美味しいお米、そして美味しいご飯を食べるためには、お米の種類にこだわったり、研ぎ方にこだわったりすることはもちろん大切なのですが、炊き方にもこだわるとより良いでしょう。そこで今回は、研ぎ終わった後の水の選び方、お米に水を吸わせるやり方、美味しく食べるための注意点など、炊飯器での美味しいお米の炊き方をご紹介します。
お米を研ぎ終わったら、炊くために水を加えます。このときに加える水にもひと工夫することで、より美味しいお米が食べられるでしょう。
お米を炊くときの水は、お米にニオイがうつらない無味無臭のものが理想です。水道水は塩素で消毒されていてどうしてもカルキ臭が残っているので、このカルキ臭がお米にも移ってしまい、お米本来の風味が落ちてしまいます。浄水器を通せば塩素を取り除けるので、浄水器があればぜひ浄水器を通した後の水を使いましょう。無味無臭という点では、ミネラルウォーターでも良いですが、お米が柔らかくなりやすいので水の量に注意が必要です。
浄水器がない場合、水道水からカルキを抜く方法もあります。3〜5分程度沸騰させて冷ますか、半日〜1日程度汲み置きするというものです。半日〜1日程度の汲み置きではついホコリ避けなどでフタをしたくなりますが、フタをすると塩素が逃げなくなってしまいますので、フタをしないよう注意しましょう。
※魚の飼育用にカルキ抜きをする場合、中和剤を使ってカルキ抜きをする方法もありますが、この方法で作った水は飲料水として使えません。ごはんを炊くときの水には絶対に使わないよう気をつけましょう。
常温で何時間も置いておくとでんぷんが溶け出して風味が落ちてしまうほか、あまりに放置時間が長いと雑菌が繁殖してしまいます。外出時や朝食用は仕方ないのですが、食べるタイミングでスイッチを入れられる場合は釜ごと冷蔵庫で保管しておき、食べるタイミングに合わせてスイッチを入れるようにしましょう。
加える水を選んだら、早速お米に水を加えて炊飯器にセットしましょう。
内釜を本体にセットする前には、以下のポイントに注意しましょう。
・内釜の外側や炊飯器側についた水滴は故障や炊きムラの原因となるため、しっかり拭き取っておく
・汚れや米粒は炊飯器の内側の焦げつきや嫌なニオイの原因になるので、必ず取り除いておく
水滴やゴミがつくのを防ぐために、炊飯器の中蓋や吹出口のパーツなどもこまめに洗いましょう。
基本的には、炊飯器についた目盛りどおりに水を加えます。水加減をするときは、内釜を平らな場所に置いて左右の目盛りを確認しましょう。何回か炊いた後、好みに応じて水分量を微調整するとより美味しく食べられます。
※新米は水加減を減らすと良いとよく言われていますが、お米の水分は乾燥するときに一定に調整されているため、まずはいつもどおりの水量で炊いて構いません。2回目以降は上記のように、好みで調整していきましょう。
水を加えた後、お米に水を吸わせることを「浸漬(しんせき)」と言います。お米の中心部分のでんぷんにまでしっかり水を浸透させることで、中心部まで熱を通すことができ、芯からふっくらとしたご飯が炊けるのです。
低温(5℃)で120分以上浸漬すると食味と粘りが適正になり、再加熱しても食味が落ちないという研究結果も報告されています。低い水温を維持するためには、冷蔵庫で浸漬させるのが良いでしょう。また、低温にするため氷を入れると美味しいとよく言われますが、氷を入れると水分量が狂ってしまうため、あまりおすすめできません。
もし、120分(2時間)も時間をとれない場合でも、できれば夏場は30分程度、冬場は1時間以上浸漬させるとより美味しく食べられます。急いでいる場合は、研いだ後でぬるま湯に10分ぐらいつけておくと浸漬しやすいのでおすすめです。
基本的に浸水時間が短いと粘らず硬めになり、長くなると粘りと柔らかさが強くなるという傾向があるため、浸漬時間は好みにもよります。何度か炊いてみて、ぜひ好みの硬さや粘りを見つけてください。
また、最近の炊飯器は浸水時間を計算し、洗米後すぐにスイッチを入れても大丈夫なものもあります。ぜひご自宅の炊飯器を確認してみてください。
蒸らす時間が長すぎると水滴が落ちて、水っぽくなってしまうため注意しましょう。また、保温は長くても2〜3時間程度とします。ご飯は熱をかけたまま時間が経つと硬くなるだけでなく風味も落ちてしまうので、できるだけ早く食べましょう。
炊飯器で美味しいお米を炊くためには、お米に吸わせる水の種類、内釜や炊飯器の水滴や汚れ、こびりついた米粒などにも十分注意しましょう。水量は基本目盛り通りで構いませんが、好みで微調整するのもおすすめです。
▼ご飯の炊き方については、こちらでも詳しく解説しています。
(ごはん彩々・おいしいごはん研究チーム)
美味しいお米の炊き方とは?昔ながらの土鍋で美味しいご飯を炊こう!