おめでたいことがあると「お赤飯を炊かなくちゃ」と言うのを聞いたことはありませんか?現代ではこのように、お祝い事の席で食べるご飯として定着している赤飯ですが、そもそもなぜお祝いの席で赤飯なのでしょうか。今回は、赤飯が持つ意味や歴史、どんな席で食べられるのかに注目しながら、お赤飯のルーツを探りましょう。
一般的に主食としてよく食べられる「うるち米」ではないため、もち米を蒸した「おこわ」に分類されます。小豆やささげ豆の色がゆで汁に移り、さらにそれがもち米に吸収されるため、全体的に赤みを帯びた色になるのです。
煮汁の中には、小豆のポリフェノールなど体に嬉しい成分も含まれています。煮汁をしっかりお米に吸わせることで、豆の栄養分を余す所なく摂取できる、健康にも嬉しいおこわです。
赤飯のパワーについては、ぜひこちらの記事も合わせてチェックしてください。
「赤飯の効果にはどんなものがある?貧血や疲労回復に良いって本当?」
また、関東地方では小豆の代わりに「ささげ豆」が広く使われてきました。これは、皮の薄い小豆が胴の部分で真っ二つに割れる様子に「切腹」が連想される、として武士の多い関東では「縁起が悪い」と好まれなかったことに由来します。ささげ豆は皮が分厚いので、小豆のように簡単に割れません。この風習が現在でも色濃く残り、関東のお赤飯はささげ豆を使うところが多いようです。
ささげ豆:鮮やかな赤色で豆の風味や食感を楽しめる、硬めで香りの強い赤飯に
小豆:優しい色合いで柔らかく炊き上がった豆ともち米を味わえる、穏やかな香りの赤飯に
どちらも同じ種類の豆なので、味や食感に多少の違いはあるものの、似た風味のおこわになります。お好みで食べ比べてみるのも良いですね。
現代の小豆やささげ豆を使う赤飯のルーツとしては、平安中期ごろ「枕草子」に「小豆粥」として原形が登場します。お祝いの席で食べられるようになったのは室町時代で、さらに時代が下って江戸時代後期には、一般庶民の家庭でも「ハレの日の食事」として広まりました。
江戸時代には「江戸病」とも呼ばれた脚気(ビタミンB1不足)を解消するため、赤飯や小豆飯が健康に良い、としてこのように広まったと考えられています。
・帯祝い、出産祝い、誕生祝い
・初節句、お食い初め、七五三
・入学や卒業祝い、就職祝い、成人祝い
・還暦や古希、米寿など長寿のお祝い
また、11月23日は赤飯分化啓発協会が定めた「お赤飯の日」です。この日はもともと「新嘗祭(にいなめさい)」として、古くからその年の五穀の収穫を感謝する宮中行事が行われていました。五穀の中に赤飯のルーツである「赤米」が含まれることもあり、2012年(平成24年)に制定されたのが「お赤飯の日」です。
お赤飯の日について、詳しくはこちらの記事をチェック!
「お赤飯の日って?」
ごはん彩々では、炊くだけで簡単にできるお赤飯も取り扱っています。ぜひ、お祝いの席や日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
「とがずに炊ける無洗米お赤飯(北海道産小豆使用)」
赤飯とは?
そもそもお赤飯とは、どんなごはんのことを指すのでしょうか。まずは、お赤飯の定義や使われている食材についてお話します。
赤飯はどんなご飯のこと?
お赤飯とは、名前の通り見た目が赤く、豆を一緒に炊き込んだごはんのこと。材料としては「もち米+小豆orささげ豆」を使うところがほとんどですが、地方によって異なる場合もあります。一般的に主食としてよく食べられる「うるち米」ではないため、もち米を蒸した「おこわ」に分類されます。小豆やささげ豆の色がゆで汁に移り、さらにそれがもち米に吸収されるため、全体的に赤みを帯びた色になるのです。
煮汁の中には、小豆のポリフェノールなど体に嬉しい成分も含まれています。煮汁をしっかりお米に吸わせることで、豆の栄養分を余す所なく摂取できる、健康にも嬉しいおこわです。
赤飯のパワーについては、ぜひこちらの記事も合わせてチェックしてください。
「赤飯の効果にはどんなものがある?貧血や疲労回復に良いって本当?」
豆の種類は様々
北海道や青森県の一部では、甘納豆を赤飯に入れる風習があったり、千葉県では、特産物である落花生が用いられたりと、使われる豆の種類やアレンジには、地方によってさまざまなケースがあります。また、関東地方では小豆の代わりに「ささげ豆」が広く使われてきました。これは、皮の薄い小豆が胴の部分で真っ二つに割れる様子に「切腹」が連想される、として武士の多い関東では「縁起が悪い」と好まれなかったことに由来します。ささげ豆は皮が分厚いので、小豆のように簡単に割れません。この風習が現在でも色濃く残り、関東のお赤飯はささげ豆を使うところが多いようです。
ささげ豆と小豆を使った赤飯、どう違う?
ささげ豆と小豆を使ったお赤飯の違いは、それぞれ以下のようになっています。ささげ豆:鮮やかな赤色で豆の風味や食感を楽しめる、硬めで香りの強い赤飯に
小豆:優しい色合いで柔らかく炊き上がった豆ともち米を味わえる、穏やかな香りの赤飯に
どちらも同じ種類の豆なので、味や食感に多少の違いはあるものの、似た風味のおこわになります。お好みで食べ比べてみるのも良いですね。
赤飯の歴史
では、お赤飯はいつごろから食べられていたのでしょうか。また、なぜお祝いごとで食べるようになったのでしょうか。お赤飯の歴史も確認しておきましょう。
赤飯はいつから食べられていた?
初めに食べられていた赤飯は小豆やささげ豆を使ったものではなく、「赤米」というインディカ米を蒸したものだったとされています。赤米は、縄文時代に初めて中国大陸から日本に伝わってきたお米で、炊きあがるとちょうど現代の赤飯のような色になるお米でした。現代の小豆やささげ豆を使う赤飯のルーツとしては、平安中期ごろ「枕草子」に「小豆粥」として原形が登場します。お祝いの席で食べられるようになったのは室町時代で、さらに時代が下って江戸時代後期には、一般庶民の家庭でも「ハレの日の食事」として広まりました。
江戸時代には「江戸病」とも呼ばれた脚気(ビタミンB1不足)を解消するため、赤飯や小豆飯が健康に良い、としてこのように広まったと考えられています。
お祝い事で赤飯を食べるのはなぜ?
日本では古くから赤い色には邪気を祓う力があると考えられており、加えてお米が高級な食べ物であったことから、神様に赤米を炊いて供える風習があったと考えられています。そこから災いを避ける、魔除けの意味でお祝いの席で振る舞われるようになりました。悪いことを返して福とする「縁起直し」として食べられることもあります。
赤飯はいつ食べる?
お赤飯は、以下のようなお祝い事の席で食べられることが多いです。・帯祝い、出産祝い、誕生祝い
・初節句、お食い初め、七五三
・入学や卒業祝い、就職祝い、成人祝い
・還暦や古希、米寿など長寿のお祝い
また、11月23日は赤飯分化啓発協会が定めた「お赤飯の日」です。この日はもともと「新嘗祭(にいなめさい)」として、古くからその年の五穀の収穫を感謝する宮中行事が行われていました。五穀の中に赤飯のルーツである「赤米」が含まれることもあり、2012年(平成24年)に制定されたのが「お赤飯の日」です。
お赤飯の日について、詳しくはこちらの記事をチェック!
「お赤飯の日って?」
ごはん彩々では、炊くだけで簡単にできるお赤飯も取り扱っています。ぜひ、お祝いの席や日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
「とがずに炊ける無洗米お赤飯(北海道産小豆使用)」
まとめ
赤飯とは小豆やささげ豆ともち米を蒸した「おこわ」のこと。最初は「赤米」と呼ばれるインディカ米を蒸したものでしたが、「小豆粥」などから徐々に現在の形になりました。お祝い事として定着したのは江戸時代後期のことです。また、11月23日はお赤飯の日と定められています。ぜひ、日本伝統の食文化を味わってみてくださいね。
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