味噌が大豆から作られることは広く知られていますが、一口に味噌と言ってもさまざまな分類があります。米味噌とはその中でも、大豆に加え、お米(米麹)を使って作る味噌のことを指し、全国各地で広く作られています。今回は、米味噌を中心とした味噌のさまざまな分類や米味噌の種類、おすすめの米味噌についてご紹介します。

味噌にはさまざまな種類がある
まずは、味噌の種類は麹によって分けられること、それぞれの麹について紹介します。

米味噌
米味噌とは、大豆に米麹を加えて作った味噌のことです。お米の分量が多いと白味噌と呼ばれます。味にクセがないため、全国各地に広まりました。全味工連集計では、味噌の出荷数量の8割を占めていることもわかっています。

麦味噌
麦味噌とは、大豆に麦麹を加えて作った味噌のことで、淡い色合いと甘味が特徴です。九州・四国・中国地方で主に作られています。

豆味噌
豆味噌とは、大豆のみを原料として作られた味噌のことです。濃厚な味が特徴で、愛知や三重、岐阜などの東海地方で主に作られています。八丁味噌などが代表的です。

調合味噌
調合味噌とは、上記の味噌を2〜3種組み合わせて作られた味噌のことです。数種類の味噌を組み合わせることで、より濃厚な味が楽しめます。

米味噌の種類
米味噌は、味と色によって種類分けがされています。詳しく見ていきましょう。

味の違い
米味噌には、以下の3つの種類があります。ただし、以下はあくまでも目安なので、製造会社や地域によっては当てはまらないものもあることに注意しましょう。

・甘味噌…麹の歩合が12〜20程度、塩分が5〜7%
・甘口味噌…麹の歩合が8〜15程度、塩分が7〜12%
・辛口味噌…麹の歩合が5〜10程度、塩分11〜13%

米味噌の辛さ加減は、食塩の量と麹歩合によって決まります。塩分が多く麹の歩合が少ないほど辛口になりますが、逆に、塩分が少なく麹の歩合が多いほど甘口になるという特徴を持っているのです。

色の違い
米味噌は色でも違いが分けられます。(製造会社や地域等により異なる)

・白味噌…麹の歩合が15〜30程度、塩分が5〜7%
・淡色味噌…麹の歩合が5〜15程度、塩分が7〜13%
・赤味噌…麹の歩合が5〜20程度、塩分が5〜13%

色の違いは、発酵熟成中に起こる「メイラード反応」が原因で、米のおこげができるのと同じ反応です。原料である大豆などのアミノ酸が、糖と反応して褐色に変化します。 原則として麹の歩合が多いほど色は淡くなりますが、その他、大豆を煮るか蒸すか、発酵の途中でかき混ぜるかどうかなどでも異なります。 また、商品になった後でも発酵は進むため、時間が経つほど色が濃くなっていくのです。

地域の違い
味と色によって、作られる地域も分かれています。

・甘味噌/白味噌…近畿各府県と岡山、広島、山口、香川(関西白味噌、讃岐白味噌、府中白味噌など)
・甘味噌/赤味噌…東京(江戸赤味噌
・甘口味噌/淡色味噌…静岡、北陸、九州地方(越中味噌など
・甘口味噌/赤味噌…徳島やその他(御膳味噌など
・辛口味噌/淡色味噌…関東甲信越や北陸を中心に、全国各地(信州味噌など
・辛口味噌/赤味噌…北海道や東北、関東甲信越を中心に、全国各地(北海道味噌、津軽味噌、秋田味噌、仙台味噌、会津味噌、佐渡味噌、越後味噌、加賀味噌など)

米味噌の効能
米味噌には、味噌全般の効能も含めて、以下のような効果が期待できます。

消化吸収がよい
大豆のタンパク質が酵素で加水分解されるため、消化吸収がよくエネルギー効率もよいとされています。腸活にもおすすめです。

栄養素が豊富
必須アミノ酸が8種類含まれているほか、ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富です。乾燥肌の改善にも効果が期待できます。

血中コレステロールの上昇を抑える
不飽和脂肪酸であるリノール酸と大豆レシチンの働きで、血中コレステロールの上昇が抑えられると考えられています。

抗酸化作用が期待できる
ビタミンEを含むため、抗酸化作用が期待できます。抗酸化作用により、老化やがんなど生活習慣病の予防、美白やエイジングケアに効果があると考えられています。

安価に食べられる
直接的な効能ではないですが、味噌は価格が安いため、上記のような効能を安価に手に入れられるのも嬉しいメリットです。 手軽で安価に作れる味噌汁にして飲めば、一汁三菜の一品にすることができてより簡単、かつ確実に味噌を摂取できます。

ごはん彩々おすすめの米味噌
最後に、ごはん彩々おすすめの米味噌をご紹介します。

JAみなみ魚沼「こしひかりみそ」「雪譜みそ」
■こしひかりみそ
こしひかりみそ

新潟県長岡産のエンレイ大豆と南魚沼産コシヒカリを使った米麹、国内産の塩で仕込んだ贅沢な味噌です。南魚沼産のコシヒカリを使うことで、心地よいほのかな甘みを引き出すことに成功しました。保存料を使わず、大豆と米麹と塩だけで仕込んでいるので、健康志向の方にもおすすめです。

■雪譜(せっぷ)みそ
雪譜みそ

製造者自家製の大豆に南魚沼産コシヒカリの麹を使い、天然の「天日塩」だけを使って1年間じっくり熟成させた「雪譜みそ」。保存料を使わないことで、出荷後も発酵し続ける味噌のうま味をしっかり感じられます。

味噌工房わくわく「山のさと」「北のとよ」
■山のさと
山のさと

東京都江戸川区初の味噌工場から直送された生味噌(酵母や乳酸菌が生きていて、発酵が続いている味噌)です。山形県産の大豆「山のさと」を使い、山形県産コシヒカリで作った麹で発酵させました。やや辛口に仕上がり、コクの中にかすかな酸味とまろやかな味わいが感じられます。

■北のとよ
北のとよ

北海道産の大豆「とよまさり」を使った生味噌です。とよまさりは風味がよく、甘味もあることから「大豆の横綱」とも呼ばれていて、糖質がやや多めな反面、脂質が少ないのが特徴。そのため甘口の仕上がりとなり、香り豊かで濃厚な味わいが楽しめます。

まとめ
味噌には主に米味噌・麦味噌・豆味噌・調合味噌の4種類がありますが、中でも最も全国的に作られているのが米味噌です。普段食べているのは米味噌、という人は多いのではないでしょうか。 米味噌には味や色による分類があり、甘・甘口・辛口、白・淡色・赤に分けられます。米味噌は栄養素も豊富でコレステロールを抑えたり、抗酸化作用が期待できたりしますので、ごはん彩々おすすめの米味噌をぜひ食べてみてください。
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