【特集第24弾:群馬のお米】特徴やおすすめのお米をご紹介!

日本のほぼ中央に位置する群馬県は、県の西と北には山々が連なり、南東部には関東平野が広がる内陸の県です。
標高差のある地形や気候の違いを生かして、それぞれの地域に適した品種のお米が栽培されています。
今回は、群馬県で作付けされているお米の品種と特徴について紹介します。

群馬県では、恵まれた自然環境や大消費地に近い立地条件などを生かして、野菜や畜産など多彩な農業が県内各地で営まれています。
群馬県の地理や気候
群馬県は、関東地方の北西部に位置しており、面積は約6,362km2で全国21位です。南東部には、利根川と渡良瀬川に挟まれる低平地が広がっていますが、この地域を除くと、県土の約3分の2は山地や丘陵地で占められており、非常に変化に富んだ地形です。
新潟県、福島県、栃木県、埼玉県、長野県の5県に囲まれ海を持たない「内陸県」で、平野部は太平洋側気候に加えて、内陸に位置するため夏はとても暑くなります。一方で冬は、「空っ風」と呼ばれる冷たく乾燥した強い季節風が吹きます。山間部では、夏でも冷涼な気候を生かして、夏秋キャベツの栽培が盛んです。
群馬県の農業の特徴
群馬県では、標高差による気候の違いを生かして、さまざまな作物が年間を通じて栽培されています。
農業産出額は、約2,404億円で全国12位(令和3年)です。特に野菜は、大消費地に近いという立地条件を生かして多彩な種類が栽培され、野菜の農業産出額は全国6位(約891億円)です。中でも多く栽培されている野菜には、キャベツ(収穫量全国1位)、きゅうり(収穫量全国2位)、こんにゃくいも(収穫量全国1位)、ほうれんそう(収穫量全国2位)などがあります。
群馬県のお米がおいしい理由
群馬県では、東部に位置する標高10m程度の平坦地域から、北部中山間地域の1,000mの地帯にわたって米づくりが行われています。平坦部では米と麦の二毛作、北部の利根・吾妻地区ではブランド米を中心としたおいしいお米づくりといったように、気候や標高によってそれぞれの地域にもっとも適した品種が作付けされています。
- 群馬県の主なブランド米
地域 |
ブランド米 |
中部 |
Milkycherie81、Milkycherie86 |
西部 |
ホタルのささやき、はんでえ米、倉渕育ち清流米、坂本のコメ、碓氷の米、秋間の米 |
吾妻 |
花ゆかり、嬬恋米、月あかね、さくや姫 |
利根沼田 |
田んぼの王様、利根きらり(無洗米)、真田のコシヒカリ 小松姫、お利根ちゃん~実にうんまい!!~、水月夜、雪ほたか |
東部 |
くろほの雫 |
群馬県で栽培されている主なお米の品種

群馬県で作付けされているお米の品種(令和5年産)で、1位はあさひの夢(42.0%)、2位はコシヒカリ(23.9%)、3位はひとめぼれ(12.7%)で3品種を合計すると78.6%でした。それぞれの品種の特徴について紹介します。
あさひの夢
「あさひの夢」は、愛知県総合農業試験場で「愛知70号」を母に、「愛知56号」と「愛知65号」のF1を父として交配育成した品種です。品種登録出願が行われたのは、平成8(1996)年で、現在全国の品種別作付け割合では13位(1.2%)で、主に群馬県、栃木県、茨城県の関東で栽培されています。
収量性、耐病性、耐倒伏性などに優れていて栽培しやすいのが特徴で、群馬県内では、主に中・東部で作付けされています。やや大粒でさっぱりとした味わいで、外食や中食の業務用としても人気です。
「コシヒカリ」は、品種別作付け割合が33.1%(令和5年産)で、全品種の約3分の1と全国でもっとも栽培されているお米の品種です。粘りが強く、食味がよいのが特徴で、群馬県では県内全域で栽培されています。中でも利根沼田や吾妻地域ではさまざまな「コシヒカリ」のブランド米があります。
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「ひとめぼれ」は、全国の品種別作付け割合がコシヒカリに次ぐ2位(8.3%)の品種で、県内全域で栽培されています。コシヒカリと比べると寒さに強いことから、嬬恋などの高冷地帯でも栽培されています。ほどよい粘りで粒立ちがよく、食味がよいのが特徴です。
参考:米穀安定供給確保支援機構「令和5年産 水稲の品種別作付動向について」
群馬県で栽培されているほかのお米の品種
群馬県では、気候や標高によってそれぞれの地域にもっとも適した品種が作付けされています。
代表的な品種とその特徴について紹介します。
ゆめまつり
「ゆめまつり」は、愛知県農業総合試験場で「あさひの夢」を母に、「大地の風」を父として交配育成された品種です。群馬県では主に東毛地域・西毛地域で栽培されています。「あさひの夢」と比べて病害虫に強く、ほどよい粘りとあっさりした味わいが特徴です。
いなほっこり
「いなほっこり」は、農研機構西日本農業研究センターが「中国186号」を母に「中系2826」を父として交配育成した品種で、平成29(2017)年に群馬県の奨励品種に採用され、主に中・東部で栽培されています。高温でも品質が安定していて、食味がよいのが特徴です。
にじのきらめき
「にじのきらめき」は、平成30(2018)年に農研機構中日本農業研究センターで育成された品種です。やや大粒で食味はコシヒカリと同等程度によく、コシヒカリと比べて高温に強く、15%(標肥)から30%(多肥)多く収穫できます。令和3(2021)年に群馬県の奨励品種として採用されました。
平成5(1993)年に群馬県の奨励品種に採用されました。二毛作に向いた品種で、粒が大きく食味がよいことから、関東甲信越、中四国などでも栽培されるようになりました。
地形の変化に富んだ群馬県は、標高10m程度の平坦地域から、1000mの地帯に渡って米づくりが行われています。気候や標高によって、それぞれの地域にもっとも適した品種が作付けされており、いろいろな品種やブランドのお米を楽しめます。ぜひ、食べ比べしてみてください。
(おいしいごはん研究チーム)2025.2.12
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