【特集第25弾:山口のお米】特徴やおすすめのお米をご紹介!

山口県は、日本海や瀬戸内海に囲まれて、中央部には東西に中国山地が走っています。温暖な気候ですが、地域によって環境が大きく違います。そのため山口県では、さまざま品種を気候・風土に応じて作る適地・適作で米づくりを行っています。

 

今回は、山口県で主に栽培されているお米の品種や県オリジナルの品種について紹介します。

山口県の農業とお米づくり

日本海と瀬戸内海に面した山口県は、下関のフグやアンコウ、宇部のワタリガニなどが有名ですが、温和な気候を生かして農業も盛んに行われています。

山口県の地理や気候

山口県は、本州の最西端に位置しており、北は日本海、西は日本海の響灘、南は瀬戸内海の周防灘と三方を海に囲まれています。面積は、約6,112km2で全国23位です。

 

気候は、中国山地を中心にして、大きく瀬戸内海沿岸地域、内陸山間地域、日本海沿岸地域の3つに分けられます。全体的には太平洋側気候ですが、日本海側から内陸部にかけては日本海側気候で、冬には曇りの日が多く積雪量も比較的多め、年平均気温は13℃前後と寒冷な気候となります。瀬戸内海側は、瀬戸内海式気候で一年を通じて雨が少なく、年平均気温は15℃前後と比較的温暖な気候です。 

山口県の農業の特徴

山口県は、比較的温暖な気候と多彩な地理的・地形的に恵まれていて、米や野菜、花き、果樹、酪農、肉用牛、養鶏、養豚など、地域の特色を生かしてさまざまな農業が行われています。特に、冬でも温暖な沿岸部では、野菜や花きなどの施設栽培やミカン、夏でも冷涼な山間部では、夏秋トマトやワサビ、リンゴなどが栽培されています。

山口県の米づくりは適地・適作

山口県は、一般に温暖な土地柄ですが、地域によって環境が大きく違うという特徴があります。そのため、極早期から晩生までさまざまな品種のお米を、地域の気候や風土に応じて作る「適地・適作」で米づくりが行われています。山口県の農業産出額は約643億円(全国39位)で、そのうち米の農業産出額は約176億円(全国28位)で約3割を占めています。

 

  • 中山間地域:島根県・広島県との県境に位置する地帯

コシヒカリ、きぬむすめ、晴るるの主な産地

 

  • 中間・平坦地域:日本海の平坦部や、山口県の中央部を横断する地帯

ひとめぼれの主な産地

 

  • 瀬戸内沿岸地域:瀬戸内海の沿岸地帯

温暖な気候でヒノヒカリの主な産地

 

参考:農林水産省「山口県の農林水産業の概要」

山口県で栽培されている主なお米の品種

 

山口県で作付けされているお米の品種(令和5年産)は、1位が「コシヒカリ(29.0%)」、2位が「ひとめぼれ(22.9%)」、3位が「ヒノヒカリ(17.3%)」で、3つの品種を合計すると69.2%です。それぞれの品種の特徴について紹介します。


コシヒカリ

「コシヒカリ」は、全品種のおよそ3分の1(作付け割合33.1%)と日本でもっとも多く作付けされているお米の品種です。「コシヒカリ」が命名登録されたのは昭和31(1956)年と、60年以上経つ古い品種で、山口県でも昭和35年ごろから栽培されています。

 

現在でも、中山間地域を中心に山口県全域で栽培されていて、県内で作付けされている面積の約3割を占める主要品種です。粘りと甘みが強く、炊きあがりのツヤや香りが素晴らしいという特徴があります。

ひとめぼれ

「ひとめぼれ」は、全国での作付け割合が「コシヒカリ」に次ぐ第2位(作付け割合8.3%)の品種で、山口県でも2番目に多く作付けされています。中山間地域を中心に県内全域で広く栽培されていて、山口県は西日本で最大の産地となっています。 

粘りやうまみ、甘み、ツヤ、香りのバランスがよく、いろいろな料理に合うお米です。

ヒノヒカリ

「ヒノヒカリ」は、九州や中国地方を中心に栽培されていて、東の横綱「コシヒカリ」に対して西の横綱と呼ばれている品種です。山口県では主に瀬戸内海沿岸で栽培されています。「コシヒカリ」と「黄金晴」の交配で開発されたことから、「コシヒカリ」の粘りや甘みを受け継いでいます。炊き立てはもちろん、冷めてもおいしいことから、お弁当やおにぎりにもおすすめです。

 

参考:米穀安定供給確保支援機構「令和5年産 水稲の品種別作付動向について」

山口県で栽培されているほかのお米の品種

山口県では、「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」、「ヒノヒカリ」のほかにも、地理的条件や気候に合わせてさまざま品種のお米が栽培されています。その中から、主な品種の特徴について紹介します。

晴るる

「晴るる」は、山口県農業試験場の徳佐寒冷地分場において、「ヤマホウシ」に「コシヒカリ」を交配し選抜育成した山口県オリジナルの品種で、平成9(1997)年に山口県の奨励品種に採用されました。中山間地域での栽培に向いていて、「コシヒカリ」の食味のよさと「ヤマホウシ」のツヤを併せ持っています。

 

「晴るる」という名前は、95代花園天皇の歌の一節「夕立の雲飛びわくる白鷲のつばさにかけて晴るる日の影」から名付けられ、夏の炎天下でも豊かに育ってほしいという願いが込められています。

きぬむすめ

「きぬむすめ」は、農研機構九州沖縄農業研究センターが、「キヌヒカリ」と「愛知92号(祭り晴)」を交配育成した品種で、良食味品種「キヌヒカリ」の後代から生まれた優良品種となることを願って「きぬむすめ」と命名されました。山口県では平成21(2009)年に奨励品種に採用されています。

 

中国地方を中心に西日本で生産されており、山口県でも中山間地域で栽培されています。炊きあがりのごはんは、絹のような白さとツヤ、粘りがある品質に優れた良食味米です。

 

恋の予感

「恋の予感」は、農研機構近畿中国四国農業研究センターが、「きぬむすめ」と「中国178号」を交配育成した品種です。高温でも品質が優れ、良食味で多収が特徴の品種で、近年高温の影響で品質の低下が問題となっている「ヒノヒカリ」に代わる品種として期待されています。

 

「恋の予感」という名前は、一般公募から選定され「ひとたび食すると恋するようなときめきや情熱のあるお米」になることを願って名付けられました。

まとめ

山口県では、さまざま品種を気候・風土に応じて作る適地・適作で米づくりを行っています。主に栽培されているのは「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」、「ヒノヒカリ」といった品種ですが、最近では山口県オリジナルの「晴るる」も登場しています。ほかにもいろいろお米が収穫されているので、ぜひ食べ比べてみてください。

 

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(おいしいごはん研究チーム)2025.2.13

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