サラダ油やごま油、オリーブオイルだけでなく、近年ではココナッツオイルやえごま油、アマニ油など多種多様な油が使われています。今回は、そんなさまざまな油の中でも「米油(こめあぶら)」についてご紹介します。米油の特徴やメリット・デメリット、どのように作られるのか詳しくご紹介しますので、健康的な油について興味がある方はぜひチェックしてください。
米油は玄米由来の栄養素をたっぷり含むので、ドレッシングなどの生食ではもちろん、加熱調理にもおすすめです。揚げ物をする際に、種や衣から水分が蒸発して泡立つことで揚げムラや油っぽさが生じることがありますが、米油はコーン油に次いで泡立ちにくいため、揚げ物がカラッと揚がり、油っぽくなったり揚げムラができたりしにくいです。また、無味なので、材料・素材の邪魔をしません。
・ビタミンE
・トコトリエノール(スーパービタミンE→ビタミンEの10倍
・植物ステロール
・γ-オリザノール ・オレイン酸
・リノール酸
オレイン酸には、悪玉コレステロールの値を低下させる働きがあるとされています。また、リノール酸には血中コレステロール値を減らし、動脈硬化を防ぐ働きがあるとされています。ビタミンEの抗酸化作用は有名で、細胞が酸化するのを防ぐ働きがありますが、米油にはさらに抗酸化作用の強い「スーパービタミンE」とも呼ばれる「トコトリエノール」も含まれています。
植物ステロールは、コレステロールの吸収を抑える成分が含まれているとされますが、米油には他の油と比べて多くの植物ステロールが含まれています。γ-オリザノールは米油特有の栄養素で、更年期障害や胃腸神経症などの改善に効果があるとされています。
しかし、米油は菜種油や紅花油などと比べてこれらの物質の発生量が少ないため、油酔いしにくく、部屋に嫌なニオイが充満しにくいのです。また、鍋や皿に油がこびりつきにくいので、いわゆる油かすが少ないのもメリット。調理後、鍋やお皿を洗うのもラクです。
また、米油にはクセのあるニオイがないことから、ドレッシングにしたり、おひたし・冷奴・煮物などにもちょい足ししてみたりするのも良いでしょう。味がまろやかになり、素材や他の調味料の味を引き立ててくれます。
つまり、抽出法で製造された米油であっても、ノルマルヘキサンが体内に入るわけではないので、安心して良いでしょう。また、圧搾法ならそもそもノルマルヘキサンを使わないので、安全です。
ごはん彩々でも米油を取り扱っているので、ぜひ試してみてください。
BOSO 米油
夏越しごはんでも米油はおすすめ!ぜひ使ってみてください。
米油ってどんな油のこと?
米油は、玄米を精米してできる米ぬかから生まれた植物油のこと。つまり、お米をたくさん食べないと(精米しないと)、必要な糠がとれないのです。米油は玄米由来の栄養素をたっぷり含むので、ドレッシングなどの生食ではもちろん、加熱調理にもおすすめです。揚げ物をする際に、種や衣から水分が蒸発して泡立つことで揚げムラや油っぽさが生じることがありますが、米油はコーン油に次いで泡立ちにくいため、揚げ物がカラッと揚がり、油っぽくなったり揚げムラができたりしにくいです。また、無味なので、材料・素材の邪魔をしません。
米油に含まれる栄養分
米油には、以下のような栄養分が含まれています。・ビタミンE
・トコトリエノール(スーパービタミンE→ビタミンEの10倍
・植物ステロール
・γ-オリザノール ・オレイン酸
・リノール酸
オレイン酸には、悪玉コレステロールの値を低下させる働きがあるとされています。また、リノール酸には血中コレステロール値を減らし、動脈硬化を防ぐ働きがあるとされています。ビタミンEの抗酸化作用は有名で、細胞が酸化するのを防ぐ働きがありますが、米油にはさらに抗酸化作用の強い「スーパービタミンE」とも呼ばれる「トコトリエノール」も含まれています。
植物ステロールは、コレステロールの吸収を抑える成分が含まれているとされますが、米油には他の油と比べて多くの植物ステロールが含まれています。γ-オリザノールは米油特有の栄養素で、更年期障害や胃腸神経症などの改善に効果があるとされています。
米油のメリット
米油には、以下の3つのメリットがあります。
油酔いしにくく、洗うのが楽
揚げ物をすると、その時の油の匂いで食欲が減る「油酔い」という現象が起こることがあります。これは加熱によって「アクロレイン」という油酔いを引き起こす物質や、青臭い匂いを出す「プロパナール」という物質の発生が原因です。しかし、米油は菜種油や紅花油などと比べてこれらの物質の発生量が少ないため、油酔いしにくく、部屋に嫌なニオイが充満しにくいのです。また、鍋や皿に油がこびりつきにくいので、いわゆる油かすが少ないのもメリット。調理後、鍋やお皿を洗うのもラクです。
酸化しにくく、クセがない
米油は他の油と比べて時間が経っても酸化しにくく、揚げ物のイヤなニオイが発生しにくいです。これは抗酸化物質であるビタミンEやスーパービタミンEなどが多いことなどに由来すると考えられています。そのため、お弁当など時間が経ってから食べるものにもおすすめです。また、米油にはクセのあるニオイがないことから、ドレッシングにしたり、おひたし・冷奴・煮物などにもちょい足ししてみたりするのも良いでしょう。味がまろやかになり、素材や他の調味料の味を引き立ててくれます。
国産の原料のみで作られているものも多い
米油は、原料が国内のみで賄えるものが多く、安全な国産100%の原料で食べられる油でもあります。
米油のデメリット
メリットの多い米油ですが、いくつかデメリットもあります。
抽出法で使われる化学物質
米油の抽出法には、圧搾法、抽出法、圧抽法の3種類があります。このうち、抽出法を使う時、「ノルマルヘキサン」という人体に有害な化学物質を使うことで、身体に悪いのではないかと考えられています。しかし、ノルマルヘキサンで抽出した後は高温で蒸発させるため、このときにノルマルヘキサンに関する成分は蒸発してなくなります。つまり、抽出法で製造された米油であっても、ノルマルヘキサンが体内に入るわけではないので、安心して良いでしょう。また、圧搾法ならそもそもノルマルヘキサンを使わないので、安全です。
トランス脂肪酸が含まれている
米油には、大量に摂取すると人体に害を及ぼす「トランス脂肪酸」が含まれています。しかし、トランス脂肪酸が人体に害を及ぼすような量を米油に換算すると、1日に100g以上の米油を摂取しなくてはなりません。毎日それほどの量を摂取することはまずないので、一般的な使い方で米油を摂取するだけであれば、トランス脂肪酸については必要以上に気にしなくても良いでしょう。
価格が高い傾向にある
米油は大量生産が難しく、価格が高めになりやすいです。玄米100kgを原料として抽出法で米油を摂取すると、約1kgしかとれません。圧搾法ではさらに少なくなります。そのため、どうしても他の油と比べて高くなりやすいのが難点です。
米油の抽出方法
米油の抽出方法には、ケミカル製法と、昔ながらの圧搾製法があります。
抽出法・圧抽法
ケミカル製法の中には、抽出法と圧抽法があります。抽出法とは、化学溶剤を使って油を抽出し、さらに200℃以上の高温で処理するものです。圧抽法は、昔ながらの圧搾製法で絞りきれなかった油分を、抽出法のように化学溶剤を使って抽出するものです。処理の途中で化学溶剤を使うものの、製品に残るわけではありません。
圧搾製法・スチームリファイニング製法
名前の通り、圧力をかけて油を搾り取るのが圧搾製法です。圧搾だけで米油を摂ろうとすると非常に難しく、良質な分、高価になりやすいのです。そこで、圧搾したのち「スチームリファイニング装置」という蒸留・脱酸のための装置を使い、高温・真空状態でニオイや遊離脂肪酸を除去する製法が値段も手頃になりやすく、ノンケミカルでおすすめです。ごはん彩々でも米油を取り扱っているので、ぜひ試してみてください。
BOSO 米油
夏越しごはんでも米油はおすすめ!ぜひ使ってみてください。
まとめ
米油は玄米由来の栄養素をたっぷり含み、抗酸化物質が多く含まれるので酸化しにくく、油酔いしにくいほか、洗うのもラクで時間が経ってから食べるお弁当などにもおすすめです。価格が高いことなどに若干のデメリットがありますが、トランス脂肪酸の100g中の量はサラダ油等よりも少なく、悪玉コレステロールを減らしたり、細胞の酸化を防いだりするメリットの多い米油を一度試してみてはいかがでしょうか。(おいしいごはん研究チーム)
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