富山県は、日本最大の米どころ新潟県の隣に位置する中部地方の県です。有名な隣県に隠れがちですが、富山県もやはり気候風土や大地・水の条件が近いため、知る人ぞ知る米どころとして美味しいお米を作っています。今回はそんな富山県のお米が美味しい理由や、ユニークな名前の新品種「富富富」、ごはん彩々おすすめの富山米をご紹介します。
連峰に降った雪解け水は山岳地帯にある花崗岩で不純物が吸着され、平野部に近い丘陵の堆積岩からミネラルが溶け出すため、キレイで豊かな水質を持っています。ミネラル分を豊富に含む雪解け水は、お米を育てるための豊かで清らかな水となるのです。
こうした雪解け水は大きな貯水池のような役割を果たし、真夏でも水を供給できます。雪解け水は暑い夏でも冷たい温度(15℃前後)を保ち、稲の生育に良い影響をもたらします。
しかし、80%以上が同一品種であることから、コシヒカリが不作な年は大打撃に陥ることにもなりました。特に、高温に弱いコシヒカリにとって、平成11〜14年まで続いた高温は大きな悪影響となったのです。そこで、平成15年には県の奨励品種として、自県で育成された高温に強い「てんたかく」が採用されました。
さらには早生品種(わせひんしゅ:早く実る品種)の「てんたかく」に対し、晩生品種(ばんせいひんしゅ:遅く実る品種)で高温に強い「てんこもり」も生まれました。そこで、早生と晩生の中間ぐらいの時期に収穫できる中生品種(なかてひんしゅ)も欲しい、となったのが「富富富(ふふふ)」を生み出す品種改良のきっかけです。
そしてついに、高温に強い遺伝子を持つコシヒカリ「コシヒカリ富山APQ1号」が誕生したのです。この「コシヒカリ富山APQ1号」に、背が低めで倒れにくい性質を持つコシヒカリをかけ合わせ、さらにその子どもにいもち病に強いコシヒカリを交配してできたのが「富富富」です。
徹底的にコシヒカリどうしをかけ合わせて作ったため、食味は富山産コシヒカリと同じと考えられていたのですが、実際に炊いて食べ比べてみると従来のコシヒカリより粒がしっかり、甘みと旨みのバランスがよくなっていました。組み入れた遺伝子が稲の全体的なバランスを良くし、食味の良さにつながったと考えられています。
「富富富」誕生秘話はこちらの記事もぜひ合わせてチェック!
「~最新品種誕生ものがたり~ 富山県/富富富」
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(美味しいごはん研究チーム)
富山米が美味しいのはなぜ?
富山米が美味しいのは、立山連峰を源流とする清らかな水と、肥沃な大地、適した気候に由来します。これらの理由を詳しく見ていきましょう。
立山連峰を源とする、豊かで清らかな水
北アルプス・飛騨山脈の北部、中部山岳国立公園に位置する立山連峰は3000m級の大きな山々です。冬に積もった雪は春に雪解け水となり、7大河川を主とするたくさんの急流・河川を通って富山平野に流れ込みます。連峰に降った雪解け水は山岳地帯にある花崗岩で不純物が吸着され、平野部に近い丘陵の堆積岩からミネラルが溶け出すため、キレイで豊かな水質を持っています。ミネラル分を豊富に含む雪解け水は、お米を育てるための豊かで清らかな水となるのです。
こうした雪解け水は大きな貯水池のような役割を果たし、真夏でも水を供給できます。雪解け水は暑い夏でも冷たい温度(15℃前後)を保ち、稲の生育に良い影響をもたらします。
肥沃な大地、米作りに適した気候風土
立山連峰からの雪解け水が含む豊富なミネラルは、大地を潤すだけでなく栄養素をたっぷり含ませ、肥沃な大地をつくります。富山県のコシヒカリは8月初旬に穂が出て9月中旬頃に熟しますが、この時期の富山の平均気温は25℃で、コシヒカリが最も美味しく実るとされています。
平成30年デビューの新品種「富富富」とは?
富山米の中でも、平成30年にデビューした新品種「富富富」は、度重なる品種改良の末に生み出された県のブランド米です。その歴史を順に追ってみましょう。「コシヒカリ」から「てんたかく」へ
昭和47年に県の奨励品種に指定された「コシヒカリ」は、富山県の気候風土がコシヒカリの美味しさを引き出しやすかったこともあり、ぐんぐん頭角を表しました。昭和52年にはコシヒカリが県の作付面積トップになり、昭和57年には過半数を超え、平成10年には80%を超える主力品種となったのです。しかし、80%以上が同一品種であることから、コシヒカリが不作な年は大打撃に陥ることにもなりました。特に、高温に弱いコシヒカリにとって、平成11〜14年まで続いた高温は大きな悪影響となったのです。そこで、平成15年には県の奨励品種として、自県で育成された高温に強い「てんたかく」が採用されました。
さらには早生品種(わせひんしゅ:早く実る品種)の「てんたかく」に対し、晩生品種(ばんせいひんしゅ:遅く実る品種)で高温に強い「てんこもり」も生まれました。そこで、早生と晩生の中間ぐらいの時期に収穫できる中生品種(なかてひんしゅ)も欲しい、となったのが「富富富(ふふふ)」を生み出す品種改良のきっかけです。
高温に強く食味も良い「富富富」の誕生
コシヒカリに負けない良食味を持つ、高温に強い中生品種が求められるようになったのをきっかけに、同じコシヒカリでも高温に強い遺伝子を持つコシヒカリを育てるべく、掛け合わせと遺伝子マーカーによる地道な研究が続けられました。そしてついに、高温に強い遺伝子を持つコシヒカリ「コシヒカリ富山APQ1号」が誕生したのです。この「コシヒカリ富山APQ1号」に、背が低めで倒れにくい性質を持つコシヒカリをかけ合わせ、さらにその子どもにいもち病に強いコシヒカリを交配してできたのが「富富富」です。
徹底的にコシヒカリどうしをかけ合わせて作ったため、食味は富山産コシヒカリと同じと考えられていたのですが、実際に炊いて食べ比べてみると従来のコシヒカリより粒がしっかり、甘みと旨みのバランスがよくなっていました。組み入れた遺伝子が稲の全体的なバランスを良くし、食味の良さにつながったと考えられています。
「富富富」誕生秘話はこちらの記事もぜひ合わせてチェック!
「~最新品種誕生ものがたり~ 富山県/富富富」
ごはん彩々おすすめの富山米3種
最後に、ごはん彩々おすすめの富山米3種をご紹介します。
コシヒカリ
富山県の気候風土は、美味しいコシヒカリを作るのに適しているため、味・ツヤ・コシのいずれも優れたコシヒカリが味わえます。和食にも洋食にも合い、お弁当やおにぎりなど冷めても美味しいコシヒカリ。粘り、コシ、美味しさのバランスがとれた、炊きあがりの美しい逸品です。▼ご購入はこちら
富富富
食べた人が「ふふふ」と笑顔になってくれるような極上の美味しさを持つお米、として名づけられました。「富山」の豊かな水や大地で、「富山」の生産者が育てた、「富山」づくしのお米、という意味もあります。すっきりと爽やかな味わいなので、油っこい料理にぴったり。中華や豚カツにもおすすめです。▼ご購入はこちら
てんたかく
粒が大きく揃っていて、ふっくらとキレイに炊きあがり、形が崩れにくいお米です。あっさり味が売りの「てんたかく」は、ふっくらとした炊きあがりで食感は軽やか。ごはんの味をあまり主張しないので、どんなおかずにも合わせられます。朝ごはんや魚料理など和食はもちろん、揚げ物や中華まで何でもOK。ぜひ、毎日の食卓にいかがでしょうか。▼ご購入はこちら
まとめ
富山県は米どころ新潟県を隣県に持つ、気候風土に恵まれた知る人ぞ知る米どころの一つ。立山連峰を源とするミネラルたっぷりの雪解け水や肥沃な大地、コシヒカリを美味しく実らせるのに適した気温で美味しいお米を作っています。平成30年からは高温に強くコシヒカリの弱点を補った美味しい新品種「富富富」も登場しました。ぜひ、この機会に味わってみてくださいね。(美味しいごはん研究チーム)
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