お米をとぎ終わった後のとぎ汁は、そのまま捨ててしまっている人が多いでしょう。しかし、実はとぎ汁の中にはたくさんの栄養分が含まれていて、掃除や家事などのほか、料理や美容にも有効活用できることが分かっています。
今回は、お米をといだ後に再利用するときの注意点も含めて、とぎ汁をさまざまな場面で活用する方法を見ていきましょう。
お米のとぎ汁には栄養がたくさん!
お米を洗うときに出るとぎ汁には、米ぬかに含まれるビタミン・ミネラルのほか、脂質やでんぷんなどの栄養分がたくさん含まれています。・ビタミンB1:主に糖質の代謝に関わる。体内のエネルギー代謝アップ、皮膚や粘膜の健康維持
・ビタミンB2:主に脂質の代謝に関わる。発育のビタミンとも呼ばれ、皮膚や髪、爪など細胞の再生を促進
・ビタミンB6:主にタンパク質の代謝に関わる。健康な髪や肌を作る
・ビタミンE:若返りのビタミンとも呼ばれ、強い抗酸化作用で皮膚の老化を防ぐ
・マグネシウム:血圧を安定させる働きを持ち、新陳代謝を活性化する
・カルシウム:神経伝達に関わる。血圧を安定させたり、丈夫な骨を作ったりする
・脂質:ビタミンEなどの脂溶性ビタミンの吸収率アップ、細胞膜の成分やホルモンの材料になる
そのまま流してしまうとただの汚水になってしまうとぎ汁ですが、その栄養分を活かして掃除や美容などに使えば無駄がありません。
お米のとぎ汁は家事、料理、美容といろいろ使える
では、とぎ汁を実際に家事や料理、美容などに使う方法を見ていきましょう。
食器の油汚れや掃除に
お米のとぎ汁には脂質やでんぷんが含まれているほか、界面活性剤の役割をするタンパク質も含まれているため、食器に残った汚れを落としやすくしてくれます。とぎ汁で食器を洗った後は水道水ですすぎ、残りの汚れが気になるときは少量の洗剤で洗い流すと良いでしょう。食器はとぎ汁でつけおき洗いをするのもおすすめです。洗剤や水を大量に使わなくて済むため、節水やエコにつながります。ニオイがついてしまったタッパーなどの容器を一晩つけおきすると、頑固なニオイなども気にならなくなるでしょう。
とぎ汁は床掃除にもおすすめです。とぎ汁に含まれる脂質が汚れを落としやすくしてくれるだけでなく、ワックスの効果もあります。ただし、とぎ汁が濃すぎたり、拭き残しで水分が残ったままになったりしていると設備を傷めてしまうこともあるので、薄めてから雑巾に浸し、固く絞って使いましょう。
また、掃除の際に汚れた雑巾をとぎ汁に入れて洗うととぎ汁が汚れてしまうので、別のバケツを用意しておくと良いでしょう。とぎ汁を霧吹きに入れて使うのもおすすめです。
土鍋や茶碗、湯呑など粗い土を使っている陶器には、買ってきてすぐは細かい無数の穴があいていて汚れやニオイがつきやすいことから、とぎ汁で「目止め」と呼ばれる下処理をするのが欠かせません。ただし、このときに使うのは片栗粉を溶いた水などでんぷん質の含まれる液なら、とぎ汁以外でもOKです。
他にも、栄養分がたっぷり含まれたとぎ汁は、観葉植物や植木の水やりなどガーデニングにも使えます。
料理の下ごしらえや手洗いに
大根やたけのこ、ごぼう、人参、里芋などには独特の苦味やえぐみなどの強いアクがあるので、とぎ汁で下ゆでするとアク抜きができます。お米のとぎ汁に含まれるカルシウムなどの成分が野菜のえぐみと結合し、アクを中和してくれる働きがあるため、お湯でゆでるより美味しく仕上がるでしょう。ニシンやタラなどの大きな干物も独特のえぐみを持っているため、とぎ汁を使って戻すとえぐみがとれて身も柔らかくなります。さらに、調理中に魚や肉を触って手が汚れたとき、米のとぎ汁で手を洗うと洗浄・消臭・保湿などの効果があるとされているので、ハンドソープや水で洗うよりも手が荒れにくくおすすめです。ただし、除菌効果があるわけではありませんので、生肉や生魚を触った後に生野菜などを触るときには、除菌効果のある石鹸などを使いましょう。
洗髪や洗顔に
お米のとぎ汁には、最初にご紹介したビタミンやミネラルのほか、セラミドや乳酸菌、天然の保湿成分など美容に役立つ成分がたくさん含まれています。そのため、江戸時代の頃から、洗顔や化粧水としてとぎ汁が使われていたという歴史もあります。まずは化粧や日焼け止めなどをクレンジングで落としてから、お湯で薄めたとぎ汁を洗顔に使ったり、洗髪に使ったりするのもおすすめです。ただし、とぎ汁はやや刺激が強いので、使う前には必ずパッチテストをして問題がないことを確認してから使いましょう。
とぎ汁を再利用する上での注意点は?
とぎ汁を再利用するときは、以下のポイントに注意しましょう。
・1回目のとぎ汁には、お米に付着したホコリなどの汚れが混ざっているので捨てて、2回目以降のとぎ汁を使う
・お米のとぎ汁は長時間溜めっぱなしにせず、出たらすぐ使ってしまう
・園芸の水やりに使う場合、栄養過多による根腐れや空気不足などに注意する
注意点は忘れず、無駄なく上手にとぎ汁を再利用しましょう。
まとめ
お米のとぎ汁には、ビタミン・ミネラルや脂質、ビタミン、タンパク質などさまざまな栄養分が含まれます。食器洗いや掃除などの家事、料理の下ごしらえ、美容などさまざまな用途に再利用できますので、ぜひ使ってみましょう。
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