毎年11月23日、全国の神社において新嘗祭(にいなめさい)が行われます。「新」は新穀(初穂)、「嘗」は御馳走を意味し、天照大御神(あまてらすおおみかみ)はじめすべての神様に新穀をお供えして、神様の恵みによって新穀を得たことを感謝するお祭りです。
五穀豊穣を祈願した2月17日の祈年祭と相対するお祭りで、この日、宮中では天皇陛下が感謝をこめて新穀を奉るとともに、御自らも召し上がります。
新嘗祭の起源は古く、「古事記」にも天照大御神が新嘗祭を行ったことが記されています。今は新嘗祭から勤労感謝の日へと呼び名は変わっていますが、「収穫を祝い感謝する」という本来の意味は変わってはいません。
一方、新嘗祭のうち新天皇が即位して最初のものを大嘗祭(だいじょうさい)といいます。大嘗祭は、即位の時期が7月までならばその年に、8月以降では翌年に行われます。5月に御世替りを迎えた2019年は、11月14、15日に大嘗祭の中心的となる「大嘗宮の儀」が行われました。
大嘗祭で使われるおコメは、カメの甲を使った「亀占」によって産地が決められます。それを「斎田点定の儀」といい、2019年の大嘗祭に向けては、5月13日に皇居・宮中三殿で古式ゆかしく行われました。東日本(悠紀(ゆき)地方)から栃木県、西日本(主基(すき)地方から京都府が選ばれ、今後、宮内庁と各県の関係者で具体的な場所を決定し、秋の「斎田抜穂の儀」で新穀を収穫、お供えられます。
過去の大嘗祭の新米の産地は以下の通りです。
明治天皇(1871年) 甲斐国(山梨県)、安房国(千葉県)
大正天皇(1915年) 愛知県、香川県
昭和天皇(1928年) 滋賀県、福岡県
上皇陛下(1990年) 秋田県、大分県
天皇陛下(2019年) 栃木県、京都府
「11月23日は、お米と関わりが深い日?(新嘗祭)」もご参照ください。
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