令和元年産「つや姫」の刈取りが始まりました!
心地よい秋晴れの中、遠藤五一さんの田んぼで「つや姫」の刈取りがスタートしました。黄金色に輝く遠藤さんの田んぼには、トンボやイナゴが飛んでいて、今年もおいしいお米ができそうです!実りの喜びを感じながら刈取り作業をする遠藤さんを取材してきました。
刈取り前に乾燥機の点検と清掃をする遠藤さん
イネ刈りは、朝早くからというイメージがあります。しかし、遠藤さんは、朝露がなくなる9時すぎから刈取りを開始します。これは、地面が柔らかい状態だと刈取り作業が遅れるうえに、水分が「もみ」についていると「刈取った後の乾燥時間が長くなりすぎ、お米に余計な負担をかけてしまう」からと説明してくれました。朝露がなくなるまでの間、遠藤さんは、刈取った後の「もみ」を乾燥機や貯蔵室に入れるための清掃など搬入準備を念入りに行います。
お孫さんが見守る中、コンバインを操作する遠藤さん
ワゴン車よりも大きなコンバイン(イネ刈りと脱穀を同時に行う機械)を軽快に操作し、家族が見守る中、テンポ良くイネを刈る遠藤さん。田んぼは、あっという間に刈取られ、後にはワラや切り株が残ります。「もみ」がコンバインのタンクにいっぱいになると、息子の優一さんが待つ軽トラックの荷台へコンベアパイプがスルスルと伸び、勢いよく「もみ」を移し替えます。その荷台が「もみ」でいっぱいになった後、急いで乾燥機に運び込み、再び刈取り中の田んぼに横付けし移し替えに入ります。これを1日に何度も繰り返します。
遠藤親子の息の合った作業が続くその傍らで、お孫さんが『じぃじ、じぃじ~♪』と応援。すっかり心が癒されました。
刈取り後、コンバインのタンクを念入りに清掃する遠藤親子
午前中をかけてやっと刈取りが終わったところ、コンバインの清掃を始める遠藤さん。他の品種との混入(コンタミ)を避けるため、タンクにまだ残っている「もみ」をすべて取り除きます。また、乾燥機に移した後の軽トラックの荷台も念入りに清掃します。遠藤さんは、お客様からの信頼を高めるため、細部まで徹底的に注意し混入を防いでいました。
24時間以上かけてゆっくり低温乾燥させます
脱穀された「もみ」には水分が含まれているため、そのままだと「もみ」は発酵してしまいます。そのため、専用の乾燥機を使って「もみ」を乾燥させます。乾燥機とは、水分量を監視しながら指定した水分量になるまで「もみ」を乾燥させる機械です。
「もみ」の乾燥は、大切に育ててきたお米の品質を左右する重要な工程です。機械にもこだわる遠藤さんは、お米の風味を落とさないように遠赤外線を用いた乾燥機を使います。「もみ」が乾燥機を循環する際にムラなく水分の蒸発を促し、食味や香りを落とさず乾燥できるそうです(通常の熱風式乾燥機は、「もみ」の表面に熱風を当てるため、表面と中心部に温度差が発生し胴割れが起こり、食味が落ちるとの事)。また、急激な乾燥は、「もみ」の胴割れを起こし食味が落ちるため、遠藤さんは計器を確認しながら24時間以上かけてゆっくりと低温乾燥させます。
この後は、「もみ」の殻を分ける「もみ摺り(すり)」の作業が行われます。しかし、時間の関係で残念ながら取材はここまで。お忙しい中、取材に応じていただきありがとうございました。おいしいお米の秘訣は、栽培方法だけでなく、細かいところにも配慮している遠藤さんのおかげだと今回の取材で改めて分かりました。10月半ばに販売される遠藤さんの「つや姫」を楽しみにしています!
遠藤五一さんからお便りが届きました。イネに小さな白い花が咲いたようです。