お米は主食のごはんとしてのイメージが強いですが、おせんべいやおかきなどお菓子にもお米が使われることをご存知でしょうか。ひな祭りなどに食べるあられやポン菓子は、見た目も可愛く大人から子どもまで人気の高い米菓子です。今回は、そんなお米を使ったお菓子について、お菓子に使われるお米の種類について詳しくご紹介します。
また、両者の見分け方として、うるち米は色が半透明なのに対し、もち米は真っ白で不透明という見た目の違いがあります。これは、デンプンの違いによるものです。
せんべいの発祥は飛鳥時代で、現代から1400年も昔のこと。うるち米を細かい粉に挽いたのち、蒸してつきあげ、平たくのばしてさまざまな形に干し固めたものです。お米を蒸してつきあげるときに塩を振ると「塩せんべい」に、最後にしょうゆを塗ると「醤油せんべい」となります。かつては塩味がメインでしたが、現在では醤油味が主流です。
他にも、かじるとバリンと音がする「固焼き」や、誰でも簡単に割れる「薄焼き」、海苔を巻いたものや一味唐辛子を振ったもの、濡れせんべいなど、一口にせんべいと言ってもその味や形状はさまざまです。
後に音だけが残って「掻餅(かきもち)」と呼ばれるようになり、やがて鏡餅の段階を経ずともかきもちそのものを作るようになりました。現在、市販の「かきもち」は機械で作られており、さまざまな種類があります。せんべいとは原料となるお米が異なり、値段もせんべいより高いのが一般的です。
こうした製法から「寒晒し」とも呼ばれていたため、現在でも白玉粉の包装に寒晒という言葉が残っています。水に晒されるため、水に溶ける成分は取り除かれているほか、粒子は細かく揃っています。白玉粉はそのまま団子を作るだけでなく、大福やクッキー、ドーナツなどにもアレンジ可能です。
つき餅は、精白したもち米をしっかり研いで浸漬し、水切りしたら蒸し器やせいろで蒸し、餅つき器や杵と臼を使ってつくことで作られます。お雑煮やきな粉をつけて食べたり、あんこを入れたり、しょうゆ、海苔などをつけたりして食べるのが一般的です。しょうゆをつけて海苔を巻くと、磯辺焼きという名前で呼ばれることもあります。
餅自体によもぎを混ぜると草餅に、黒豆などを混ぜ込むと豆餅になるほか、くるみ餅、ずんだ餅、とち餅など地方の特産品を使ったバリエーションも多く見られます。近年では、平たく伸ばして餅ピザなどのアレンジレシピも豊富です。
(おいしいごはん研究チーム)
お菓子に使われるお米の種類
お菓子に使われるお米には、「もち米」と「うるち米」の2つがあります。
もち米
もち米とは、アミロペクチンという1種類のデンプンのみを主成分とした白米のことです。アミロペクチンは水に溶けないデンプンで、アミロペクチンが多いほどもちもちとした食感になります。名称からお餅だけに使われると思われがちだが、おこわや赤飯に使われるのももち米です。
うるち米
アミノペクチン以外にアミロースというデンプンも持つ、一般的な白米のことです。アミロースとアミロペクチンの比率はおよそ2:8で、アミロースは水に溶けやすいデンプンなため、アミロースが多いほどあっさりとした食感になります。もち米より粘り気は少ないものの、ふっくら炊き上がることが特徴です。また、両者の見分け方として、うるち米は色が半透明なのに対し、もち米は真っ白で不透明という見た目の違いがあります。これは、デンプンの違いによるものです。
お米で作るお菓子にはどんなものがある?
お米で作るお菓子にはどんなものがあるのでしょうか。今回は、お米から作られるお菓子として代表的な「せんべい・おかき・あられ・お団子・お餅・ポン菓子」の6つをご紹介します。
せんべい
せんべいは、うるち米で作られるお菓子です。大きく分けると、一般せんべい類(関東系、関西系の2種)と「塩せんべい」に分類され、代表的な製品には「草加せんべい」などがあります。せんべいの発祥は飛鳥時代で、現代から1400年も昔のこと。うるち米を細かい粉に挽いたのち、蒸してつきあげ、平たくのばしてさまざまな形に干し固めたものです。お米を蒸してつきあげるときに塩を振ると「塩せんべい」に、最後にしょうゆを塗ると「醤油せんべい」となります。かつては塩味がメインでしたが、現在では醤油味が主流です。
他にも、かじるとバリンと音がする「固焼き」や、誰でも簡単に割れる「薄焼き」、海苔を巻いたものや一味唐辛子を振ったもの、濡れせんべいなど、一口にせんべいと言ってもその味や形状はさまざまです。
おかき
もち米を原料とした、焼き菓子の一種です。もともとはお正月に供える「鏡もち」を鏡開きの際に刀で切ると縁起が悪いとされ、手や槌で欠き割ったことから「欠餅(かきもち)」の名前がつきました。後に音だけが残って「掻餅(かきもち)」と呼ばれるようになり、やがて鏡餅の段階を経ずともかきもちそのものを作るようになりました。現在、市販の「かきもち」は機械で作られており、さまざまな種類があります。せんべいとは原料となるお米が異なり、値段もせんべいより高いのが一般的です。
あられ
もち米を原料としたお菓子の一種で、おかきよりも小さいのが特徴です。古くは奈良時代に「あられもち」の名が文献に残っており、これは干したもち米を煎(い)ったものでした。煎るときに音をたて、はね、ふくれる様子が空から降る「あられ」に似ていることから、「あられ」と名づけられたのです。江戸時代以降はもちを小さく切って乾燥させた後、煎ってふくらませ、砂糖、しょうゆで味つけしたお菓子になりました。
お団子
精白したもち米を「水挽き」というやや特殊な方法で粉にした、「白玉粉」を使って作られるお菓子です。かつては寒い季節にもち米の精白米をよく水洗いし、水に浸漬して十分に吸水させ、水を加えながら石臼で砕いて乳液状にし、これを水に晒して精製したのち、圧搾脱水・風乾という過程で作られていました。こうした製法から「寒晒し」とも呼ばれていたため、現在でも白玉粉の包装に寒晒という言葉が残っています。水に晒されるため、水に溶ける成分は取り除かれているほか、粒子は細かく揃っています。白玉粉はそのまま団子を作るだけでなく、大福やクッキー、ドーナツなどにもアレンジ可能です。
お餅
お餅には、粒状のもち米を蒸して杵でついた「つき餅」と、穀物(うるち米、アワ、キビなど)の粉にお湯を加えて練り、蒸しあげた「練り餅(ねりもち)」の2種類があります。練り餅は沖縄県を除き、団子に分類されることが多いため、ここでは主につき餅についてご紹介します。つき餅は、精白したもち米をしっかり研いで浸漬し、水切りしたら蒸し器やせいろで蒸し、餅つき器や杵と臼を使ってつくことで作られます。お雑煮やきな粉をつけて食べたり、あんこを入れたり、しょうゆ、海苔などをつけたりして食べるのが一般的です。しょうゆをつけて海苔を巻くと、磯辺焼きという名前で呼ばれることもあります。
餅自体によもぎを混ぜると草餅に、黒豆などを混ぜ込むと豆餅になるほか、くるみ餅、ずんだ餅、とち餅など地方の特産品を使ったバリエーションも多く見られます。近年では、平たく伸ばして餅ピザなどのアレンジレシピも豊富です。
ポン菓子
米に圧力をかけてから一気に開放して、ふんわり膨らませたお菓子のことを指します。一気に減圧するときの音から「ポン菓子」のほか「ドン菓子、バクダン、米はぜ、どんこめ、ぱっかん」などユーモラスな別称が多いです。 膨らむのは「膨化」と称される過程で、米の場合は元の10倍ほどにも体積が膨らみ、サクサクと軽い食感の菓子になります。うるち米やもち米はもちろん、大麦や小麦、うどんやマカロニなどの乾麺などからもポン菓子を作ることもできます。
まとめ
お菓子に使われるお米は、主食として食べられているうるち米のほか、もち米もあります。今回ご紹介した米菓子は、いずれも日本で古くから親しまれてきたお菓子です。お菓子としてもさまざまにアレンジができる、お米の奥深さに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。(おいしいごはん研究チーム)
この記事どうだった?
この記事を見た人はこんな記事も見ています!
カレーの歴史について知ろう!日本でカレーライスが広まったのはなぜ?