日本人の主食である「コメ」。しかし、つい手軽なパンや麺を選択して、食卓からご飯が遠のきがちの方も多いのではないでしょうか。今回は、ご飯とパン、麺の成分やおかずの種類などを比較。パンや麺では得られないご飯ならではのよさについて、管理栄養士の圓尾和紀さんにお話をうかがいました。
「減塩」と言われて久しい今日。取りすぎると高血圧になりやすくなったり、心臓や血管に悪影響を及ぼすので、注意が必要です。まずはそれぞれの主食1食分に含まれている塩分を比較してみましょう。
・ご飯 お茶碗1杯:0グラム
・食パン 6枚切り1枚:1グラム弱
・パスタ 100グラム当たり:0グラム
ご飯とパスタには塩分は含まれていません。しかし、ゆでる際に塩を入れたり、調理
一方、ご飯は炊くときに必要なのは水だけ。調理の過程で塩分が不要で、そのまま食べることができます。
ちなみに、塩分の摂取量の目安は、1日あたり、
・成人男性:8グラム未満
・成人女性:7グラム未満
とされています。塩分の調整がしにくい外食が多くなりがちな方は、ご飯食で、塩分控えめの食事とのバランスが取れるといいですね。
さらに、コメはそのままで保存がきくので、保存料などの添加物も含まれていません。塩分が含まれていないだけでなく、無添加でもあるヘルシーな主食なのです。
パンや麺は、小麦を粉末状にしたものを形成してできていますので、ご飯よりも消化がしやすくなっています。見方を変えると、ご飯は、パンや麺に比べてよくかむことが必要な主食。このことによって得られるメリットを紹介します。
パンや麺は、一度粉末にしたものを形成し直しているので、消化がしやすい分余分な間食が増えてしまうことも。ご飯はよくかむことで、ゆっくり食べることにもつながり、満腹感がアップします。
間食を控えたい方は、パンや麺を食べるよりも、ご飯をしっかりかんで食事をするのがおすすめです。
よくかむことで、だえきがたくさん出ます。口腔内で消化が始まるので、胃腸への負担が軽減されます。胃腸での消化が促進されるので、身体に必要な栄養がより吸収されやすくなるのです。
次に、ご飯、パン、麺をそれぞれ主食にしたときの、おかずについて考えてみましょう。
ますよね。また、一緒に野菜を取る際、ソテーやサラダなどがありますが、ソテーはバターで炒めたり、サラダにはドレッシングをかけるので、油分を取りがちになってしまいます。
麺の場合は、スープや乗せる具材は、油っこいものになりがち。野菜を取る場合、具として乗せることもありますが、麺に対して比較的少ないことがほとんどだと思います。十分な野菜を取るのは難しくなると言えるでしょう。
パンや麺には合わせにくい食材・料理との相性も良好です。たとえば、焼き魚、海藻、納豆や味噌などの発酵食品といったものです。特に、現代人に不足しがちな3つの栄養素
・食物繊維
・マグネシウム
・オメガ3
が取りやすくなります。
食物繊維は、野菜やキノコ類、マグネシウムは大豆や海藻類、オメガ3は魚介類、特に青魚に含まれます。
ご飯なら、これらをおかずとして一食で取ることができます。ご飯はおかずを選ばない、主食の優等生なのです。ご飯、パン、麺について比較してきました。近年、炭水化物制限ダイエットなどがもてはやされ、敬遠されがちな米食ですが、ダイエットしたい人にもメリットを感じられるような、ご飯ならではの良さを感じていただけたのではないでしょうか。炭水化物制限を考えている方は、ぜひ「ごはんを食べて正しいダイエットを!」をご参照ください。
いずれにしても、いろいろな食材をバランスよく取ることが大前提です。そのためにもご飯を中心とした食事が一番です。普段、パンや麺食が多くなりがちな方は、1日に必ず1回はご飯にするなど、比重を変えることから始めてみるといいかもしれません。
管理栄養士
ファスティングマイスター麻布支部支店長
圓尾和紀(まるおかずき)さん大学時代、留学先のイギリスで、3カ月で10㎏太ったが、帰国後、日本食で生活しただけで10㎏減量。日本で培われてきた「和食」の良さを伝えたいと、管理栄養士として活動する。ファスティングマイスターの資格も持ち、正しいファスティングについても発信している。
美しくやせるためには、ごはんを食べて、正しいダイエットを!