近年、さまざまな食品に含まれており、ストレス軽減や健康に良い効果があるとされているGABA。発芽玄米にも多く含まれ、GABA摂取のために発芽玄米を食べると良いと考える向きもあるほどです。では、GABAとはどんな物質で、実際にどんな効果が期待できるのでしょうか。今回は、GABAとはどんな物質なのか、どんな効果があるのか、どんな食品に多いのかなどを解説します。

GABAとは
GABAとは、γ-アミノ酪酸を英語で表した「Gamma Amino Butyric Acid」の頭文字を取った略語です。普段から体内で作られるアミノ酸の一つで、人間はもちろん他の動物や植物の体内にも存在しています。1950年に哺乳類の脳から発見され、タンパク質を構成しないアミノ酸であり、体内で神経伝達物質として働いていることがわかっています。

神経伝達物質には神経を高めるものと抑えるものがありますが、GABAは神経の興奮を抑制する神経伝達物質です。近年ではストレスを緩和するためにという謳い文句で、さまざまな食品が登場しています。これは、GABAの働きによってストレスで交感神経が強く働くのを抑え、自律神経のバランスを整えリラックス効果をもたらすと言われているためです。

逆に、神経の興奮を高める物質にドーパミンやアドレナリン、グルタミン酸などがありますが、GABAはこのグルタミン酸から作られます。つまり、興奮系の神経伝達物質を消費して(なくして)抑制系の神経伝達物質が作られる(生じる)ことにより、自律神経のバランスを保つのに貢献できるのです。

お米の雑学でも、GABAについて紹介していますのでぜひご一読ください。
GABA(ギャバ)って聞いたけど、どんなものでしょうか?

GABAにはどんな効果があるの?
GABAには、以下の4つの効果があるとされています。

ストレス軽減
GABAを摂取すると、副交感神経の働きが過発になり、脳内の「α波」が増えて精神的な緊張を和らげてくれます。脳への酸素供給量を増やす働きもあるため、ストレスによって脳が酸欠になり、脳細胞がダメージを受けるのも防げます。また、強いストレスを受けたとき人は免疫力が低下しますが、GABAを摂取することで、ストレスを受けても免疫力の低下を抑えられることがわかってきました。

血圧の上昇を抑える
GABAを摂取すると、血管を通じて末梢臓器のノルアドレナリンによ る神経伝達を抑制し、血管の収縮を抑え血圧の上昇を予防する効果があると考えられます。GABAの血圧抑制効果については多数の研究からもわかってきており、高血圧の人にとっても血圧上昇を防ぎたい人にも嬉しい物質です。さらに、GABAは腎臓の働きを活発にして、血液中の塩分を排出し、利尿作用を促すことで血圧を下げる働きもあると言われています。

睡眠の質を高める
GABAを夜に摂取すると、自然な入眠ができたり、寝つきが良くなったりするとされています。不安やストレスなどが多く、交感神経が優位になってグルタミン酸が大量に分泌されると、脳の興奮状態が続いてしまい、眠れなくなってしまうのです。

しかし、GABAを摂取することで脳の興奮を抑え、副交感神経の働きを高めてリラックス効果を促せるため、寝つきが良くなるだけでなく睡眠の質も高められると考えられています。睡眠の質が上がるのは、血液中の成長ホルモン濃度が上がるためという研究報告もあります。

中性脂肪の燃焼を促進する
GABAはエネルギーの消費を高め、内臓の代謝を上げる働きがあるほか、血液中の中性脂肪やコレステロールにアプローチし、脂質の代謝を促せることもわかってきました。GABAによって肝臓のタンパク質合成が促されることで、エネルギー源として体内の脂質が消費されるのではないかと考えられています。また、これについてはGABAとタンパク質を一緒に摂取すると、さらに代謝が高まるともされています。

GABAが多い食品
GABAを多く含む食品には、発芽玄米や野菜があります。また、ビタミンB6を摂取すると、GABAが体内で作られやすくなります。

発芽玄米
発芽玄米とは、玄米を発芽させたお米のことです。白米に含まれるGABAは100gあたり約1mgなのに対し、発芽玄米に含まれるGABAは約15mgもあります。ごはん彩々では発芽玄米のおかゆを取り扱っているため、ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。

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野菜
トマト、なす、ケール、かぼちゃ、パプリカなどの野菜もGABAが多いです。例えばミニトマトなら100gあたり約35mg、なすなら100gあたり約32mgのGABAが含まれています。これらの野菜を摂取するのも良いでしょう。

ビタミンB6を摂取しよう!
GABAを体内で作るためには、ビタミンB6が欠かせません。そこで、ビタミンB6を多く含むマグロやカツオなどの魚類、ヒレ肉、ササミなどを摂取するとより効果的です。タンパク質をしっかり摂取するとさらに代謝が高まると前述しましたが、魚類や肉類はタンパク質も同時に摂取できておすすめです。

まとめ
GABAは神経の興奮を抑え、自律神経のバランスを整えてリラックス効果を促してくれる神経伝達物質の一つです。主にストレス軽減の効果で注目されていますが、血圧上昇を抑えたり、睡眠の質を高めたり、中性脂肪の燃焼を促進したりと健康に良いことがたくさんあります。GABAがたくさん含まれる物質には発芽玄米や野菜類があり、ビタミンB6を摂取するとより体内でGABAが作られやすくなります。ごはん彩々でも発芽玄米を取り扱っているので、ぜひ日々の食事に取り入れてみてください。(おいしいごはん研究チーム)
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