日本酒とは、お米を磨いて作る「清酒」のことを指し、アルコール度数は15%前後が一般的です。日本ではお米が主食として食べられてきたことから、そのお米を使ったお酒の製造も発展してきました。 今回は、日本酒の中でも原料や精米歩合などの要件を満たす「特定名称酒」を中心に日本酒の種類や違いを解説します。日本酒の美味しい地域や賞味期限についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
純米酒はさらに精米歩合(せいまいぶあい)で4つに分けられます。
精米歩合とは、精米されて残った部分を%で表したもののことです。一般的な食用米の精米歩合は90%ほどですが、お米の外側の部分はほとんどが脂質やタンパク質であり、お酒にとっては雑味になってしまいます。そこで、日本酒作りでは食用米よりもさらに表面を削り取る作業が必要になるのです。この精米作業のことを「磨く」と言い、精米歩合は数字が小さいほどよく磨かれている、つまり雑味が少なくよりお米本来の味わいが楽しめると言えます。
精米歩合によって分けられるランクは、以下の通りです。
・純米大吟醸…50%以下
・純米吟醸…60%以下
・特別純米…60%以下、または特別な製造方法
・純米…規定なし
純米大吟醸や純米吟醸は、後述する「吟醸造り」という製法を使って作られています。一方、特別純米の「特別な製造方法」とは、各酒蔵のこだわりによる製法のため、細かなルールや規定があるわけではありません。
・大吟醸…50%以下
・吟醸…60%以下
・特別本醸造…60%以下、または特別な製造方法
・本醸造…70%以下
通常、日本酒は貯蔵前と出荷前に火入れが行われますが、いずれかの場合に火入れを行わないと生酒・生貯蔵・生詰などと呼ばれます。分け方は以下の通りです。
・生酒…貯蔵前も出荷前も火入れをしない。
・生貯蔵…貯蔵前の火入れはしないが、出荷前の火入れは行う。
・生詰…貯蔵前の火入れはするが、出荷前の火入れはしない。
一般的に生酒はフレッシュな若々しい味わい、生貯蔵はまろやかな口当たりやふくよかなうま味、生詰は酸味が落ち着いているという特徴があります。飲み比べてみるのも、味わいを楽しむのもよいでしょう。 ただし、いずれの場合も加熱処理を一度以上行っていないことから、できるだけ品質が変わらないように美味しく飲むには冷蔵庫などで保存するのがおすすめです。
・新酒…秋に収穫したお米を使い、その年の冬に出来上がった日本酒のこと。その特性上、冬〜春限定。「しぼりたて」とも呼ばれる。フルーティで爽やかな香りやフレッシュな味わいが楽しめる。
・古酒…長期熟成酒とも呼ばれ、酒蔵で満3年以上熟成された日本酒のこと。日本酒の種類によって熟した果実、木の実や香木のような香りなどさまざまで、色合いも琥珀色から赤い褐色に近いものまで個性豊か。
他にも日本各地にその土地の気候や文化の違いを活かして作られた「地酒」と呼ばれる日本酒があり、随所に人気の種類があります。
また、日本酒は日光に当たると変色してしまいます。そのため、保存は原則として冷暗所での常温保存がおすすめですが、種類によっては冷蔵庫で保存し、冷酒として飲むのがおすすめなものもあります。 種類によって保存方法も使い分け、美味しく日本酒を楽しみましょう。
日本酒の種類にはどんなものがある?
そもそも、日本酒にはどんな種類があるのでしょうか。3つの種類について詳しく見ていきましょう。
純米酒
お米、米麹、水だけで造られた日本酒のことです。吟醸酒や本醸造は醸造アルコールを足しているため、純米酒はお米だけを原料に使った純粋なお酒とも言えるでしょう。お米だけを使っているため、お米本来の旨味やふくよかな香りが楽しめます。純米酒はさらに精米歩合(せいまいぶあい)で4つに分けられます。
精米歩合とは、精米されて残った部分を%で表したもののことです。一般的な食用米の精米歩合は90%ほどですが、お米の外側の部分はほとんどが脂質やタンパク質であり、お酒にとっては雑味になってしまいます。そこで、日本酒作りでは食用米よりもさらに表面を削り取る作業が必要になるのです。この精米作業のことを「磨く」と言い、精米歩合は数字が小さいほどよく磨かれている、つまり雑味が少なくよりお米本来の味わいが楽しめると言えます。
精米歩合によって分けられるランクは、以下の通りです。
・純米大吟醸…50%以下
・純米吟醸…60%以下
・特別純米…60%以下、または特別な製造方法
・純米…規定なし
純米大吟醸や純米吟醸は、後述する「吟醸造り」という製法を使って作られています。一方、特別純米の「特別な製造方法」とは、各酒蔵のこだわりによる製法のため、細かなルールや規定があるわけではありません。
吟醸酒
お米と米麹、水を使った純米酒に醸造アルコールを足した日本酒であることに加え、「吟醸造り」という製法で作られています。「吟醸造り」とは、お米を通常よりも低い温度で長時間発酵させる手法のことで、フルーティで華やかな香りが生まれるのが特徴です。吟醸酒はさらに、精米歩合で大吟醸と吟醸に分けられます。・大吟醸…50%以下
・吟醸…60%以下
本醸造酒
お米と米麹、水を使った純米酒に醸造アルコールを足した日本酒である点は吟醸酒と同じですが、吟醸酒よりも精米歩合が高い、つまりあまり磨かれていないお米を使っていると本醸造酒と呼ばれます。 本醸造酒は吟醸造りの製法を使わないため、香りは控えめでスッキリとした辛口のお酒が多くなるのが特徴です。こちらも精米歩合で特別本醸造と本醸造に分けられます。・特別本醸造…60%以下、または特別な製造方法
・本醸造…70%以下
日本酒の違いは何で決まる?
日本酒の違いは原料、火入れ、貯蔵期間によって決まります。
原料
前述のように、醸造アルコールを使っているかどうかで純米酒かそうでないかが分けられています。
火入れ
火入れとは名前の通り、加熱処理のことを指します。火入れとは言っても加熱しすぎるとアルコールが飛んでしまうため、沸騰させるわけではありません。ざっくり言うと、湯煎で60〜65度くらいまで30分程度加熱する方法で、殺菌効果や酒質の安定のために行われます。通常、日本酒は貯蔵前と出荷前に火入れが行われますが、いずれかの場合に火入れを行わないと生酒・生貯蔵・生詰などと呼ばれます。分け方は以下の通りです。
・生酒…貯蔵前も出荷前も火入れをしない。
・生貯蔵…貯蔵前の火入れはしないが、出荷前の火入れは行う。
・生詰…貯蔵前の火入れはするが、出荷前の火入れはしない。
一般的に生酒はフレッシュな若々しい味わい、生貯蔵はまろやかな口当たりやふくよかなうま味、生詰は酸味が落ち着いているという特徴があります。飲み比べてみるのも、味わいを楽しむのもよいでしょう。 ただし、いずれの場合も加熱処理を一度以上行っていないことから、できるだけ品質が変わらないように美味しく飲むには冷蔵庫などで保存するのがおすすめです。
貯蔵期間
貯蔵期間によって、新酒または古酒と呼ばれることがあります。・新酒…秋に収穫したお米を使い、その年の冬に出来上がった日本酒のこと。その特性上、冬〜春限定。「しぼりたて」とも呼ばれる。フルーティで爽やかな香りやフレッシュな味わいが楽しめる。
・古酒…長期熟成酒とも呼ばれ、酒蔵で満3年以上熟成された日本酒のこと。日本酒の種類によって熟した果実、木の実や香木のような香りなどさまざまで、色合いも琥珀色から赤い褐色に近いものまで個性豊か。
日本酒が美味しいのはどこ?
日本酒で有名なのは兵庫県神戸市〜西宮市の「灘五郷」です。日本酒の一大産地であり、日本全国で販売されている日本酒の4分の1はこの灘五郷で醸造されています。「白鶴」「菊正宗」「松竹梅」「金盃」など、人気の種類も多いです。他にも日本各地にその土地の気候や文化の違いを活かして作られた「地酒」と呼ばれる日本酒があり、随所に人気の種類があります。
日本酒には賞味期限がない!?
日本酒には賞味期限が表示されていないことがあります。これはアルコールの殺菌作用によってすぐには腐敗しないため、長期間の保存が可能なことから賞味期限の表示義務がないことによるものです。 しかし、だからといって日本酒に賞味期限がないわけではなく、日本酒を美味しく飲めるのは製造年月日から約1年間とされています。生酒など2回火入れしていない場合は約9ヶ月が目安です。 製造年月日は必ず表示されているため、確認して美味しく飲める期間中に飲み切りましょう。また、日本酒は日光に当たると変色してしまいます。そのため、保存は原則として冷暗所での常温保存がおすすめですが、種類によっては冷蔵庫で保存し、冷酒として飲むのがおすすめなものもあります。 種類によって保存方法も使い分け、美味しく日本酒を楽しみましょう。
まとめ
日本酒は大きく分けて純米酒・吟醸酒・本醸造酒に分けられますが、それ以外にも火入れや貯蔵期間によって呼び方が異なる場合があります。 全国一の酒どころは兵庫県神戸市〜西宮市の「灘五郷」ですが、日本各地に地酒と呼ばれる地域独特の日本酒がありますので、飲み比べてみても面白いかもしれません。
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