ベランダや庭で手軽に育てられる「バケツ稲」を知っていますか?水田を用意しなくても、バケツで似た環境を準備することで、簡単に稲を育てる体験ができます。 今回は、バケツ稲の概要や育て方、育てる際の注意点について詳しくご紹介します。稲作に興味がある方、実際に体験してみたい方は、ぜひチェックしてください。
・5L〜15Lの大きさのバケツ(直径30cm以上だとより育てやすい)
・土(黒土:赤玉土:鹿沼土=6:3:1)
・種もみや苗(※種もみを用意した場合は、別途パックや育苗培土が必要
・肥料
また、いつでも水分補給ができるよう、水源を確保しておくことも重要です。ホースや蛇口が近くにない場合は、必要に応じてじょうろなどで水を与えられるような場所に置きましょう。
1. 土を準備する
2. 芽を出す(種もみを用意した場合)
3. 育苗をする(種もみを用意した場合)
4. 苗を移し替える
土は黒土:赤玉土:鹿沼土=6:3:1の配合が理想ですが、花壇の土や以前にバケツ稲を育てたときの土があればそれでも構いません。以前使ったことのある土を使う場合は、水を早めに張って土を柔らかくしておきましょう。
土に化成肥料1握りを混ぜ、バケツの7割程度に土を入れます。土の上に水を張ることを意識し、バケツいっぱいに土を入れないように注意しましょう。
種もみを用意した場合は、4月中旬〜下旬にかけて芽を出させ、育苗をする必要があります。
発芽させるための「芽出し」は、シャーレや平らなパックなどの浅い容器に種もみが浸るくらいの水を入れ、室内の暖かい場所(25〜30℃)に置いて行いましょう。
種もみに酸素が十分いきわたるよう、毎日水を取り換えます。このとき、浮いてくる種もみは未熟なので取り除きましょう。1週間程度で種もみが膨らみ、少し芽が出たことがわかれば「芽出し」は完了です。
育苗は、種もみから発芽した芽の長さが1mmくらいになったら行います。
穴を開けた平らなパックに育苗培土を8分目くらいまで入れ、その上に発芽した種もみを蒔いて、静かに200cc程度の水を注ぎましょう(灌水/かんすい)。水の表面が落ち着いたら、種もみの1〜2倍くらいの厚さを目安にしてさらに育苗培土をかけます。
暖かいところ(18℃〜25℃)に置き、土の表面が乾いたら水をあげるようにすると2週間程度で苗が生えてくるでしょう。 5月中旬〜下旬ごろ、苗をバケツに移し替えます(田植え)。苗を買ってきた場合はここからスタートです。
準備した土に水を入れ、土の表面から5cm程度の深さまでかき混ぜます(しろかき)。表面から2cmくらいは水と混ざってどろどろになるようにしましょう。
数時間〜1日程度落ち着かせたら、水を足して水深2〜3cmくらいにします。
次はいよいよ植え付けです。 育ちが良い苗(背丈が高く、より茎が太い苗)を選んでかきとり、1株につき3〜5本ずつくらいを3株、だいたい三角形になるよう、土の表面から2〜3cmの深さに植え付けましょう。
密集させて大量に植えてしまうと成長が悪くなるため、密集しないよう注意します。残った苗は別のバケツを用意し、予備苗として育てておけると理想的です。
手順は以下のようになっています。
1. バケツの水を抜く
2. 土の表面を乾かし、ひび割れを作る
3. ひび割れができたのを確認したら、水を再度入れる
バケツの水を抜いて中干ししている最中は、雨が当たらない場所に置きましょう。
最後に水を入れるときは一度にたくさん入れると根が急激に酸欠状態になるため、初めは土から2cmくらいの水量になるように水を入れ、水がなくなったらまた2cmくらいの分量になるまで入れるのを何度か繰り返して5cmくらいの水量を保てるようにします。
7月中旬〜下旬になると「幼穂(ようすい)とは、幼い穂のこと」が出てくるため、7月下旬〜8月ごろに追肥を行います。窒素を含む化成肥料を小さじ半分くらいが目安です。
ここから8月下旬まではぐんぐん稲が成長していく期間で水を大量に必要とするため、十分に水をあげて切らさないよう気をつけましょう。また、ネットなどをかけておくと、虫や鳥などの食害を防ぐことができます。
稲刈りの時期を決める方法について詳しくは、以下の記事でも解説しています。
「稲刈りの時期はいつ?見極めるポイントや決め方について知ろう」
稲刈りは、根本から5cmくらいのところをハサミなどで切ります。園芸用のものがよいですが、なければ文房具でも構いません。
刈り取った稲は、根本をひもなどで束ねて日当たりの良い場所で10日ほど干し、乾燥させます。このときも食害を防ぐため、ネットなどをかけておくとよいでしょう。下に新聞紙やシートを敷いておくと、乾燥しきってこぼれてくる稲も拾えるのでおすすめです。
玄米の状態になったら瓶に入れ、棒でついていくとだんだんお米が白くなってきます(精米)。
玄米の状態で食べたい場合は、ボールでもみがらを擦り落としたら食べられます。通常の白米が食べたいなら、精米しましょう。精米後はぬかと白米を分けるため、ふるいにかけるとよいです。
・台風などが来たときは、バケツ稲を屋内の冷房が効いていない場所に移す
・病害虫が出たときは、病気ならその稲を取り除き、害虫は見つけ次第取り除く
・水温が20〜30℃になるよう、高すぎる場合は適宜水を入れ替える
9月の刈り取りの時期は特に鳥などの食害に注意し、刈り取って天日干しする際にはネットなどをかけるのがおすすめです。
自分で脱穀・精米したお米は美味しく食べられるでしょう。ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。
バケツ稲とは?
バケツ稲とは、名前のとおりバケツで育てる稲のことです。バケツと土を用意し、そこに稲を植えることで水田がなくても、庭やベランダなど好きな場所で手軽に稲を育てられます。 平成元年からJAグループでバケツ稲づくりセットを配布しているほか、バケツと土、種もみや苗、肥料を用意すれば自分で一からバケツ稲を作ることも可能です。
バケツ稲の育て方
では、実際にバケツ稲を育てる方法についてご紹介します。
準備するもの
バケツ稲を育てる際には、以下のものを準備します。ホームセンターなどで購入できますので、活用しましょう。・5L〜15Lの大きさのバケツ(直径30cm以上だとより育てやすい)
・土(黒土:赤玉土:鹿沼土=6:3:1)
・種もみや苗(※種もみを用意した場合は、別途パックや育苗培土が必要
・肥料
また、いつでも水分補給ができるよう、水源を確保しておくことも重要です。ホースや蛇口が近くにない場合は、必要に応じてじょうろなどで水を与えられるような場所に置きましょう。
種まき〜苗の移し替え
種まきから苗の移し替えまでは、以下の手順で行います。1. 土を準備する
2. 芽を出す(種もみを用意した場合)
3. 育苗をする(種もみを用意した場合)
4. 苗を移し替える
土は黒土:赤玉土:鹿沼土=6:3:1の配合が理想ですが、花壇の土や以前にバケツ稲を育てたときの土があればそれでも構いません。以前使ったことのある土を使う場合は、水を早めに張って土を柔らかくしておきましょう。
土に化成肥料1握りを混ぜ、バケツの7割程度に土を入れます。土の上に水を張ることを意識し、バケツいっぱいに土を入れないように注意しましょう。
種もみを用意した場合は、4月中旬〜下旬にかけて芽を出させ、育苗をする必要があります。
発芽させるための「芽出し」は、シャーレや平らなパックなどの浅い容器に種もみが浸るくらいの水を入れ、室内の暖かい場所(25〜30℃)に置いて行いましょう。
種もみに酸素が十分いきわたるよう、毎日水を取り換えます。このとき、浮いてくる種もみは未熟なので取り除きましょう。1週間程度で種もみが膨らみ、少し芽が出たことがわかれば「芽出し」は完了です。
育苗は、種もみから発芽した芽の長さが1mmくらいになったら行います。
穴を開けた平らなパックに育苗培土を8分目くらいまで入れ、その上に発芽した種もみを蒔いて、静かに200cc程度の水を注ぎましょう(灌水/かんすい)。水の表面が落ち着いたら、種もみの1〜2倍くらいの厚さを目安にしてさらに育苗培土をかけます。
暖かいところ(18℃〜25℃)に置き、土の表面が乾いたら水をあげるようにすると2週間程度で苗が生えてくるでしょう。 5月中旬〜下旬ごろ、苗をバケツに移し替えます(田植え)。苗を買ってきた場合はここからスタートです。
準備した土に水を入れ、土の表面から5cm程度の深さまでかき混ぜます(しろかき)。表面から2cmくらいは水と混ざってどろどろになるようにしましょう。
数時間〜1日程度落ち着かせたら、水を足して水深2〜3cmくらいにします。
次はいよいよ植え付けです。 育ちが良い苗(背丈が高く、より茎が太い苗)を選んでかきとり、1株につき3〜5本ずつくらいを3株、だいたい三角形になるよう、土の表面から2〜3cmの深さに植え付けましょう。
密集させて大量に植えてしまうと成長が悪くなるため、密集しないよう注意します。残った苗は別のバケツを用意し、予備苗として育てておけると理想的です。
中干し、追肥
6〜7月ごろ、稲の茎の数がだいたい25本前後になったら「中干し」を行います。中干しとは、土の中の酸素不足により根腐れするのを防ぐために、水を抜いて土を乾かす作業のことです。手順は以下のようになっています。
1. バケツの水を抜く
2. 土の表面を乾かし、ひび割れを作る
3. ひび割れができたのを確認したら、水を再度入れる
バケツの水を抜いて中干ししている最中は、雨が当たらない場所に置きましょう。
最後に水を入れるときは一度にたくさん入れると根が急激に酸欠状態になるため、初めは土から2cmくらいの水量になるように水を入れ、水がなくなったらまた2cmくらいの分量になるまで入れるのを何度か繰り返して5cmくらいの水量を保てるようにします。
7月中旬〜下旬になると「幼穂(ようすい)とは、幼い穂のこと」が出てくるため、7月下旬〜8月ごろに追肥を行います。窒素を含む化成肥料を小さじ半分くらいが目安です。
ここから8月下旬まではぐんぐん稲が成長していく期間で水を大量に必要とするため、十分に水をあげて切らさないよう気をつけましょう。また、ネットなどをかけておくと、虫や鳥などの食害を防ぐことができます。
稲刈り
9月に入り、穂が垂れて黄色く色づいてきたらそろそろ収穫の時期です。 幼穂が出てきてから40〜45日目、または穂が全体的に黄色くなり、穂10粒のうち8〜9粒くらいが黄色くなったら刈り取りの時期とみて構いません。収穫日の8〜10日前には水を抜き、土を乾かします(落水)。稲刈りの時期を決める方法について詳しくは、以下の記事でも解説しています。
「稲刈りの時期はいつ?見極めるポイントや決め方について知ろう」
稲刈りは、根本から5cmくらいのところをハサミなどで切ります。園芸用のものがよいですが、なければ文房具でも構いません。
刈り取った稲は、根本をひもなどで束ねて日当たりの良い場所で10日ほど干し、乾燥させます。このときも食害を防ぐため、ネットなどをかけておくとよいでしょう。下に新聞紙やシートを敷いておくと、乾燥しきってこぼれてくる稲も拾えるのでおすすめです。
脱穀・精米
稲がカラカラになったら、牛乳パックや茶碗などの容器の中で、割り箸や金属のクシなどを使って茎からもみを外していきます。金属のクシの場合は穂をとくように引き、割り箸の場合は間に穂を挟みゆっくり引くことで簡単に外れます。外し終わったら、すり鉢と野球の軟球ボールを使ってもみすりをしましょう。このとき、少量のもみを入れてボールで擦るように行います。玄米の状態になったら瓶に入れ、棒でついていくとだんだんお米が白くなってきます(精米)。
玄米の状態で食べたい場合は、ボールでもみがらを擦り落としたら食べられます。通常の白米が食べたいなら、精米しましょう。精米後はぬかと白米を分けるため、ふるいにかけるとよいです。
バケツ稲を育てる際の注意点
バケツ稲を育てる際は、以下の点に注意しましょう。・台風などが来たときは、バケツ稲を屋内の冷房が効いていない場所に移す
・病害虫が出たときは、病気ならその稲を取り除き、害虫は見つけ次第取り除く
・水温が20〜30℃になるよう、高すぎる場合は適宜水を入れ替える
まとめ
バケツ稲は種もみからでも、苗からでも育てられます。種まきや田植え、中干し、追肥など時期とポイントをおさえて育てましょう。9月の刈り取りの時期は特に鳥などの食害に注意し、刈り取って天日干しする際にはネットなどをかけるのがおすすめです。
自分で脱穀・精米したお米は美味しく食べられるでしょう。ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。
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