美味しいお米や美味しいご飯を食べるためには、お米の種類や研ぎ方にこだわることも大切ですが、さらに炊き方にもこだわると良いでしょう。炊飯器を使っているお家は多いでしょうが、好みに合わせるためには土鍋で炊くのもおすすめです。今回は、土鍋での美味しいお米の炊き方をご紹介します。


土鍋でお米を炊くための準備

土鍋でお米を炊くためには、炊飯器とは少し異なる準備や注意点があります。

お米を研ぎ終わった後の「浸漬」は土鍋でやらない

炊飯器でお米を炊くときには、研ぎ終わった後でお米に水を吸わせる「浸漬(しんせき)」を内釜で行ってもOKですが、土鍋ではNGです。土鍋は水を吸いやすく、土鍋が水を吸ってしまった状態、鍋底が濡れている状態などで強い火にかけると、鍋底にヒビが入ったり割れたりする恐れがあります。

 

そこで、お米に水を吸わせる「浸漬」は別のボウルなどで行い、浸漬後はお米をザルに上げてきっちり水を切ってから土鍋に移しましょう。お米をザルにあげるという工程も炊飯器とは異なりますので、忘れないよう注意が必要です。

水はどのくらい入れる?

水を切ったら土鍋にお米を入れ、水を入れていきます。お米1合に対して200ccの水を基本とし、2合なら400cc〜450cc、3合なら600cc〜650ccです。1〜2回炊いたら、好みに合わせて微調整すると良いでしょう。炊飯器と違って目盛りがないため、水量をきっちり量ることが重要です。

これで完璧!土鍋でのお米の炊き方

では、実際に一般的な土鍋でお米を炊く方法を見ていきましょう。

「はじめちょろちょろ中ぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな」って?

昔、かまどでご飯を炊いていたときに使われていた口伝の一つに「はじめちょろちょろ中ぱっぱ〜」という言葉がありますが、現代の土鍋ご飯も、基本的にはこれと同じように炊いていきます。

 

○はじめちょろちょろ:火加減をちょろちょろとした弱火でスタートし、お米にムラなく水分を吸収させる

※現在は浸漬でお米に水を吸わせますので、この過程はカットします。

○中ぱっぱ:一気に強火で沸騰させ、お米の表面にハリをもたせる

※現在ではこの過程からスタートし、吹きこぼれる直前に弱火に変えます。

○赤子泣いても蓋取るな:すぐに蓋を開けて食べ始めるのではなく、火を止めた後にしばらく高温のまま蒸らすこと

※余分な水分が飛ぶので、お米が締まって美味しくなります。

 

では、具体的なやり方を見ていきましょう。

1:一気に加熱する

土鍋に蓋をし、強火にかけていきます。加熱をはじめてから8〜15分程度で沸点に持っていくのがポイント。沸騰してきたら一度蓋を取ってかき混ぜ、均一に加熱しましょう。かき混ぜたら温度を下げないよう、すぐに蓋をしめます。


2:弱火でさらに火を通す

吹きこぼれる直前に、火を弱火に落とします。この時も火を弱くしすぎず、高温を保てる程度にしておきましょう。弱火で火を通す時間はだいたい10〜15分で、10分経ったら蓋を開け、水気の残り具合を確認します。

 

ご飯の表面から水や大きな泡がブクブク立っている状態ならまだ水気が残っていますので、追加で1〜2分ずつ火にかけながら水を飛ばしていきましょう。水がなくなってきた状態で耳を近づけると、パチパチ音が聞こえる鍋もあります。水気が残っていない状態になったら、一度中火で10秒程度加熱して火を止めましょう。


3:火を止めて蒸らす

火を止めた後、10分程度蒸らすと予熱で余分な水分が抜けるので、お米が締まって美味しくなります。蒸らし終わったら蓋を取って全体を混ぜてほぐし、さらに余分な水分を飛ばしましょう。土鍋は吸湿性も高いので、炊きあがったお米がべちゃつくことはほとんどありませんが、気になる場合は蓋と土鍋の間に乾いたふきんを挟んでおくと、よりべちゃつかなくなります。


番外編:おこげを作ろう

土鍋ごはんのお楽しみと言えば、香ばしい風味が特徴のおこげでしょう。おこげを作るためには、蒸らす前に5〜10秒強火にするとキレイなおこげを作れます。もし、好みのおこげにならなかった場合はさらに中火で10〜20秒加熱すると良いでしょう。火加減やおこげの程度の調整は土鍋の種類やお米の量などによっても変わるので、何度か炊いてみて好みのおこげを見つけてください。

 

また、完全に黒く焦げてしまった場合はおこげではなく、失敗です。このときは、次から火加減を弱めに調節しましょう。土鍋の使い初めにお米の研ぎ汁をお鍋に入れ、10分くらい弱火で加熱しておくと米のでんぷん質で土鍋の内面に膜ができますので、より焦げにくくなります。


土鍋の種類は?

ご飯を炊くための土鍋もさまざまな種類が販売されていますが、ごはん彩々で販売している土鍋は蓋がガラスでご飯の状態が見やすく、早く炊ける時短な点が魅力です。誰でも簡単にごはん本来の味とツヤが楽しめるだけでなく、カセットコンロでも使えますので、災害時にも活躍してくれます。ぜひ、普段の炊飯器とは別に、土鍋を1つ用意しておいてはいかがでしょうか。

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まとめ

土鍋は昔から使われていた炊飯方法なので、日本のお米に合った炊き方ができます。細かく好みに合わせるなら、炊飯器でなく土鍋を使うのもおすすめです。注意点には気をつけながら、土鍋でごはんを炊いてみましょう。

(ごはん彩々・おいしいごはん研究チーム)

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