょう。
早炊きはどうして早く炊けるの?
早炊きと通常の違いは、以下の2点です。
・炊飯プロセスにかける時間の違い
・炊き上がりの食感の違い
炊飯器でごはんを炊くとき、「水の温度を上げてお米に水を吸収させる(浸水)」「水の温度をさらに上げて沸騰させる」「沸騰させたまま、ごはんを炊き上げる」「炊き上がったごはんを蒸らす」という4つのプロセスが行われています(※蒸らしについては、ついていない炊飯器もありますので取扱説明書を参照してください)。
早炊きでは、このプロセスのうち「お米に水を吸水させる」「炊き上がったごはんを蒸らす」の時間を短めにすることで早く炊き上げています。浸水の時間と蒸らしの時間が短くなることで、早炊きモードでは食感がややかためになるケースが多いようです。蒸らし時間が短いとごはんの表面に水分が残りやすいので、やや水っぽくべちゃついたごはんになるケースもあります。
早炊きと通常で電気代は違う?
吸水や蒸らしのときには、ほとんど電力をかけていないので、電気代はあまり変わりません。炊飯器によっては、短時間でごはんを炊くために急激に温度を上げることで、反対に電気代が高くなるケースもあります。節約のために早炊きモードを使おうと考えている場合、あまり効果は期待できないでしょう。
早炊きの方が美味しいごはんが炊けることも!
早炊きの方が、良い点もあります。早く炊き上げるために通常より出力を上げることで、美味しく炊き上がるケースも。特に近年、大粒となったお米には早炊きの出力の方が合うと言われています。ただし、その際は浸水の時間をしっかり取りましょう。
高級な炊飯器には「銘柄別炊き分け機能」が付いているものもありますが、そうでない炊飯器の場合、大粒のお米を早炊きして美味しく炊き上げられるか試してみるのもおすすめです。
早炊きするときの注意点
ごはんを早炊きするときは、以下のポイントに注意しましょう。
柔らかめのごはんが好きな人には向かない
早炊きではごはんが固くなりやすいので、柔らかめのごはんが好きな人には向いていません。柔らかめのごはんが好きな人は基本的に通常モードを、どうしても急いでいるときだけ早炊きモードを使うのがおすすめです。
炊き上がったら、食べる直前まで蒸らしておく
早炊きでは蒸らし時間が短めなので、食べる直前までフタを開けずに蒸らしておくと良いでしょう。蒸らし終わったら、食べる直前にしっかりほぐして水分を飛ばし、ごはんがべちゃつくのを防ぐとより美味しく食べられます。
早炊きで美味しく炊くためのコツは?
最後に、早炊きでごはんを美味しく炊くときのコツをご紹介します。ぜひ、早炊きをするときは以下のことに気をつけてみてください。
あらかじめ浸漬しておこう
早炊きのときには浸漬(しんせき)のプロセスが短くなるので、あらかじめ浸漬しておくと良いでしょう。炊飯前に、30分〜1時間の浸水時間を設けます。浸漬のスピードは水温が高いと速くなり、水温が低いと遅くなる傾向にあるので、夏場は短めに、冬場は長めにとりましょう。
<目安>
夏場:20分〜30分
冬場:60分〜90分
春・秋:45分
炊きあがったごはんが柔らかいと感じる場合は短めに、固いと感じる場合は長めに時間をとって微調整することで、よりお好みで美味しく炊き上げられます。早炊きのごはんは固くなりやすいので、やや長めに浸漬しておくと安心でしょう。前述のように、大粒のお米を炊くときもしっかり浸漬することで美味しく炊き上げやすくなります。
■関連記事:お米を浸水させるのはなぜ?美味しいごはんを炊くのに必要な浸水時間は?
ごはんをしっかりほぐそう
炊き上がって炊飯器を開けた後、しっかりごはんをほぐして余分な水分を飛ばしましょう。しっかりほぐせば、蒸らし時間が短くてもべちゃついたり水っぽくなったりしにくいです。ごはんのほぐしに最適なマーナ 極しゃもじもおすすめ。ぜひチェックしてみてください。
まとめ
ごはんの早炊きモードでは、通常モードよりも浸水や蒸らしの時間を減らすことで早く炊き上げられます。早炊きの方が美味しく炊けることもありますが、ごはんが固くなったりべちゃついたりすることもありますので、あらかじめ浸水したり、炊き上がったらしっかりほぐしたりして美味しく食べましょう。
(ごはん彩々・おいしいごはん研究チーム)
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