【特集第26弾:鳥取のお米】特徴やおすすめのお米をご紹介!

鳥取県は、自然豊かな土地と、中国山地から日本海に注ぐ豊富な清流で、昔からおいしい米どころとして知られています。稲作の歴史は古く、弥生時代の妻木晩田(むきばんだ)遺跡でも、水田の畦や水路、農耕具が発掘されています。

 

今回は、鳥取県で主に作られているお米や鳥取県が開発したオリジナル品種について紹介します。

鳥取県の農業とお米づくり

鳥取県では、どのような農業が営まれているのでしょうか。鳥取県の地理と気候の特徴、農業の特徴、お米づくりの特徴について紹介します。

鳥取県の地理と気候の特徴

鳥取県は、中国地方の北東部に位置する東西約120km、南北約20~50kmと、東西に細長い県です。北は日本海に面し鳥取砂丘をはじめとする海岸線が続き、南には中国山地の山々が連なっており山地が多い地形です。

 

面積は、約3,507km2で全国41位。気候は日本海型に属し、年平均気温は平野部で14~15℃、山間部で11~13℃で、春から秋は好天が多く冬には雪が降るなど、四季がはっきりしています。

鳥取県の農業

鳥取県では、米、野菜、果実、畜産がバランスよく営まれており、農業産出額は約727億円で全国36位です。地域別で見ると、千代川、天神川、日野川の三大河川の周辺に開けた水田地帯では稲作、東中部の中山間地帯の傾斜地や黒ボク(火山性の土壌)丘陵地帯では梨を中心とした果樹、黒ボク土の畑や砂丘地帯では野菜、大山山麓地帯では酪農、山間地域では肉用牛などの農業が行われています。

主な農産物には、らっきょう(収穫量全国1位)、すいか(収穫量全国5位)、日本梨(収穫量全国6位)、ブロッコリー(収穫量全国9位)などがあります。    

鳥取県の米づくりの特徴

鳥取県のお米(主食用)の収穫量は、約56,300トンです。米の農業産出額は約123億円で、農業産出額全体の約17%を占めています。鳥取県は全国でもっとも人口の少ない県なので、県内で消費されないお米は、京阪神を中心に出荷されています。

 

参考:農林水産省「鳥取県の農林水産業の概要」令和5年版

参考:米穀安定供給確保支援機構「お米の都道府県別収穫量(水稲)令和5年産

 

鳥取県で栽培されている主なお米の品種

 

鳥取県で作付けされているお米を品種別で見ると、1位はコシヒカリ(38.4%)、2位きぬむすめ(26.7%)、3位ひとめぼれ(18.4%)で、3品種を合計すると83.5%になっていました。この章では、1位から3位の品種について特徴を紹介します。(2024.11月現在)

コシヒカリ

「コシヒカリ」は、日本でもっとも多く作付けされているお米の品種です。令和5年度のうるち米では、品種別の作付け割合が33.1%で、日本で作られているお米の約3分の1が「コシヒカリ」です。「コシヒカリ」は誕生してから60年以上も経つ古い品種ですが、昭和54(1979)年から作付け面積トップを守り続けており、「お米の王様」と呼ばれています。

 

鳥取県産の「コシヒカリ」は、うま味成分のバランスがよい、粘り・甘み・香りに優れている、冷めてもおいしいといった特徴があります。

 

関連記事:ごはん彩々「もっとも多く栽培されているコシヒカリってどんなお米?特徴を解説」

きぬむすめ

「コシヒカリ」に次いで、鳥取県で多く作付けされている品種は「きぬむすめ」です。「きぬむすめ」は、九州農業試験場(九州沖縄農業研究センター)が、「キヌヒカリ」と「愛知92号(祭り晴)」を交配して開発した品種です。鳥取県では、平成20(2008)年に奨励品種に採用されました。

鳥取県産の「きぬむすめ」は、炊きあがりの白さとツヤ、粘りが強くツルりとした食感、冷めてもおいしいという特徴があるおいしいお米で、日本穀物検定協会が実施した「令和5年度産 米の食味ランキング」では、最高評価の特Aを獲得しています。

ひとめぼれ

「ひとめぼれ」は、日本で作付けされているお米の品種で「コシヒカリ」に次いで2番目の作付け割合(8.3%)を誇る品種です(令和5年産)。主に東北地方を中心に作付けされていますが、鳥取県でも作付け割合が18.4%と3位の品種です。

鳥取県産の「ひとめぼれ」は、コシヒカリと同等の良食味で、甘みや粘り、口当たりのバランスが絶妙です。

 

参考:米穀安定供給確保支援機構「令和5年産 水稲の品種別作付動向について」

参考:日本穀物検定協会「令和5年度産 米の食味ランキング」

鳥取県で栽培されているほかのお米の品種

鳥取県では、「コシヒカリ」や「きぬむすめ」、「ひとめぼれ」のほかにも、鳥取県が開発したオリジナル品種のお米も栽培されています。


星空舞

「星空舞」は、鳥取県農業試験場が約30年もの歳月をかけて開発した品種で、平成30(2018)年にデビューしました。

通常の品種育成は、親となる品種を選んで1回だけ交配する方法が主流です。しかし「星空舞」は、病気に強い「ササニシキBL1号」を母に、「コシヒカリ」の系譜で良食味の「ゆめそらら」を父として交配。その子どもに「ゆめそらら」を、さらにその子どもに「ゆめそらら」を、5年かけて同じ父親を交配する「戻し交配育種」という方法で品種改良され誕生しました。

 

鳥取県は、環境省が実施した全国星空継続観察で何度も日本一に輝き、どの市町村からも天の川が見えるなど、県内全域にわたって美しい星空を観察できることから、「星取県」を名乗っています。その星取県から生まれた「星のように輝くお米」であることから「星空舞」と命名されました。

 

「星空舞」は、次のような特徴がある鳥取県期待の新品種です。

・ごはんのツヤが際立つ美しい炊きあがり

・粒感がありはね返る食感

・冷めても食感が変わらずおいしい

プリンセスかおり

「プリンセスかおり」は、鳥取県農業試験場が開発した鳥取県オリジナルの「香り米」です。平成29(2017)年に品種出願登録が行われました。

 

香り米とは、炊いたときに独特の香りがするお米です。世界では、インドやパキスタンの「バスマティ米」やタイの「ジャスミンライス」が知られています。「プリンセスかおり」は、インドの香り米「バスマティー370」の香りを受け継ぐ「プリンセスサリー」と「コシヒカリ」の突然変異株「いのちの壱」を交配して育成した品種です。

 

鳥取県鳥取市は、総務省の家計調査によるとカレールーの購入額が平成25~27年から平成30~令和2年まで連続で1位でした。そんな背景もあり、カレーを応援する市民団体「鳥取カレー倶楽部」から、カレーとの相性がよい米の開発について提案を受け、開発されたお米が「プリンセスかおり」です。

 

「プリンセスかおり」は、「プリンセスサリー」からポップコーンのような香りを、「いのちの壱」から粘りとうま味を引き継いでいて、カレーとの相性が抜群です。

 

参考:鳥取県統計課「鳥取市の一世帯当たりの購入数量が全国上位の品目にはどんなものがありますか」 

まとめ

鳥取県では「コシヒカリ」「きぬむすめ」「ひとめぼれ」の3つの品種の作付け割合が8割を超えていますが、平成30年には鳥取県オリジナルの新しい品種「星空舞」も登場しました。カレーによく合う香り米の「プリンセスかおり」も鳥取県オリジナルの品種です。ぜひ、取り寄せて味わってみてください。

 

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(おいしいごはん研究チーム)2025.2.14

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