お米の収穫といえば稲刈りですが、稲刈りはいつ頃行われるのでしょうか。一般的にお米を収穫する時期は秋というイメージがありますが、実際に稲刈りを行う時期は地域や品種、気候などによって異なります。そこで、今回は各地域の稲刈りの時期、稲刈りに最適な時期を見極めるポイントや決め方について解説します。
とはいえ、一般的に稲の収穫時期は9月〜10月ごろで、この頃に稲刈りをする地域が多いようです。沖縄県では同じ水田で1年に2回お米を育てる「二期作」を行うため、その場合は時期がずれて少し早め(6月)と少し遅めの収穫をします。
稲刈りのタイミングを間違えると、収穫量や品質に影響してしまいますので、稲刈りのタイミングは慎重に見極める必要があります。早く刈りすぎると未熟なお米が多くなり、収穫量は減ってしまいます。一方、遅れると収穫量が増える代わり、熟れすぎてお米の色やツヤが悪くなり、品質や味わいが低下してしまうのです。
早生(わせ)品種…早く育ち、早く収穫できる品種。反面、収穫量は少なくなる。
中生(なかて)品種…早生品種と晩生品種のちょうど中間の性質を持った品種。
晩生(おくて)品種…遅く育ち、遅めに収穫する品種。反面、収穫量は多くなる。
出穂から40〜45日経過後とは、出穂してからの積算温度が1000度前後になった頃のことを指します。積算温度とは、毎日の平均気温の合計です。例えば、25度が10日続いた場合、25×10=250度と計算します。稲刈りまでの積算温度は、早生品種・中手品種・晩生品種でそれぞれだいたい以下のように違います。
早生品種…950〜1000度
中生品種…1000〜1050度
晩生品種…1050〜1100度
病害虫が原因で枯れた場合、黄金色にならず赤みがかった色に枯れます。そのため、きちんと黄金色になっているかどうかも重要です。籾の色の変化を基準に判断する方法は気候の影響を受けにくく、精度も高いため、積算温度よりもこちらの方が多く使われています。
実際には、畑すべてをくまなく見て回るのではなく、穂軸から枝が9本ほど生えているものを10本用意し、上位3〜4本目の枝の籾が全て黄色くなっているか見て判断します。8本が基準をクリアできていれば、80%になったということで、稲刈りに適した時期になったと考えられます。
そのため、雨が続くと収穫が遅れる傾向になります。場合によっては、長雨の前に刈り取ること(早刈)もあります。ただし、早刈の場合は未熟米が多くなったり、水分が多くなるため乾燥に時間が掛かったりと大変です。
また、近隣の田んぼとタイミングを合わせて、残った田んぼに虫などが集中しないようにしたり、共有しているコンバインを使いたい日が被らないようにしたりするといった事情もあるようです。
このように、刈り取りのタイミングを決めるのは非常に難しいのです。経験値かつ緻密な計算が必要な上、天候事情や人為的な事情も考慮して時には大胆な判断を行うことも必要となります。
なお稲刈りの手順などについては、「稲刈りの手順とは?事前準備から当日、収穫後の作業まで詳しくご紹介」をお読みください。
(おいしいごはん研究チーム)
全国の稲刈りの時期はいつ?
詳しくは後述しますが、稲刈りの時期を見極めるのは出穂(しゅっすい)の時期や籾(もみ)の変化、天候事情などによります。品種によっても異なることから、一概に都道府県でも地域でもくくることができません。とはいえ、一般的に稲の収穫時期は9月〜10月ごろで、この頃に稲刈りをする地域が多いようです。沖縄県では同じ水田で1年に2回お米を育てる「二期作」を行うため、その場合は時期がずれて少し早め(6月)と少し遅めの収穫をします。
稲刈りのタイミングを間違えると、収穫量や品質に影響してしまいますので、稲刈りのタイミングは慎重に見極める必要があります。早く刈りすぎると未熟なお米が多くなり、収穫量は減ってしまいます。一方、遅れると収穫量が増える代わり、熟れすぎてお米の色やツヤが悪くなり、品質や味わいが低下してしまうのです。
稲刈りの時期を見極めるポイント
では、実際に稲刈りの時期を見極めるポイントを2つ解説します。
出穂してから40〜45日くらい経った頃
稲の穂が出た「出穂」から40〜45日が経過したころに稲刈りをするのが一般的です。そのため、田植えから稲刈りまで、早い品種でだいたい90日となります。遅い品種だと120日程度かかるようです。早い品種か遅い品種か、またはその中間かで呼ばれ方や特徴が以下のように異なります。早生(わせ)品種…早く育ち、早く収穫できる品種。反面、収穫量は少なくなる。
中生(なかて)品種…早生品種と晩生品種のちょうど中間の性質を持った品種。
晩生(おくて)品種…遅く育ち、遅めに収穫する品種。反面、収穫量は多くなる。
出穂から40〜45日経過後とは、出穂してからの積算温度が1000度前後になった頃のことを指します。積算温度とは、毎日の平均気温の合計です。例えば、25度が10日続いた場合、25×10=250度と計算します。稲刈りまでの積算温度は、早生品種・中手品種・晩生品種でそれぞれだいたい以下のように違います。
早生品種…950〜1000度
中生品種…1000〜1050度
晩生品種…1050〜1100度
籾全体の85〜90%が黄色くなったら
籾(もみ)とは、稲の実の部分のことを指します。つまり、お米が実った状態は籾と言われるのです。 籾が完熟すると、枯れることで黄金色に変化します。ここから籾殻(もみがら)を取ると玄米に、玄米から糠(ぬか)や胚芽を取ると白米になります。田んぼがだいたい黄色くなったら、そろそろ稲刈りのタイミングです。病害虫が原因で枯れた場合、黄金色にならず赤みがかった色に枯れます。そのため、きちんと黄金色になっているかどうかも重要です。籾の色の変化を基準に判断する方法は気候の影響を受けにくく、精度も高いため、積算温度よりもこちらの方が多く使われています。
実際には、畑すべてをくまなく見て回るのではなく、穂軸から枝が9本ほど生えているものを10本用意し、上位3〜4本目の枝の籾が全て黄色くなっているか見て判断します。8本が基準をクリアできていれば、80%になったということで、稲刈りに適した時期になったと考えられます。
実際に稲刈りの実行日を決める考え方
最後に、実際に稲刈りを行う日を決める考え方を2つ紹介します。
品質や収穫量を優先する
品質を優先する場合、収穫に適した時期にしっかり合わせて稲刈りをするのが基本です。収穫に適した時期を過ぎると収穫量は増えますが、胴割れ米(粒に平面の亀裂が入った米。脱穀の際に砕けて機械に負担をかけやすく、色味も落ちる)が急増してしまい、品質が悪くなってしまいます。
天候事情
台風が来る前に刈るというのも重要です。せっかく実った稲も、台風で大打撃を受けてしまう可能性があります。水に浸ったがために、全滅してしまうかもしれません。また、台風でなくとも雨の日は田んぼの地盤が緩くなり、コンバインでの刈り取りができないのです。そのため、雨が続くと収穫が遅れる傾向になります。場合によっては、長雨の前に刈り取ること(早刈)もあります。ただし、早刈の場合は未熟米が多くなったり、水分が多くなるため乾燥に時間が掛かったりと大変です。
また、近隣の田んぼとタイミングを合わせて、残った田んぼに虫などが集中しないようにしたり、共有しているコンバインを使いたい日が被らないようにしたりするといった事情もあるようです。
このように、刈り取りのタイミングを決めるのは非常に難しいのです。経験値かつ緻密な計算が必要な上、天候事情や人為的な事情も考慮して時には大胆な判断を行うことも必要となります。
なお稲刈りの手順などについては、「稲刈りの手順とは?事前準備から当日、収穫後の作業まで詳しくご紹介」をお読みください。
まとめ
全国の稲刈りの時期の多くは秋ですが、二期作ができる沖縄では時期が異なることもあります。稲刈りの時期を決める方法は主に積算温度と籾の色の変化がありますが、近年では気候の影響を受けにくい籾の色の変化が優先される傾向です。実際の実行日は品質や収穫量、天候事情、人為的な事情などを鑑みて、経験値や計算などから判断します。(おいしいごはん研究チーム)
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