【刈取り直前のわたむきの里の田んぼ】

 「わたむきの里福祉会」よりお便りが届きました。
 春の初めに「田起こし」を始めて半年、やっと収穫の時期になりました。イネ刈り作業が続く中、「わたむきの里福祉会」の作業場では、刈り取ってきた「もみ(籾)」を乾燥させ「もみ殻」を取り除き、「玄米」にする最後の工程(もみ擦り)を行っています。

「モミ」の乾燥とは?これを失敗するとすべてが台無しに!!

【みんなで刈取り作業をお手伝い

 お米は、田んぼのイネを刈り取って終わりではありません。この後、お米の将来を左右する「もみ」の乾燥作業が待っています。刈取った直後の「もみ」は、一般に20~30%ほどの水分量があり変形しやすいため、ムラなく水分量が15%になるまで乾燥させます。ここで、少しでも水分量が多すぎるとカビが発生する原因となり、逆に少ないとヒビ割れを起こし、品質や食味に悪い影響が出てしまいます。この時期の生産者は、刈り取りと同時に乾燥作業を行うため、緊張感の中、すばやく慎重に作業を進めています。

おいしさに直結!「わたむきの里」乾燥作業の秘密を紹介します!

 【(水分調整後)みんなで袋詰め作業】

 自然環境に優しくおいしいお米を目指す「わたむきの里」は、他の生産者と異なるこだわりの乾燥作業を行っています。今回は、その秘密を「ごはん彩々」に教えてくれました!

秘密その1:長く放置しない
 刈り取った「もみ」は、長く放置しておくとカビ発生するため、刈り取り後、すぐに乾燥機に入れます。そのため、刈り取りと乾燥機が空くタイミングを計算しながら、作業を進めます。

秘密その2:水分が安定するまで乾燥を開始しない
 「もみ」を乾燥機に入れたら、4~5時間「もみ」を風にあて、ある程度水分を安定させてから乾燥を開始します(すぐに乾燥させると、ひび割れや砕米が増加し、乾燥ムラが発生しやすくなるからです)。

秘密その3:低い温度でじっくり乾燥
 通常、温風は60℃前後に設定し「もみ」を乾燥させます。しかし、「わたむきの里」では、「もみ」に過度な負担をかけないようにするため、40℃まで下げてじっくり乾燥させます。温度を下げた分、水分量がムラなく15%になるまで時間がかかり、作業員の精神的な負担が増しますが、品質や食味の低下を抑えることができます。

秘密その4:乾燥後、「もみ」を冷ましてから「もみすり」を開始!
 多くの生産者は、作業効率を少しでも上げるため、乾燥が終わるとすぐに次の作業である「もみ擦り」(「もみ殻」を取り除き「玄米」にする作業)に入ります。しかし、「わたむきの里」では、熱が完全に取れるまで「もみ」を12時間ほど置き、その後に「もみ擦り」の作業に入ります。
 生産効率よりも品質を追求するのが「わたむきの里」なのです!

 「もみ擦り」が終わり「玄米」状態になったお米は、選別機でゴミやくず米等を取り除き、銘柄・等級検査をした後、「定温倉庫」で大事に保管されます。そして、お客様からご注文が入るまで「玄米」のまま保管し、ご注文のつど「白米」にとう精して、お客様のもとへお届けしています。

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▼過去の「わたむきの里」の記事は⇒こちら


【取材先】
名称:社会福祉法人わたむきの里福祉会
住所:滋賀県蒲生郡日野町上野田805
(通所施設では日本最大級の障がい者福祉施設です)
同福祉会のHPは⇒こちら


【わたむきの里福祉会の事務所】


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