日本各地の生産者の思いをたっぷり受けて育ったお米たち。農家で脱穀(稲穂からモミをはずすこと)が行なわれたモミ(イネの果実に相当する部分)は、それぞれの産地で貯蔵施設に集められます。そこで乾燥・一時保管され、出荷される直前にモミすり(モミから殻をはずすこと)され、玄米(モミから殻をむいた米)の形で精米工場へ運ばれます。
精米工場は、この玄米を精選(品質の良いものを選りすぐること)、精米加工(玄米を精米にすること)、袋詰めして出荷する施設のこと。生産者が丹精を込めて育てたお米を、実際に消費者が手にする商品の形にし、出荷する大切な役目を担っています。
5つの工程を経ることで、お米の安心・安全が担保される!
玄米が白米として出荷されるまで流れを整理すると、大まかにいって、下記の5つの工程を経て、お米が製品化されていきます。それぞれの役割を見ていきましょう。
入荷される玄米にも、厳しいチェックが!
玄米の段階で、石などを排除!
3段階に分け、お米を傷つけないように優しく。
ここでは、お米の食味を低下させないように、摩擦熱を抑えるなどの温度管理も行なわれています。またヌカや胚芽除去のしやすくするために、お米の品質に合わせ、精米機に流れる米粒の量や、米粒への圧力をコントロールもしています。
精米加工を終えたお米は、さらに細かいチェックに。
精米加工を終えたお米は、次に砕米選別機を通ることに。ここでは、加工途中で米粒が割れたものやヌカなどを網目でふるいにかけ、除去していきます。
さらに、光選別機にかけられます。この選別機にはCCDカメラと近赤外線カメラが搭載されており、デジタル画像処理によって着色粒(病害により変色したもの)、被害粒(虫食いなどの被害で変色したもの)やガラス粒などを瞬時に選り分け、はじいていくのです。1台で約97%の除去が可能ということですが、工場によっては3台通すこともあるので、着色粒、被害粒は限りなくゼロに近づいていきます。
このようにして精選されたお米だけが計量され、精米タンクへと納まるのです。
精米タンクに運ばれたお米は、このまま商品化してもいい状態なのですが、さらに流化式選別機、最終光選別機、金属探知機など、最終精選を経ることで、初めて安心・安全といえる製品となるのです。
最後まで手を抜かない品質チェック体制!
精米工場には、5つの工程を経るラインとは別にもう一つ大事なセクションがあります。それが、品質管理室。
製品となったお米のサンプルは、最新の分析機器を完備した品質管理室へ。ここで、最終的に高い安全性と品質を維持するために、形質、白度、水分含有率、成分・鮮度の判定、食味値の計測などが、専用の分析器で詳細に行なわれます。震災後は、放射能物質の検査も新しくチェック項目に加わっています。
そしてチェックは玄米、精米だけにとどまらず、実際にお米を炊いてみて、炊飯後の食感などにも及んでいます。炊飯したお米に関しては、機械に頼るだけでなく、商品銘柄ごとに一釜一釜炊き上げ、スタッフが五感を駆使して、ソムリエのように美味しさの評価も。数値では表せない、味もチェックしているので、更なる安心を得られるのです。
さらに、何か問題が起こった時、流通経路での追跡できるトレーサビリティにも対応。入荷した玄米、出荷された製品は、入荷日、商品銘柄ごとにサンプルがビンに入れられ、3か月保存されます。まさにお米の安心・安全のために、手を抜かないのが精米工場なのです。
*工程等は、㈱むらせ首都圏工場を参考にしています。
何かを制限せず、自分の好きなものをしっかり意識することがダイエット成功のカギ!