米は5kgずつ買うのが正解!一人が1カ月に食べるお米の量も解説
スーパーやネット通販では、10kg・5kg・2kgなど、いろいろな量のお米が販売されています。みなさんは、いつも何kgのお米を買っていますか?「どうせ食べるのなら量の多い方がお得だ」という考えで選ぶと、かえって損をすることがあるので注意しましょう。
今回は、1人が1カ月に食べるお米の量や、何kgのお米を購入するのが正解なのか解説します。
日本人の主食であるお米ですが、その消費量は減少し続けています。米離れは深刻な社会問題であり、政府は消費拡大のため、若者世帯に向けてさまざま対策を行っています。では、現在1人が1年間に食べるお米の量はどのくらいなのでしょうか。
農林水産省が公表した資料によると、日本における主食用米の需要量は、平成8~9年に944万トンありました。しかし近年では、年に8万~10万トンのペースで減少しており、令和4~5年には691万トンになっています。
1人あたりのお米の消費量を見ると、昭和37(1962)年をピークに減少傾向にあります。ピークの時には1人が消費するお米の量は年間で約118.3kgでしたが、令和4(2022)年には年間約50.9kgまで減少してしまったのです。
お米の消費量が減少した理由としては、食生活の欧米化に加え、人口の減少や高齢化によって食が細くなった人が増えていることなど、複数の要因が組み合わさっています。最近では糖質ダイエットブームにより、糖質が多いごはんやパン、麺類の摂取を控える人も少なくありません。
参考:農林水産省「①我が国における米の状況」
参考:農林水産省「お米の1人当たりの消費量はどのくらいですか。」
前章で紹介した通り、1人が1年間に消費するお米の量は約50.9kgです。これを1カ月に換算すると約4.2kgになります。
お米1合の重さは、炊飯前で約150gです。お米1合を炊くと300〜350gのごはんになり、お茶碗に普通盛りで約2杯分です。1日にお茶碗で2杯分のごはんを食べると、1カ月に約5kgのお米を消費する計算になります。
前章で解説した通り、1人が1カ月に食べるお米は平均すると5kg以下です。例えば10kgのお米が手元にある場合には、食べ切るまでに2カ月以上かかりますが、果たして食べても大丈夫なのでしょうか。
お米に「消費期限」や「賞味期限」はあるのでしょうか。結論から言うと、お米には「消費期限」や「賞味期限」はありません。お米は野菜と同じ生鮮食品で、鶏卵など一部のものを除き、生鮮食品には「消費期限」や「賞味期限」を記載する義務がありません。
一方で、お米を販売する際には、袋に精米時期を表示することが食品表示基準に定められています。お米は精米すると、表面のぬか層が取り除かれるため、水分の減少や酸化が進みやすくなります。気温や湿度、保存状況などの条件によりますが、一般的に精米してから1カ月程度がお米をおいしく食べられる目安とされています。
最近では、お米の劣化を最小限に抑えられる真空パックされたお米も登場しています。未開封であれば、常温で約1年間、冷蔵庫で約2年間は鮮度が保持できるため、災害時の備蓄用としても便利です。
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これまで、1人が1カ月に消費するお米の量や、お米がおいしく食べられる期間について解説してきました。それらを踏まえ、一人暮らしや夫婦のみの少人数世帯では、どのくらいのペースでお米を購入したら良いのでしょうか。
農林水産省が公表した「平成26年度主食用米消費動向の中期的変化及びその要因分析調査」によると「ごはん類より短時間で食べられるから」や「ごはん類は準備や片づけに
時間や手間がかかるから」という理由で、ごはん以外を主食に選ぶ方が多くいることが分かかりました。
1人が1カ月に消費するお米の量は平均で約4.2kg、2人では約8.4kgになります。しかし、1人暮らしや夫婦共働き世帯の場合、忙しくてごはんを炊く時間や手間が取れないという理由により、家で消費するお米の量が平均よりも少ないということが考えられます。また、中には外食する機会が多い方もいるでしょう。
お米を購入する際は、1カ月に食べきれるお米の量を考えて選びましょう。スーパーやネット通販では5kg以外にも、1~2kgといった少ない量からも販売されています。
参考:農林水産省 「めざましごはんについて」
少量の単位で購入しても、自宅で食事をする機会が少なかったなど、さまざまな理由で食べきれない場合もあるかもしれません。そんなときは、できるだけ鮮度を保持できる状態でお米を保存しましょう。
お米の保存場所として最適なのは、高温多湿で直射日光を避けた場所です。中でもおすすめは、冷蔵庫の野菜室です。また、密閉容器やファスナー付き保存袋などに入れると、ニオイ移りを防ぐことができます。
お米は、野菜と同じ生鮮食品です。精米後は酸化して品質が落ちるため、早く食べきるようにしましょう。おいしく食べることができる目安は、精米後1〜2カ月です。それまでに食べきれるよう、5kg未満の袋で少量ずつ購入するのがおすすめです。
(おいしいごはん研究チーム)
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