ごはんを食べようと思ったら、「なんだか臭いが気になる……」という経験はありませんか?臭いが気になるとき、ついついごはんが腐ってしまったのではないかと思ってしまいますが、気になる臭いには「腐ってしまった」以外にもいくつかの原因が考えられます。今回は、ごはんの臭いが気になる原因とその対策について見ていきましょう。
ごはんの臭いが気になるのはどうして?
まず、ごはんの臭いが気になる原因から確認していきましょう。
保温のしすぎ
ごはんが炊き上がった後、保温にして何時間も放置しっぱなしにしていると、ごはんの色が黄色く変色したり、パサパサになったりしてしまいます。これは「メイラード反応」と呼ばれるものです。
○メイラード反応
ごはんは主に糖質と食物繊維からなる炭水化物で、炭水化物は糖とアミノ酸の「メイラード反応」によって褐色物質「メラノイジン」を生み出します。この褐色物質によって、料理のときに白い生地がキツネ色に焼き上がるのです。
ごはんの「おこげ」もメイラード反応ですし、保温しっぱなしで黄色く変色するのも、このメイラード反応によるものだと考えられます。つまり、ざっくり言えばごはんが焦げているので臭いがする、というわけです。
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炊飯器の汚れ残り
炊飯器の釜、内蓋、パッキンが清潔でない場合、汚れがごはんにうつって臭いがすることもあります。パッキン部分に米粒が詰まってきちんと閉まらないと、蒸気漏れで炊飯器の内部の温度が下がり、雑菌が繁殖してしまい、臭いの原因になるのです。 また、汚れが残ったまま使い続けると、ごはんがべちゃついたりパサパサになったりと、うまく炊けなくなる原因にもなりえます。
お米の洗いが不十分
お米の「米ぬか」がついたままだと、炊き上がったごはんが黄色く変色したり、酸っぱい臭いのもとになってしまいます。これは、主に洗い(研ぎ)の際に不十分なことが原因です。または、自宅で玄米から精米している場合は、精米が不十分な可能性も考えられます。精米機の調子が悪くないか、しっかり確認しましょう。
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お米が古い
そもそもお米自体が古い、お米の品質が悪いという場合もあります。お米が古いと、米ぬかが酸化したときの独特な「ぬか臭さ」が出てしまうので、お米を炊き上げたとき、ぬか臭いごはんになってしまうのです。こればかりはどうしようもないので、お米を買い換えましょう。
自宅に家庭用精米機がある場合は、古いお米でも軽く精米(リフレッシュ)すると精米したてに近い状態になりますので、精米の臭いが軽減し、味も良くなるケースがあります。心当たりがあれば、ぜひ試してみてください。
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雑菌が繁殖してしまった
蓋を開けている間に雑菌が入り繁殖してしまった、もともとお米に少し付着している「バチルス菌」が大量に繁殖してしまったなど、雑菌が繁殖して臭いが出てしまうケースも。炊飯器の保温モードは雑菌が繁殖しにくい温度になっているものの、何らかの原因で温度が下がったり、雑菌が混入したりして雑菌が繁殖してしまうことは十分考えられます。
特に、しゃもじを内釜に入れっぱなしにしておくと温度が下がり、しゃもじについていた雑菌を入れてしまうので、雑菌繁殖の原因になりやすいです。保温を一時的に切る、電源プラグを抜くなどの原因でも温度が下がっていくので注意しましょう。
ごはんの臭いが気になっても、食べられる?
古いごはんや洗いが不十分なだけの「ぬか臭い」ごはん、メイラード反応による焦げたごはんは、味が大きく落ちるものの食べられないことはありません。しかし、雑菌が繁殖したごはんや、炊飯器の汚れ移りしたごはんは不衛生なので、絶対に食べないようにしましょう。 これらの違いがわからないときは、食中毒の危険性があるので食べてはいけません。
ごはんの臭いが気になるときの対策
ごはんの臭いが気になるときは、以下のようなポイントに気をつけましょう。
保温時間は短めに
基本的には1回で食べ切れる量を炊き、食べきれなかったごはんはできるだけ早く冷凍保存しましょう。
炊飯器は、使うたびにお手入れする
釜、内蓋、パッキンなどごはんに直接触れる部分はできるだけ使うたびにお手入れしましょう。面倒でも毎回使った後に洗い、洗った後はしっかり乾燥させます。特に、ふた加熱板は汚れやすいのでお手入れを念入りにしましょう。
お米はしっかり研ぐ
無洗米でない限り、お米を研ぐ工程は重要です。現在は精米技術が向上したので、それほどしっかり洗い落とさなくても構いませんが、自家精米や臭いが気になるときにはしっかり研ぎましょう。
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しゃもじの入れっぱなしは厳禁
ごはんをよそったら、しゃもじは炊飯器に入れっぱなしにせず、内釜から出しておきましょう。冷えたごはんを戻すのも、雑菌が混入するので厳禁です。
まとめ
ごはんの臭いが気になる原因は、保温しすぎや炊飯器の汚れ残り、お米のぬか臭さ、雑菌の繁殖などが考えられます。保温時間を短めにしたり、炊飯器をこまめにお手入れしたり、お米をしっかり研いだりなどの対策をとりましょう。
(ごはん彩々・おいしいごはん研究チーム)
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